一時的に使用しなくなった普通自動車について、一時抹消登録をしているケースがあります。
その後、
「もう一度この車に乗りたい」
「一時抹消された中古車を購入したのでナンバーを取得したい」
という場合には、そのまま公道を走ることはできません。
再び自動車を使用するためには、運輸支局で中古新規登録などの手続を行い、新しい車検証とナンバープレートを取得する必要があります。
今回は、一時抹消された普通自動車を再び使用する際の基本的な手続について解説します。
1.一時抹消登録とは?
一時抹消登録とは、普通自動車の使用を一時的に中止するための登録手続です。
例えば、
・しばらく車に乗らない
・中古車として保管する
・売却するまで使用しない
・長期間保管して後から再び使用する
といった場合に行われます。
一時抹消登録をするとナンバープレートを返納し、公道を通常の状態で走行することはできなくなります。
ただし、車そのものを解体して永久に使用できなくする「永久抹消」とは異なり、一時抹消であれば所定の手続を行うことで再び登録して使用できます。
2.復活させる手続は「中古新規登録」
一時抹消した普通自動車を再び使用する場合、一般的には中古新規登録を行います。
「抹消した車を復活させる」という表現が使われることもありますが、以前のナンバーを単純に元へ戻す手続ではありません。
改めて登録を行い、車検証やナンバープレートの交付を受けます。
そのため、車両だけ運輸支局へ持っていけばすぐにナンバーが交付されるわけではなく、必要な準備を順番に進める必要があります。
3.まず車検を受けられる状態にする
一時抹消中の自動車には、有効な車検証がありません。
再登録するためには、車両が保安基準に適合していることを確認する必要があります。
長期間保管されていた車の場合には、
・タイヤ
・ブレーキ
・ライト類
・ワイパー
・排気関係
・その他の保安部品
などについて整備が必要になることもあります。
中古新規登録を予定している場合には、まず整備工場等へ相談し、車検を受けられる状態にしておきましょう。
4.一時抹消中の車はそのまま公道を走れない
ここは注意が必要です。
一時抹消中の自動車には通常のナンバープレートがありませんので、そのまま公道を運転して運輸支局や整備工場へ持っていくことはできません。
車両を移動させる場合には、
・積載車等で運搬する
・必要な手続を行って臨時運行許可(いわゆる仮ナンバー)を利用する
などの方法を検討することになります。
「車検を取るためだから少しくらい走っても大丈夫」ということではありません。
5.所有者が同じ場合と変わる場合で書類が異なる
一時抹消した本人が、その車をもう一度使用するケースもあれば、
一時抹消中の中古車を別の人が購入して再登録する
ケースもあります。
後者の場合には、所有者が変更されることになるため、譲渡関係の書類なども必要になります。
例えば、
「父親名義で一時抹消した車を子ども名義で登録する」
「中古車業者から一時抹消済みの車を購入した」
といった場合です。
誰が現在の登録上の所有者で、誰を新しい所有者にするのかを最初に整理しておくことが重要です。
6.所有者と使用者が違っていても登録できる?
自動車の登録では、「所有者」と「使用者」が別になることがあります。
例えば、
・親が所有者で子どもが使用者
・法人が所有者で従業員等が使用者
・ローン会社等が所有者となる
といったケースです。
所有者と使用者が異なるからといって、直ちに登録できないわけではありません。
ただし、それぞれについて必要となる書類が異なる場合があります。
また、車庫証明については基本的に自動車を実際に使用する本拠との関係が重要になります。
そのため、所有者と使用者が異なる場合には、誰を所有者・使用者として登録するのかを明確にしたうえで書類を準備することが大切です。
7.車庫証明も必要
普通自動車の中古新規登録では、原則として**自動車保管場所証明書(車庫証明)**も必要になります。
車庫証明については、警察署へ申請します。
その際には、
・使用の本拠の位置
・保管場所の位置
・保管場所を使用する権原
などを確認します。
自宅の敷地を使用する場合と、月極駐車場など他人の土地を借りる場合では、準備する書類も変わります。
中古新規登録の直前になって慌てないよう、車庫証明についても早めに準備しておきましょう。
8.自賠責保険への加入も必要
自動車を公道で使用するためには、**自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)**への加入が必要です。
一時抹消後、長期間使用していなかった車の場合には、自賠責保険の有効期間が切れていることが一般的です。
中古新規登録・車検を行う際には、必要な期間を満たすよう自賠責保険への加入手続も行います。
9.中古新規登録までの大まかな流れ
一時抹消された普通自動車を再び使用する場合の一般的な流れは、次のようになります。
① 車両・一時抹消関係書類の確認
↓
② 必要に応じて車両を整備
↓
③ 車庫証明の取得
↓
④ 自賠責保険への加入
↓
⑤ 車検・検査
↓
⑥ 運輸支局で中古新規登録
↓
⑦ ナンバープレートの交付・取付け
車両の状況や所有者変更の有無などによって、必要な手続や順序が変わることがあります。
10.書類がない場合は早めに確認を
長期間一時抹消されていた車の場合、
「書類がどこにあるか分からない」
ということもあります。
また、中古車を個人間で売買した場合には、
「売主から何の書類を受け取ればいいのか分からない」
というケースもあります。
必要な書類が不足していると、登録直前になって手続が止まってしまう可能性があります。
特に所有者が変わる場合には、車を購入する段階で必要書類を確認しておくことをおすすめします。
まとめ
一時抹消された普通自動車は、所定の手続を行えば再び登録して使用することができます。
ただし、
「一時抹消を解除するだけ」という単純な手続ではありません。
中古新規登録として、車検、車庫証明、自賠責保険、登録手続などを順番に進める必要があります。
特に、
・一時抹消した車をもう一度使用したい
・一時抹消中の中古車を購入した
・所有者を変更して再登録したい
・所有者と使用者を別にしたい
・必要書類が分からない
・平日に運輸支局へ行く時間がない
といった場合には、事前に必要な手続を整理しておくとスムーズです。
行政書士高見裕樹事務所では、自動車登録・車庫証明などの各種自動車手続についても対応しています。
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