スナックやラウンジ、キャバクラなどで「接待」を伴う営業を行う場合、原則として風営法に基づく風俗営業許可が必要です。
開業を考えると、
「この物件で許可が取れるか」
「店内をどのようなレイアウトにすればいいか」
といった点に目が行きがちですが、その前に確認しておきたい重要なポイントがあります。
それが、申請者が風俗営業許可の「欠格事由」に該当していないかということです。
せっかく物件を契約して内装工事まで行ったのに、申請者の欠格事由によって許可を取得できないとなれば、大きな損失につながります。
今回は、風俗営業許可を申請する前に確認しておきたい「欠格事由」について解説します。
1.風俗営業許可の「欠格事由」とは?
風俗営業許可は、申請すれば誰でも取得できるものではありません。
風営法では、一定の事情に該当する人について、許可を受けることができない旨が定められています。
これが、いわゆる欠格事由です。
申請者が個人の場合はもちろん、法人で申請する場合にも、役員について欠格事由の確認が必要になります。
そのため、法人で店舗を経営する場合には、
「代表取締役だけ問題がなければ大丈夫」
とは限りません。
申請前に、法人の役員構成を含めて確認しておく必要があります。
2.過去に罰金を受けたら、風俗営業許可は取れない?
ご相談で特に多いのが、
「以前、罰金を受けたことがありますが、風俗営業許可を取れますか?」
というご質問です。
ここで注意したいのは、罰金を受けたことがあるからといって、すべての場合に風俗営業許可が取れなくなるわけではないということです。
どの法律・条例に違反したのか、どのような刑を受けたのか、刑の執行が終わってからどの程度の期間が経過しているのかなど、具体的な内容を確認する必要があります。
風営法では、一定の罪について罰金刑を受けた場合などに、一定期間、許可を受けることができない旨が定められています。
したがって、
「罰金だから大丈夫」
「罰金を受けたことがあるから絶対に無理」
と自己判断するのではなく、処分の内容を正確に確認することが重要です。
3.客引きで罰金を受けた場合は?
繁華街で店舗を経営されている方の場合、
「過去に客引きで罰金を受けたことがある」
というケースもあります。
この場合も、「客引き」という言葉だけでは判断できません。
例えば、どの法律や条例に基づいて処分を受けたのかによって、風俗営業許可への影響が異なる可能性があります。
石川県内で営業する場合であっても、過去の処分が他県でのものであるケースも考えられます。
そのため、
・いつ処分を受けたのか
・何の法律・条例に違反したのか
・どのような刑を受けたのか
・刑の執行がいつ終了したのか
などを確認したうえで判断する必要があります。
記憶だけで判断せず、罰金の略式命令など手元に残っている資料があれば、申請前に確認しておきましょう。
4.法人で申請すれば解決するとは限らない
「自分に欠格事由があるなら、会社を作って法人名義で申請すればいいのでは?」
と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、単純に法人を申請者にすれば解決するとは限りません。
風俗営業許可では、法人そのものだけではなく、法人の役員についても欠格事由が確認されます。
そのため、会社設立や役員変更を行う場合にも、風俗営業許可との関係を考えて進めることが重要です。
特に新しく法人を設立して店舗を開業する場合には、会社設立と風俗営業許可を別々に考えるのではなく、最初から全体の流れを整理しておくことをおすすめします。
5.申請者だけでなく「管理者」も確認
風俗営業を行う場合には、営業所ごとに管理者を選任する必要があります。
この管理者についても、誰でも自由に選任できるわけではありません。
そのため、
「申請者は問題なかったが、予定していた管理者では難しかった」
ということがないよう、申請者とあわせて管理者についても事前に確認しておくことが大切です。
6.物件契約や内装工事の前に確認を
風俗営業許可を取得するためには、欠格事由以外にもさまざまな要件があります。
例えば、
・営業できる地域か
・保全対象施設との距離に問題がないか
・客室の構造に問題がないか
・照度の基準を満たしているか
・見通しを妨げる設備がないか
などです。
つまり、風俗営業の開業準備では、
「人」だけでなく「場所」と「店舗構造」も確認する必要があります。
特に注意したいのが、物件を契約して内装工事を始めてから問題が判明するケースです。
開業予定日が決まっている場合ほど、先に物件を押さえたくなりますが、許可の見込みを確認してから進めた方が安全です。
7.「自分は許可を取れる?」と思ったら申請前にご相談ください
過去に刑事処分を受けたことがある場合でも、その事実だけで風俗営業許可の可否を判断することはできません。
重要なのは、具体的な処分内容を確認し、風営法の欠格事由に該当するかを個別に検討することです。
また、申請者本人に問題がなくても、法人役員や管理者について確認が必要になるケースがあります。
風俗営業を始める予定がある方は、物件契約や会社設立、内装工事を進める前に確認しておくことをおすすめします。
まとめ
風俗営業許可では、店舗の場所や構造だけでなく、申請者等についても厳格な要件が設けられています。
特に、
・過去に罰金刑などを受けたことがある
・客引きで処分を受けたことがある
・法人で風俗営業許可を取得したい
・誰を管理者にするか迷っている
・これから会社を設立して店舗を開業する
といった場合には、申請前の確認が重要です。
行政書士高見裕樹事務所では、金沢市をはじめ石川県内のスナック・ラウンジ・キャバクラ等の風俗営業許可申請について、事前調査から申請手続まで対応しています。
「自分の場合は申請できるのか」「この物件で許可が取れるのか」といった段階からでもご相談いただけます。
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