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旅館業の事前調査では何を調べる?物件購入前に行政書士へ相談するメリット

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金沢市内の中古戸建や古民家、金澤町家などを購入して、

「一棟貸しの宿を始めたい」

というご相談をいただくことがあります。

その際、当事務所では物件の状況によって、旅館業許可申請の前に**「事前調査」**をおすすめすることがあります。

すると、

「事前調査では、具体的に何を調べるのですか?」

と聞かれることがあります。

旅館業の許可は、保健所だけに確認すればよいものではありません。

建物の状況によっては、建築、都市計画、消防など複数の関係部署への確認が必要になります。

今回は、当事務所が旅館業(簡易宿所)のご相談を受けた際に行う「事前調査」について解説します。

1.なぜ旅館業許可の前に「事前調査」が必要なのか

旅館業を始めるためには、旅館業法に基づく営業許可を取得する必要があります。

しかし、

「保健所の基準を満たせば、それだけで営業できる」

というわけではありません。

例えば、旅館業として使用できる地域なのか、建物について建築上の問題がないか、必要な消防設備を設置できるかなど、複数の観点から確認する必要があります。

特に中古物件では、

・検査済証が見つからない
・建築当時の図面が残っていない
・未登記の増築部分がある
・登記と現況が一致しない
・過去の改修内容が分からない

といった問題が出てくることがあります。

そのため、いきなり許可申請を始めるのではなく、まずその物件で旅館業を進められる見込みがあるのかを調査します。

2.まずは現地を確認

事前調査では、書類だけで判断できないことがあります。

そのため、必要に応じて現地の状況を確認します。

例えば、

・建物の現況
・玄関や出入口
・客室として使用する予定の場所
・トイレや洗面設備
・階段や廊下
・増築と思われる部分
・周辺道路
・近隣の状況

などを確認します。

図面では分からなかった増築部分や、登記情報と実際の建物が異なっていることが現地確認で分かることもあります。

特に築年数の古い建物では、書類と現況の両方を確認することが重要です。

3.保健所への確認

旅館業許可を担当するのは保健所です。

保健所では、旅館業法や条例などに基づき、

・施設の構造設備
・客室
・換気や採光
・洗面設備
・トイレ
・玄関帳場等
・営業形態

などについて確認します。

一棟貸しの場合には、施設の管理方法についても重要になります。

また、物件の場所によっては、学校や児童福祉施設など周辺施設との関係について確認が必要になることがあります。

「以前も宿泊施設だったから大丈夫だろう」と考えず、今回予定している営業内容で問題がないか確認します。

4.建築関係の確認

中古住宅を旅館業に利用する場合、特に重要になるのが建築関係です。

例えば、

・建築確認の記録
・確認済証
・検査済証
・建物用途
・床面積
・増築履歴
・用途変更に関する事項

などを確認します。

築年数の古い住宅では、所有者の手元に検査済証などが残っていないことがあります。

その場合でも、行政側にどのような記録が残っているのか確認できることがあります。

また、登記上の床面積と現況が違う場合には、増築の有無についても確認が必要になります。

5.用途地域・都市計画関係の確認

物件所在地について、都市計画上の規制も確認します。

特に重要なのが用途地域です。

旅館・ホテルとして使用できる地域なのかを確認します。

また、物件によっては、

・景観関係
・地区計画
・伝統的建造物群保存地区等

について確認が必要になる場合もあります。

金沢市には歴史的な町並みが残る地域も多いため、古民家や町家を宿泊施設として利用する場合には、旅館業法以外の規制が関係することもあります。

6.消防署への確認

旅館業を始める際には、消防関係の確認も欠かせません。

一般住宅として使用されていた建物を宿泊施設にすることで、必要となる消防設備が変わることがあります。

建物の条件によって、

・消火器
・誘導灯
・自動火災報知設備
・火災通報装置

などの設置について確認が必要になります。

消防設備工事は、開業費用にも大きく影響する可能性があります。

そのため、

「旅館業許可は取れそうだが、消防工事に想定以上の費用がかかった」

ということにならないよう、購入前の段階で確認しておくことが大切です。

7.上下水道などについて確認することも

物件の状況によっては、上下水道などのインフラについても確認します。

特に古い住宅の場合、

・給水状況
・下水道への接続状況
・既存設備の状況

などについて確認が必要になるケースがあります。

宿泊人数や施設の使い方によっては、既存の住宅設備をそのまま利用できるとは限りません。

この点についても、物件ごとに確認していきます。

8.事前調査をしても「許可を保証」するものではありません

ここは非常に重要です。

事前調査は、

「この物件なら100%旅館業許可が取れます」

と保証するものではありません。

実際の許可申請では、申請書類や図面、工事後の施設状況などを行政機関が審査し、最終的に許可の可否が判断されます。

また、調査後の改修内容によって状況が変わることもあります。

事前調査の目的は、物件購入や本格的な改修工事を行う前に、

「現時点で考えられる問題点や必要となる対応を把握すること」

にあります。

9.特に「物件購入前」の調査がおすすめ

事前調査の効果が最も大きいのは、物件を購入する前です。

購入前であれば、調査の結果、

「この物件は想定以上に対応が必要になりそう」

ということが分かった場合に、購入するかどうかを改めて検討できます。

一方、購入後に問題が判明すると、

「せっかく買ったから、何とかこの物件で進めなければならない」

という状況になってしまいます。

特に、

・築年数が古い
・検査済証がない
・増築されている
・建物資料が少ない
・古民家や町家である

といった物件は、購入前の調査をおすすめします。

10.物件購入前に用意していただきたい資料

事前調査をご依頼いただく際には、可能であれば、

・物件所在地
・土地・建物の登記事項証明書
・建物図面や間取り図
・不動産会社の物件資料
・確認済証、検査済証
・建築当時の図面
・増改築に関する資料
・現地写真

などをご用意いただくと調査を進めやすくなります。

すべて揃っていなくても調査できる場合がありますので、

「資料がないから相談できない」

と考える必要はありません。

まずは現在分かっている情報をお知らせください。

まとめ

旅館業の事前調査では、単に保健所へ「旅館業ができますか」と問い合わせるだけではありません。

物件の状況に応じて、

保健所・建築・都市計画・消防などの関係部署へ確認し、旅館業を始めるうえで問題となりそうな事項を整理します。

特に、

・これから中古戸建を購入する
・古民家や金澤町家で一棟貸しを始めたい
・検査済証がない
・未登記増築がある
・県外から金沢の物件を購入する
・購入前に旅館業許可の見込みを確認したい

という場合には、売買契約を進める前のご相談をおすすめします。

行政書士高見裕樹事務所では、旅館業(簡易宿所)・民泊の申請だけでなく、物件購入前の事前調査から対応しています。

「この物件を買って宿にできるのか?」という段階からお気軽にご相談ください。

石川県・金沢市で旅館業・民泊、風俗営業、各種許認可をご検討の方は、行政書士高見裕樹事務所までお問い合わせください。

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