
第1章|技人国ビザとは?
~外国人の「ホワイトカラー就労」に必要な在留資格~
「技術・人文知識・国際業務ビザ(通称:技人国ビザ)」は、日本の企業が外国人を正社員として採用するために必要な就労ビザの一種です。アルバイトではなく、“専門的な業務”に従事するためのフルタイム雇用が前提となります。
✅ 主な対象職種の例
- 技術系:システムエンジニア、プログラマー、機械設計、CADオペレーターなど
- 人文知識系:経理、法務、人事、マーケティングなど
- 国際業務系:通訳・翻訳、海外営業、語学指導、貿易実務など
これらの業種は、いずれも「専門性」や「学術的な素養」が必要とされているため、
「現場作業」や「単純労働」に就くことはできません(※誤解されがちですが要注意です)。
第2章|技人国ビザでよくある誤解
~「なんでもできる」わけじゃない!~
企業からよく聞かれるのが、
「技人国で雇えば、いろんな業務をしてもらえるんですよね?」
というご質問です。
しかし、これは大きな誤解です。
❌ たとえば、以下のような業務はNGです:
- 工場や建設現場での作業員(ブルーカラー業務)
- 飲食店のホールスタッフ・皿洗いなどの単純労働
- コンビニや小売店でのレジ打ち・品出し業務
これらは、「技人国ビザでの活動範囲」を逸脱しており、
入管法違反=在留資格取消や強制退去につながるリスクがあります。
したがって、**「採用後に実際にどんな業務に就かせるか」**を明確にし、
「職務内容」と「学歴・職歴」が一致するようにビザ申請書類を構成する必要があります。
第3章|技人国ビザの取得要件
~“学歴・職歴・仕事内容”が三位一体で求められる~
技人国ビザの申請においては、「この人を雇いたい!」という企業側の希望だけでは足りません。
在留資格としての審査をクリアするには、一定の「学歴」や「職歴」、そして業務内容との整合性が必要です。
✅ 必要な学歴・職歴の基準
要件 | 内容 |
---|---|
学歴 | 原則として「大学卒業以上」または「専門学校(職業訓練含む)卒業」で、学んだ内容が業務内容と関連していること |
職歴 | 学歴が足りない場合は「10年以上の実務経験」が必要(通訳・翻訳など国際業務分野は3年以上) |
たとえば、大学で「経済学」を専攻した外国人が、経理職やマーケティング職に就く場合は適合性が高く審査も通りやすいです。
しかし、学歴が建築系なのに、翻訳業務で技人国ビザを申請するといった場合は、かなり難易度が上がります。
✅ 業務内容との“マッチング”がカギ
入管は「本当にその仕事にふさわしい人材か」を重視しています。
採用する企業は、「職務内容説明書」や「雇用理由書」などを通じて、ビザ審査官に対して丁寧に“ストーリー”を示す必要があるのです。
第4章|雇用主側の注意点
~採用前に“確認すべき3つのポイント”~
外国人を正社員として採用する企業にとって、技人国ビザの申請は採用のスタート地点でもあります。
ここでは、企業が事前に把握しておくべき3つの重要なポイントをご紹介します。
☑️① 業務内容と在留資格の適合性をチェック!
- 採用予定の職種が「単純労働」や「現場作業」に偏っていないか
- 実際に従事する業務内容を明文化できるか
☑️② 外国人側の学歴・職歴を事前に確認!
- 大学名や専攻分野、卒業証明書の有無をチェック
- 職歴がある場合は、在職証明書や推薦状などの取得も視野に
☑️③ 受け入れ体制を整えておく!
- 社会保険加入・就業規則の整備・給与水準が適切か
- 日本語の指導・生活支援体制があれば好印象(審査上も有利)
企業としての“受け入れ姿勢”は、ビザ審査でも評価されます。
「単に人手が欲しいから雇う」ではなく、「長期的に戦力として迎え入れる」というスタンスが重要です。
第5章|行政書士による申請サポートの流れと強み
~“不許可リスク”を防ぐために、専門家と連携を~
技人国ビザの申請では、単なる「書類の提出」だけでは不十分です。
入管は、外国人本人と企業の双方について、法令に適合しているかどうか、事実関係が整合しているかどうかを細かく審査します。
書類の不備や説明不足によって、**「不許可」→「雇用計画が頓挫」**というケースも少なくありません。
そこで重要なのが、行政書士の専門的なサポートです。
✅ 技人国ビザの申請フロー(行政書士が関与する場合)
- 事前ヒアリング(外国人・企業の状況把握)
👉 職務内容・雇用条件・在籍予定部署・本人の経歴などを確認 - 必要書類の整理と収集
👉 雇用契約書、卒業証明書、職務内容説明書、履歴書など
👉 外国語文書の翻訳・フォーマット統一も対応 - 申請書類の作成・精査
👉 形式要件を満たすだけでなく、「審査官の目線」で構成
👉 雇用理由書や業務内容説明書もロジカルに作成 - 入管への申請代理提出(または本人申請サポート)
- 補足資料の提出や追加説明への対応(必要時)
- 在留資格認定証明書交付・入国後の手続きフォロー
✅ 行政書士を活用する“3つのメリット”
メリット | 内容 |
---|---|
❶ 不許可リスクの低減 | 書類の整合性・法的根拠を明確にし、リスク回避できる |
❷ 申請のスピードアップ | 書類作成から提出までをスムーズに一括対応 |
❸ 企業側の負担軽減 | 入管とのやりとり、翻訳、進捗管理をすべて任せられる |
第6章|よくある質問(Q&A)
~技人国ビザ申請でよく寄せられる疑問にお答えします~
Q1. 専門学校卒でも技人国ビザは取れますか?
✅ はい、「専門士」以上の称号が付く専門学校卒業で、かつ学んだ内容が業務に関連していれば可能です。
たとえば、IT系専門学校を卒業した方がエンジニア職に就く場合などは要件に合致します。
Q2. 給料はいくら以上必要ですか?
✅ 明確な下限基準はありませんが、同じ職場で働く日本人と同等以上の給与水準が求められます。
目安としては月額20万円以上が基準となることが多いです。
Q3. 内定を出してからどれくらいでビザが取れますか?
✅ 申請内容に不備がなければ、1〜2か月程度で在留資格認定証明書が交付されるケースが一般的です。
ただし、繁忙期や内容によって前後するため、余裕を持ったスケジュール管理が必要です。
Q4. 「通訳」などの職種は、どのカテゴリーに入りますか?
✅ 通訳・翻訳は「国際業務」カテゴリーに分類され、**学歴か実務経験(3年以上)**のいずれかが必要です。
語学力だけでは足りず、通訳を行う環境・業務内容の具体性も審査されます。
Q5. 不許可になった場合、再申請できますか?
✅ はい、不許可理由を踏まえて再申請することは可能です。
ただし、同じ書類で再提出しても許可は出ないため、専門家による書類分析と再構成が重要です。
最後に|技人国ビザは「適正なマッチング」が命
「外国人を雇いたいけど、どのビザを取ればよいかわからない」
「この人材がビザを取れるかどうか判断できない」
そんな企業様は、実務経験豊富な行政書士にご相談ください。
当事務所では、外国人の雇用に関するビザ相談から、事前審査・書類作成・入管対応まで一貫してサポートしています。
企業様と外国人の“ミスマッチ”を防ぎ、安心して長期雇用できる体制を整えます。
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