はじめに|なぜ「物件があるのに開業できない」のか
旅館業、民泊、風俗営業、深夜営業のご相談で
最も多い失敗パターンがこれです。
「もう物件を契約しました」
「内装工事も見積が出ています」
「あとは申請するだけですよね?」
結論から言うと、
この時点で“詰んでいる”ケースは珍しくありません。
なぜなら、
許可の可否は「物件を持っているかどうか」ではなく、
- その場所で
- その建物で
- その使い方が
- 法令・条例・行政運用に適合するか
で決まるからです。
よくある勘違い①|「前に同じ業種が入っていた」
これは非常に多い誤解です。
- 前が簡易宿所だった
- 前がスナックだった
- 前も営業していたから大丈夫
→ まったく保証になりません。
理由は以下のとおりです。
- 法改正・条例改正が入っている
- 前回は「黙認」や「グレー運用」だった
- 現在の行政運用が変わっている
- 建物が違法状態のまま放置されていた
「前例がある=今回もOK」
ではないのが、許認可の世界です。
チェック①|用途地域(ここで8割決まる)
まず最初に確認すべきは 用途地域 です。
旅館業・簡易宿所の場合
- 可能な用途地域
- 条件付きで可能な地域
- 原則不可の地域
が明確に分かれています。
風俗営業の場合
- そもそも用途地域でアウト
- 学校・病院等の距離制限
- 条例独自の規制
用途地域を外して申請が通ることは、まずありません。
にもかかわらず、
ここを確認せずに物件を契約してしまう方が後を絶ちません。
チェック②|建築基準法(既存不適格・用途変更)
次に問題になるのが 建築基準法 です。
特に多いのが以下。
- 建物用途が合っていない
- 容積・建ぺいがオーバー
- 増築部分が未登記・未確認
- 既存不適格の扱いを誤る
この段階で、
「工事しないとダメですね」
と言われ、
想定外の数百万円の改修費 が発生することもあります。
チェック③|消防(最後に来て一番痛い)
消防は、
最後に来て、費用が一番重い 行政です。
- 自動火災報知設備
- 誘導灯
- 内装制限
- 防火管理者選任
事前に整理せずに進めると、
- 工事やり直し
- 開業延期
- 銀行スケジュール崩壊
につながります。
チェック④|近隣・町会対応(法令外リスク)
法令上は問題なくても、
- 町会から説明を求められる
- 苦情が入り行政が慎重になる
- 看板掲示期間が伸びる
というケースは非常に多いです。
「義務ではないが、事実上避けられない」
これが実務のリアルです。
なぜ行政書士は「書類屋」ではダメなのか
ここまで読んでいただくと分かると思いますが、
- 問題は書類ではない
- 問題は「順番」と「調整」
です。
✔ どこから確認するか
✔ どこに先に相談するか
✔ どこをぼかし、どこを詰めるか
これを誤ると、
許可は取れても、時間・お金・信用を失います。
行政書士高見裕樹事務所のスタンス
当事務所では、
- 物件ありきで話を進めません
- 先に「通るか・通らないか」を整理します
- 通らない場合は、その理由を明確に伝えます
「夢を煽る」のではなく、
現実的に開業できるルートだけを提示します。
まとめ|契約前が、唯一の安全地帯
許認可は、
- 契約前 → 修正可能
- 契約後 → 手遅れ
この差が、
数百万円・数か月の差になります。
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