「前に宿泊施設だったから、このまま使えるはず」
「内装も残っているし、工事費が抑えられそう」
金沢市で旅館業(簡易宿所)を検討している方から、
居抜き物件について、こうした声をよく聞きます。
しかし実務上は、
居抜き物件こそ、最もトラブルが多いのが現実です。
この記事では、
- なぜ居抜き物件が危険なのか
- どこを見落とすと「詰む」のか
- 契約前に最低限確認すべきポイント
を、行政手続きの視点から整理します。
居抜き物件=楽、ではない理由
居抜き物件は、
- 内装が残っている
- 設備が揃っている
- すぐ始められそう
という印象があります。
しかし、旅館業の世界では
「前に使えていた」ことと「今も使える」ことは別です。
特に次の3点は、
居抜き物件で必ず問題になります。
ポイント①|用途変更が“済んでいるかどうか”は別問題
最も多い誤解がこれです。
「前も宿泊施設だった=用途変更は問題ない」
実際には、
- 建築確認上の用途は何か
- いつ、どの範囲で用途変更がされたのか
- 書類上で整理されているか
を確認しないと判断できません。
古い簡易宿所やゲストハウスでは、
- 建築基準法上の整理が曖昧
- 現在の基準では通らない
というケースもあります。
図面・確認申請の履歴が不明な居抜きは、
特に注意が必要です。
ポイント②|消防設備は「前のまま」では通らない
居抜き物件で
もっとも誤算が出やすいのが消防です。
よくあるパターンは、
- 前の営業当時の基準で設置されている
- 設備が老朽化している
- 用途・規模変更で追加が必要になる
結果として、
「居抜きだから安いはずが、
消防工事で数百万円かかった」
ということも珍しくありません。
特に、
- 木造
- 小規模建物
- 町家
では、
今の基準でどう扱われるかを事前に整理する必要があります。
ポイント③|建物の“現況”と“書類”が一致していない
居抜き物件では、
- 壁の位置
- 客室数
- 共用部の区分
が、
図面と実際で違うことが多々あります。
この状態で進めると、
- 旅館業の平面図が作れない
- 消防・建築で修正が入る
- 工事のやり直しが発生する
といった問題が起きます。
「細かいことは後で」
が通用しないのが、旅館業です。
ポイント④|「賃貸契約」の内容を見ていない
居抜き物件の場合、
賃貸借契約書の確認も極めて重要です。
特に注意すべきは、
- 用途制限条項
- 原状回復義務
- 消防・建築工事の負担区分
これを確認せずに進めると、
- 工事ができない
- 退去時に想定外の費用が発生する
といったリスクがあります。
許可が取れても、契約で詰む
というケースも、実務では少なくありません。
居抜き物件で失敗する人の共通点
金沢市での相談を見ていると、
失敗するパターンはほぼ同じです。
- 物件を先に押さえる
- 「居抜きだから大丈夫」と判断する
- 行政相談は後回し
この順番で進めると、
途中で止まる確率が一気に上がります。
正解は「契約前に線を引く」
居抜き物件で旅館業をする場合の正解は、
- 建物の用途・構造の整理
- 消防設備の方向性確認
- 賃貸借契約内容の確認
- そのうえで契約判断
です。
契約前なら引き返せます。
契約後は、引き返せないことも多いです。
金沢市で居抜き物件を検討している方へ
もし、
- 居抜きだから安心だと思っている
- 契約を急かされている
- 本当にこの物件で通るか不安
そう感じているなら、
契約前の段階で一度整理することをおすすめします。
物件選びで、
旅館業の成否はほぼ決まります。
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金沢市での旅館業・簡易宿所について、
居抜き物件の可否を含めて
実務ベースで整理します。
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