はじめに|「公正証書にしたほうがいいですか?」という質問について
相続・契約の相談で、非常に多い質問があります。
この契約、公正証書にしたほうがいいですか?
結論から言うと、
すべての契約を公正証書にする必要はありません。
一方で、
公正証書にしておかないと
後から取り返しがつかない契約
が、確実に存在します。
この記事では、
実務上「公正証書にすべき契約」と「しなくていい契約」の違いを、
金沢・石川県での相談事例を踏まえて整理します。
公正証書とは何か(簡単に整理)
公正証書とは、
公証人が作成する公的な文書です。
特徴は次の3点です。
- 証拠力が非常に高い
- 内容が明確・争いになりにくい
- 強制執行が可能なものもある
つまり、
「揉めたときに、圧倒的に強い」
という性質を持っています。
公正証書に「向いている契約」の共通点
実務上、公正証書に向いている契約には共通点があります。
- 金額が大きい
- 当事者の関係が将来変わりうる
- 相続と絡む可能性がある
- 履行されないリスクがある
このいずれかに当てはまる場合、
公正証書を検討すべき可能性が高いです。
公正証書にしておくべき契約①|金銭に関する契約
金銭消費貸借契約(貸し借り)
特に多いのが、
親族間・知人間の金銭貸借です。
なぜ公正証書が有効か
- 「貸した」「もらった」の争いを防げる
- 返済条件を明確にできる
- 強制執行条項を入れられる
書面がない場合、
贈与だと言われた
返済を拒否された
といった相談が後を絶ちません。
立替金・債務承認
- 親の介護費用
- 兄弟姉妹間の立替
- 会社と個人間の金銭
これらも、
後から必ず問題になりやすい分野です。
公正証書にすることで、
「誰が、いくら、いつまでに」
を、第三者が見ても明確にできます。
公正証書にしておくべき契約②|任意後見契約
任意後見は「元気なうち」しか作れない
任意後見契約は、
- 判断能力があるうちに
- 将来の後見人を決めておく
制度です。
そして、
必ず公正証書で作成することが法律で定められています。
よくある誤解
家族がいるから大丈夫
まだ元気だから必要ない
しかし実務では、
- いざという時に間に合わない
- 家族間で意見が割れる
というケースが非常に多いです。
任意後見を公正証書にするメリット
- 後見人の権限が明確
- 家族・第三者とのトラブル防止
- 相続対策と併用できる
特に、
子どもがいない
家族関係が複雑
という方には、
必須レベルの対策になることもあります。
公正証書にしておくべき契約③|死後事務委任契約
死後事務とは何か
死後事務とは、
- 葬儀
- 納骨
- 行政手続き
- 施設の解約
など、
亡くなった後に必要な実務を指します。
これを誰が行うかを定めるのが、
死後事務委任契約です。
なぜ公正証書が向いているのか
- 本人の意思が明確に残る
- 相続人とのトラブルを防げる
- 実行性が高い
特に、
- おひとりさま
- 家族と疎遠
- 相続人に頼みたくない
という方には、
公正証書での作成が強く推奨されます。
一方で「公正証書にしなくていい契約」
すべてを公正証書にする必要はありません。
しなくていいケースの例
- 少額・短期間の契約
- 履行リスクが低い
- 当事者間の利害が単純
- 将来争いになりにくい内容
例えば、
- 日常的な業務委託
- 単発の売買契約
などは、
私文書で十分な場合も多いです。
公正証書にすると逆に重くなる場合も
- 費用がかかる
- 内容変更が面倒
- 心理的ハードルが高い
「なんでも公正証書」
は、実務的ではありません。
判断に迷ったときの基準
迷った場合は、
次の問いを自分にしてみてください。
- 揉めたら困るか
- 相続と関係するか
- 将来、当事者の立場が変わるか
- 実行されないと困るか
1つでも「YES」があれば、
公正証書を検討する価値は十分あります。
行政書士が関与する意味
公正証書は、
公証役場に行けば作れる
ものではありません。
実務では、
- 内容整理
- 条文設計
- 公証人との事前協議
- 相続・税務リスク整理
が非常に重要です。
金沢・石川県で公正証書を検討している方へ
当事務所では、
- 金銭契約
- 任意後見
- 死後事務委任
- 相続を見据えた契約設計
を、
「本当に必要かどうか」の判断から サポートしています。
まとめ
- 公正証書は万能ではない
- 金銭・後見・死後事務は公正証書向き
- 少額・短期契約は不要な場合も多い
- 判断基準は「揉めたら困るか」
- 迷ったら事前相談が最善
【お問い合わせ先】
行政書士高見裕樹事務所
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