はじめに|「家族だから大丈夫」が一番危ない
相続や契約書のご相談で、
非常に多いのが次のようなケースです。
親にお金を貸しましたが、返してもらえません
兄弟に立て替えたお金を、なかったことにされそうです
よく話を聞くと、
- 書面がない
- 返済期限が決まっていない
- 利息の取り決めがない
ということがほとんどです。
結論から言うと、
親族間であっても、口約束は非常に危険 です。
なぜ親族間の貸し借りは揉めやすいのか
理由は明確です。
- 信頼関係に甘えて書面を作らない
- 「そのうち返す」という曖昧な約束
- 相続が絡むと第三者(他の相続人)が出てくる
結果として、
借りた・借りていない
貸したつもり・もらったつもり
という 認識のズレ が表面化します。
書面がないと、どうなるのか
① 回収が極めて困難になる
書面がない場合、
「貸した」こと自体の立証が難しくなります。
振込記録があっても、
生活費の援助
贈与
と主張されると、
反論が困難です。
② 贈与と判断されるリスク(税務)
税務上、
金銭の移動=貸付とは限りません。
- 返済期限がない
- 利息がない
- 返済実績がない
場合、
贈与と判断される可能性 があります。
結果として、
贈与税の問題が発生することもあります。
③ 相続時に大きな火種になる
被相続人が亡くなった後、
あのお金は貸したものだ
いや、援助だった
という争いが起きやすくなります。
書面がなければ、
遺留分や相続分の調整が非常に困難 になります。
親族間でも「契約書」は必要?
答えは YES です。
最低限、
金銭消費貸借契約書 を作成することを強くおすすめします。
記載すべき基本項目
- 貸主・借主
- 金額
- 返済方法・期限
- 利息の有無
- 遅延時の対応
これだけでも、
後のトラブル防止効果は大きく変わります。
利息はつけたほうがいい?
必須ではありませんが、
無利息の場合は注意が必要 です。
- 無利息 → 贈与と疑われやすい
- 極端に低い利率 → 形式的と判断されることも
実務では、
- 法定利息以下
- 市場より低い利率
で設定するケースが多く見られます。
公正証書にするメリット
親族間の貸し借りでは、
公正証書 にすることをおすすめするケースも多いです。
公正証書のメリット
- 強制執行が可能
- 紛争時の証拠力が非常に高い
- 相続後も効力が明確
「そこまでしなくても…」
と思われがちですが、
揉めたときに一番後悔するのが
「なぜ作らなかったのか」
という点です。
よくある失敗パターン
失敗①
返済期限を決めていない
→ いつまでも返ってこない
失敗②
返済実績がない
→ 贈与認定リスク
失敗③
家族会議だけで済ませた
→ 相続時に無効扱い
実務でよくある相談例
例①
親が子に数百万円を貸した
→ 兄弟間で争いに発展
例②
姉妹間の立替金
→ 書面がなく回収不能
例③
高齢の親への貸付
→ 判断能力を疑われる
いずれも、
事前の書面化で防げたケース です。
行政書士ができるサポート
当事務所では、
- 金銭消費貸借契約書の作成
- 親族間特有のリスク整理
- 公正証書化のサポート
- 相続を見据えた条文設計
まで対応しています。
「今さら書面を作っても大丈夫か?」
というご相談も少なくありません。
書面化は「信頼を壊す行為」ではありません
書面を作ると、
信用していないみたい
と言われることがあります。
しかし実務では、
- お互いの認識を揃える
- 将来のトラブルを防ぐ
ための 保険 のようなものです。
まとめ
- 親族間でも口約束は危険
- 書面がないと回収は困難
- 贈与認定・相続トラブルのリスクあり
- 金銭消費貸借契約書は必須
- 公正証書でさらに安全
【お問い合わせ先】
行政書士高見裕樹事務所
〒921-8147
石川県金沢市額谷3丁目2番地 和峰ビル1階北
電話:076-203-9314
お問い合わせフォーム
https://takami-gs.com/contact/