その物件、本当に通りますか?|契約前チェックで失敗を防ぐ風営許可の“構造ポイント”
スナック・バーを開業したいという相談は、行政書士事務所には年間を通して多数寄せられます。金沢市・野々市市・白山市など、北陸では雑居ビルや小規模飲食店が多いため、「風営店向きの物件が多そうに見える」地域でもあります。しかし、実際の現場では次のような声が後を絶ちません。
「契約したあとに、行政書士に見てもらったら“この物件は風営通りません”と言われた」
「前の店がスナックだから安心して契約したのに、構造が変わっていて不可だった」
「オーナーから“前も接待付きで営業していた”と言われたが、実際は無許可営業だった」
風俗営業許可は、飲食店営業よりもはるかに構造要件が厳しく、物件選びの段階で結果の8割が決まると言っても過言ではありません。本記事では、契約前に必ず押さえておきたい**“構造の通過ポイント”**を、行政書士の現場目線で解説します。
■第1章:なぜ「契約後に不許可」となるのか
風俗営業(1号営業)は、接待行為を伴う飲食業であり、警察署生活安全課による厳格な審査があります。審査項目は大きく分けて次の2つ。
- 人的要件(欠格要件)
- 構造要件(店舗の設備・配置)
このうち、問題になりやすいのが “構造要件” です。なぜなら、人的要件は書類で確認できるのに対し、構造要件は店舗を実測しないと判定できないからです。
さらに、契約後に判明する問題のほとんどが「改善できない」種類のものです。
たとえば、
- 天井が低くて照度が確保できない
- ダクトを通せるスペースがない
- 排煙設備の設置が構造的に不可
- 用途地域が風営不可
- 近隣に学校があり距離制限NG
- 客室区画を作れない
など、工事しても改善できない項目が多いのが風営許可の特徴です。
これらの問題に気づくのは、物件契約後の内装工事中や、警察への事前相談の段階です。その時点で「改善不可能」と判断されれば、すでに支払った敷金・礼金・保証金、解約費用、内装の手付金などが大きな損失に繋がります。風営許可では特に、「契約前チェック」が最重要となる理由がここにあります。
■第2章:採光(照度10ルクス以上)|居抜きほど危険
風営で最初に確認するのは 「照度10ルクス以上」 の基準です。行政書士は照度計を使って、客席中心・カウンター・壁際など複数箇所を測ります。
特に居抜きは照度不足が多く、典型例は以下:
- 経年のダウンライトが暗い
- 間接照明中心で光が届かない
- 黒天井・ダーク系クロスで光が吸収される
- カウンター奥が暗い
- 元店舗がムード重視で営業していた
照明を追加すれば必ず改善できると思われがちですが、実際は天井や壁面の構造により光が拡散しにくく、追加しても数値が伸びないケースが多くあります。
照明工事の費用は、
- 追加照明:3〜10万円
- ダウンライト増設:10〜25万円
- 天井材張替え+照明再配置:20〜40万円
と大きく変動します。
契約前に行政書士が照度計測をしておけば、
「照度不足の物件を契約してしまった…」
という最悪のケースを防げます。
■第3章:排煙設備|ダクトの逃げ場がない物件は“絶対に通らない”
消防法と風営法が両方絡むため、排煙設備は最重要項目です。
- 排煙口の有無
- ダクトの生き死に(経路・詰まり)
- ファンの動作状況
- 排気先(共用廊下はNG)
- 共有ダクトの使用許可
- 過去の無断改装による排煙経路の潰れ
などを総合的に確認します。
特に深刻なのが、
「ダクトの逃げ場がない」物件 です。
- 鉄骨造で天井裏が塞がっている
- 上階が住居で工事不可
- 共用ダクトが満杯
- ビルオーナーが工事を拒否
このような物件は、構造上どうしても改善できず、契約した瞬間に風営不可となることも珍しくありません。
排煙工事は高額で、
- ダクト新設:30〜80万円
- 天井開口+配管:20〜50万円
- ファン交換:5〜15万円
が相場です。
契約前に確認しておくことで、
不可能な物件を避け、不要な工事費を払うリスクをゼロにできます。
■第4章:客室区画|“一体空間”は不許可
風営では、客室の範囲が明確であることが必須です。
NG例:
- 客室とバックヤードが一体化
- 準備室に扉がない
- 通路部分が客室と繋がっている
- 踊り場や階段が客室扱いになっている
- カウンター裏の区画が曖昧
これらは必ず
扉・仕切り・壁の設置
が必要です。
工事費の目安は、
- パーテーション:5〜15万円
- 扉設置:10〜20万円
- 軽量鉄骨+壁新設:20〜40万円
区画は意外と見落とされやすい項目で、相談者の多くが
「ここにつながってるのダメなんですか?」
と驚かれます。
これも契約前のチェックで一発で判明します。
■第5章:用途地域・距離制限|立地だけで不許可
風営許可には、営業できる場所・営業できない場所が厳格に決められています。
特に注意すべきエリア:
- 第一種住居地域・第二種住居地域
- 学校・保育園・児童施設の近く
- 病院周辺
- 金沢市の風営規制区域
- 協定区域・地区計画区域
「前の店が風営だったから大丈夫」と思う方が多いですが、
実際には
- 過去の許可は現在には効力がない
- 用途地域が昔と変わっている
- 無許可営業だった可能性がある
というケースが普通にあります。
立地でアウトというのは、契約後では取り返しがつきません。
不動産会社も知らないケースが多いため、行政書士による確認が必須です。
■第6章:居抜き物件の盲点|「前もスナック」は信用できない
居抜きは初期費用が抑えられるため人気ですが、風営においては注意すべき点が最も多い物件タイプです。
居抜きでよくある問題:
- 前の店が無許可営業
- 内装が無断で改造されている
- 排煙設備が撤去されている
- 配線が違法改造
- 喫煙のヤニで照度不足
- 消防設備が未更新
- 図面が残っていない
実際、行政書士が現地に行って初めて
「これは通りませんね」
と判明することは多いです。
居抜きほど、契約前の現地調査が欠かせません。
■第7章:行政書士による“契約前チェック”でリスクゼロへ
風営許可の難しさは、改善できない項目が多いことです。
だからこそ行政書士による「契約前調査」は最も価値がある部分です。
当事務所では、
- 図面チェック
- 採光の実測
- 排煙設備の確認
- 用途地域・距離制限の確認
- ビルオーナー・不動産会社との調整
- 内装工事の方向性
- 警察署との事前相談
- 許可までの一連の流れのサポート
まで、ワンストップで対応しています。
風営許可を最短で確実に取りたい方ほど、
「契約前の5分の判断」が開業成功のカギ になります。
■お問い合わせ(行政書士高見裕樹事務所)
風俗営業許可のご相談や、契約前の物件チェックをご希望の方は、以下からお気軽にご連絡いただけます。
行政書士高見裕樹事務所
〒921-8147
石川県金沢市額谷3丁目2番地 和峰ビル1階北
電話:076-203-9314
お問い合わせフォーム:https://takami-gs.com/contact/
- 物件の写真・図面をお送りいただければ、事前診断も可能です。
- 現地同行調査も対応しています。