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“トラックがあれば取れる”わけじゃない!|産廃業許可の基本要件【行政書士解説】

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“トラックがあれば取れる”わけじゃない!|産廃業許可の基本要件

― 講習修了証・経営能力・経路図…申請前に整える3つの柱 ―

1.はじめに|「トラックがあれば取れる」と思っていませんか?

建設業や解体業を営む方からよく聞くのが、

「トラックを持ってるから、すぐ産廃許可も取れるでしょ?」

という言葉。

確かに、産業廃棄物収集運搬業は“車で運ぶ”業種ですが、
実際には 車両があるだけでは許可は取れません。

許可を出すのは各都道府県知事(石川県の場合は県庁環境政策課)であり、
環境保全・法令遵守の観点から、申請者には次の3つの能力を求めています。

1️⃣ 知識(講習修了証)
2️⃣ 経営基盤(財務・継続力)
3️⃣ 計画性(経路・運搬体制)

この記事では、申請前に必ず整えるべき基本要件を分かりやすく解説します。


2.産業廃棄物収集運搬業とは?

まず、「何を運ぶ業種なのか」を整理しましょう。

産業廃棄物収集運搬業とは、

事業活動に伴って生じる廃棄物(産業廃棄物)を、発生場所から処分場まで運搬する事業
のことです。

建設現場・工場・店舗などから出る

  • がれき類
  • 木くず
  • 廃プラスチック
  • 金属くず
  • 汚泥
    などが対象となります。

ただし、**「一般廃棄物」や「自社の廃棄物」**を運ぶ場合は対象外。
他人の廃棄物を運ぶ行為を業として行う場合に、
産業廃棄物収集運搬業許可が必要です。


3.許可の種類:2つのパターンを押さえる

産業廃棄物収集運搬業許可は、運ぶ廃棄物の状態によって分かれます。

区分対象主な業種
① 積替え・保管を含まない積んで運ぶだけ建設業者・運送業者など
② 積替え・保管を含む中間ヤードなどに一時保管処理業者・リサイクル業者など

この記事では、最も一般的な①「積替え・保管を含まない」許可を対象に説明します。


4.産廃業許可を取るための3つの柱

「トラックがあれば取れる」と思われがちな理由は、
多くの業者が“形だけの運搬”と勘違いしているからです。

実際には、次の3つの柱がそろっていなければ、申請しても許可は下りません。

要件内容審査のポイント
① 知識要件産廃講習修了証代表者または役員が修了しているか
② 経営能力財務諸表・確定申告書継続的に事業を行う資力があるか
③ 計画性経路図・車両一覧実際に安全かつ適正に運搬できる体制か

5.① 知識要件:講習修了証が最初の関門

最初に必要なのが、「産業廃棄物収集運搬業講習会」の受講です。
これは、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)が主催しています。

講習の概要

項目内容
講習時間2日間(計6〜7時間)
実施場所金沢市ほか全国主要都市
費用約20,000円前後
対象者申請予定の代表者または役員
受講後修了証(許可申請に添付)を交付

講習では、廃棄物処理法の基礎・マニフェスト制度・運搬基準などが解説されます。

📎 ポイント
修了証の有効期限はありませんが、申請前に必ず取得しておく必要があります。
代表者以外(役員・従業員)でも可ですが、「業務に責任を持つ立場」でなければ認められません。


6.② 経営能力:資金・継続性の証明

次に重要なのが「経営的基盤」です。
産廃業は長期にわたって廃棄物を扱うため、資金繰りや信用力が重要です。

提出する主な資料

書類内容
決算書または確定申告書過去1〜2期分を提出
登記簿謄本または開業届事業実体の証明
納税証明書税務上の信用確認
車両リース契約書または所有証明書実際の保有車両の確認

特に新設法人や個人開業の場合は、資本金や取引先契約など事業の見通しを補足資料で示すことが必要です。

行政書士が経営計画書や損益見込表を添付することで、審査がスムーズになります。


7.③ 計画性:経路図・運搬体制を示す

環境保全の観点から、どのような経路で運搬するかを明確にしなければなりません。

提出書類の例

書類名内容
運搬経路図積込場所→運搬経路→処分場のルートを示す地図
車両写真会社名・登録番号・側面表示を明記
車検証写し使用権限の確認(リースでも可)
契約書の写し排出事業者・処分業者との契約書

地図には、処分場名・所在地・距離を明記し、現実的なルートであることが求められます。
「どこで積み、どこに運ぶか」が明確でないと、許可は下りません。


8.提出書類の全体像(積替え・保管なし)

区分書類名
基本書類申請書・事業計画書・経路図
申請者関連登記簿謄本・定款・納税証明書
車両関係車検証・写真・リース契約書
知識要件講習修了証の写し
経営要件決算書・資金計画書
処分場関係契約書・許可証写し
その他住民票・誓約書・登記事項証明書など

全体で20〜30枚程度の書類になります。
行政書士がフォーマットを整えないと、差戻し・再提出になるケースが非常に多いです。


9.許可までの流れ(石川県の場合)

ステップ内容期間目安
① 講習修了JWセンター講習受講・修了証取得約2週間
② 書類作成・収集行政書士が必要資料を整備約2〜3週間
③ 県庁提出石川県環境政策課へ申請書類審査+内容確認
④ 許可交付審査完了後、許可証交付約2か月〜3か月

申請から許可交付までは、約2〜3か月が一般的です。
特に石川県では、提出前の事前相談で図面・経路の確認が重視されます。


10.行政書士がサポートできること

行政書士高見裕樹事務所では、次のようなサポートを行っています。

【産廃許可申請トータルサポート】

  1. 講習受講の申込代行・スケジュール調整
  2. 必要書類の一覧整理・取得代行
  3. 経路図・車両一覧・事業計画書の作成
  4. 石川県庁・保健福祉センターとの事前協議
  5. 補正・追加資料対応まで一括代行

さらに、建設業許可や解体工事業登録との同時取得も可能。
「許可が必要な業種をまとめて申請したい」方に最適です。


11.費用の目安

項目行政書士報酬(税込)備考
新規申請(積替え・保管なし)110,000円~県への申請手数料別途81,000円
更新申請66,000円~有効期間5年ごと
変更届・車両追加22,000円~図面修正含む
講習申込代行11,000円日程調整・登録代行

※報酬は車両数・対応範囲によって変動します。


12.許可後の義務と更新

許可を取って終わりではありません。
5年ごとに更新申請を行い、経営・車両・契約内容を最新化する必要があります。

また、次のような変更があった場合は変更届を提出します。

  • 車両の入替・増減
  • 代表者変更
  • 事務所移転
  • 講習修了者変更

行政書士が継続サポートを行うことで、更新忘れ・変更漏れによる無許可リスクを防ぎます。


13.石川県での実務傾向

石川県庁では、特に次の点を重点的にチェックします。

  • 経路図が実際の道路ルートとして妥当か
  • 車両の側面表示が正しい(会社名+許可番号)
  • 処分場との契約が正式であるか
  • 新設法人の経営基盤の裏付けがあるか

申請書を“形式だけ”で出すと、補正依頼や再申請になりやすいです。
行政書士による事前チェックが必須といえます。


14.まとめ|“走れる”だけでは許可は取れない

産業廃棄物収集運搬業許可は、
単に「トラックを持っている」「運べる」だけでは通りません。

✅ 知識(講習修了証)
✅ 経営能力(財務・継続性)
✅ 計画性(経路・車両・契約)

この3つの柱を整えた上で初めて、
「安全に・適正に」産業廃棄物を運べる業者として認められます。

行政書士高見裕樹事務所では、
石川県・富山県・福井県における申請実績多数。

「建設業のついでに取りたい」「法人化に合わせて申請したい」など、
ご相談内容に合わせた最適な申請プランをご提案します。


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