“個人から法人へ”|宅建業の法人化と免許切替の手続き
― 旧免許は引き継げない!失敗しない法人化のスケジュールとは ―
1.はじめに|「個人の宅建業免許」は会社に引き継げない
個人で不動産業を営んでいる方からよくある質問が、
「会社にしたら、今の宅建業免許をそのまま使えますか?」
というものです。
結論から言うと、個人の宅建業免許は法人に引き継げません。
法人を設立する場合は、新たに法人名義で宅建業免許を取り直す必要があります。
したがって、法人化を検討する際は、
- 個人の免許を廃止するタイミング
- 新法人の設立時期
- 法人免許の申請・交付スケジュール
を綿密に設計することが重要です。
行政書士高見裕樹事務所では、法人設立と宅建業免許申請を同時進行させることで、
営業の空白期間を最小限に抑えるサポートを行っています。
2.なぜ引き継げないのか?|法律上の根拠
宅地建物取引業法第3条では、
「宅地建物取引業を営もうとする者は、免許を受けなければならない。」
と定められています。
そして同法第6条で、
「免許は、法人又は個人単位で与えられる。」
とされています。
つまり、「法人」と「個人」は**別の主体(人格)**であり、
個人が持つ免許は法人に自動的に移行しません。
たとえ代表者が同じでも、法人は“別人格”として再度許可審査を受ける必要があります。
3.法人化のタイミングを逃さないために
法人化の際に最も注意すべきは「営業の空白期間」を作らないことです。
宅建業免許を持たずに不動産取引を行うと、無免許営業となり重い罰則が科されます。
この空白を防ぐには、以下の2パターンのどちらかを選択します。
| パターン | 概要 | メリット |
|---|---|---|
| ① 法人設立後すぐに免許申請 | 登記完了→即申請 | 営業開始までスムーズ |
| ② 個人免許を維持しつつ法人を準備 | 並行期間を設ける | 個人営業を止めずに法人免許を待てる |
行政書士が法人登記と免許申請を同時スケジューリングすることで、
「営業停止期間ゼロ」での移行も可能です。
4.法人化の流れ(全体像)
宅建業の法人化は、以下のステップで進めます。
| 手順 | 内容 | 担当 |
|---|---|---|
| ① 会社設立準備 | 商号・所在地・資本金・目的の決定 | 行政書士+司法書士 |
| ② 定款作成・認証 | 電子定款で登録免許税軽減可 | 行政書士 |
| ③ 法人設立登記 | 法務局への登記申請 | 司法書士(提携) |
| ④ 宅建業免許申請 | 法人名義で県庁へ提出 | 行政書士 |
| ⑤ 営業保証金供託または保証協会入会 | 免許交付後に実施 | 行政書士サポート |
| ⑥ 法人として営業開始 | 名刺・看板・契約書等を法人名義に変更 | 事業者 |
会社設立から免許交付まで、おおむね2〜3か月が目安です。
5.宅建業免許申請で必要な主な要件
法人で宅建業を行うためには、次の3つの要件を満たす必要があります。
① 代表者または役員に「欠格事由」がないこと
過去に免許取消・破産・禁錮刑などを受けていないことが条件です。
② 専任の宅地建物取引士を常勤で配置していること
- 宅建士証の写し
- 雇用契約書
- 社会保険加入証明書
などで「常勤性」を証明する必要があります。
③ 営業所が独立した事務所要件を満たしていること
- 他業種と明確に区分
- 固定電話・応接机・案内表示板を設置
- 契約締結に適したスペースがあること
これらを事前に整備し、現地調査でも確認されます。
6.法人の免許申請に必要な書類一覧
| 書類名 | 内容・備考 |
|---|---|
| 宅地建物取引業免許申請書 | 石川県様式第1号 |
| 役員全員の略歴書 | 欠格事由確認のため必要 |
| 専任宅建士の資格証写し | 宅建士証・雇用契約書添付 |
| 登記事項証明書 | 法人設立登記後に取得 |
| 定款写し | 目的に「宅地建物取引業」を明記 |
| 事務所見取図・付近見取図 | 独立性を確認するため |
| 営業保証金供託書または保証協会入会予定証明書 | 免許交付時に提出 |
| 納税証明書 | 法人・代表者個人の納税状況確認用 |
| 住民票・身分証明書 | 欠格事由確認用 |
7.定款作成時の注意点|目的欄の書き方
定款に「宅地建物取引業」の記載がないと、免許申請が受理されません。
目的欄には次のように記載します。
「宅地建物取引業」
「不動産の売買、賃貸及びその仲介、斡旋並びに管理業務」
また、将来リフォームや開発も行う予定がある場合は、
「建築物のリフォーム及び設計、施工の請負」
「不動産コンサルティング業務」
なども合わせて入れておくと便利です。
8.保証協会加入と供託金の関係
法人免許が交付されたあと、営業を開始するには保証協会加入または供託が必要です。
| 方法 | 必要金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 保証協会加入(一般) | 約60万円(入会金+分担金) | 宅建協会などに加入 |
| 営業保証金供託 | 本店1,000万円・支店500万円 | 自己供託方式 |
個人事業のときに保証協会へ加入していた場合も、
法人化すると「新たに法人として再加入」になります。
9.よくある失敗例と対策
| よくある失敗 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 登記目的に「宅地建物取引業」がない | 定款設計ミス | 行政書士が定款段階で確認 |
| 役員の略歴書漏れ | 同姓同名で照会不可 | 免許申請時に住民票添付で防止 |
| 専任宅建士が兼業中 | 常勤性を証明できず差戻し | 社会保険加入で常勤証明 |
| 事務所が他社と共用 | 独立性不十分と判断 | パーテーション・専用電話で改善 |
| 個人免許を廃止してしまった | 法人免許交付前の営業停止 | 並行期間を設定し空白防止 |
10.行政書士が支援する法人化+免許申請の同時進行
行政書士高見裕樹事務所では、
会社設立+宅建業免許申請を同時進行で行う仕組みを整えています。
【サポート内容】
- 会社設立のための商号・目的・所在地の相談
- 定款作成・電子認証(登録免許税軽減対応)
- 設立登記の司法書士連携
- 宅建業免許書類の作成・提出・補正対応
- 保証協会入会までのスケジュール調整
- 名刺・標識・契約書式など営業準備の指導
法人登記と免許書類を同時に進めることで、最短で設立後1か月以内の開業も可能です。
11.報酬目安と所要期間
| サポート内容 | 報酬(税込) | 期間目安 |
|---|---|---|
| 会社設立サポート(定款・登記連携) | 66,000円~ | 約1〜2週間 |
| 宅建業免許申請(法人新規) | 88,000円~ | 約3〜4週間 |
| 同時進行パッケージ | 150,000円~ | 最短1か月で開業可能 |
※保証協会費用・登記費用・登録免許税等は別途実費
※石川県・富山県・福井県で対応可能
12.石川県での運用実務の特徴
石川県(特に金沢市・野々市市周辺)では、
- 事務所現地確認が細かい
- 宅建士常勤性の証明書類(社会保険証・雇用契約書)を重視
- 名刺・案内看板の表示確認を求められることがある
など、形式よりも実体重視の審査が行われます。
行政書士が現場確認を行ってから申請することで、差戻しを防止できます。
13.法人化のメリットと注意点
法人化のメリット
- 信用力の向上(銀行・取引先対応がスムーズ)
- 節税効果(所得分散・役員報酬化)
- 人材採用・契約拡大が容易になる
注意点
- 社会保険・税務申告などの事務負担が増える
- 定款・登記費用がかかる
- 免許再取得の手間が必要
法人化はメリットが大きい反面、手続きを間違えると「営業停止リスク」があります。
行政書士が全体スケジュールを設計することで、確実に移行できます。
14.まとめ|“設立してから考える”では遅い
個人から法人への宅建業免許切替は、単なる形式変更ではありません。
登記、免許、保証協会加入、事務所整備の4つを連動させることで、スムーズに進みます。
行政書士高見裕樹事務所では、
- 会社設立
- 宅建業免許申請
- 保証協会加入支援
- 名義変更・事務所確認
をワンストップで対応。
石川県・富山県・福井県の法人化支援実績多数。
「そろそろ会社にしたい」と考えた瞬間から、ぜひご相談ください。
📞 宅建業の法人化・免許申請は行政書士高見裕樹事務所へ
行政書士高見裕樹事務所
TEL:076-203-9314
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