“相続人が多い家”の売却で行政書士ができること
― 話がまとまらなくても、まず「進めるための一歩」を ―
1.はじめに|「相続人が多くて進まない」相談が増えています
「親の家を売りたいけれど、兄弟が多くて話がまとまらない」
「相続人が多すぎて、誰に何を説明すればいいのかわからない」
こうした相談が、行政書士高見裕樹事務所には非常に多く寄せられています。
相続不動産の売却は、単純な不動産取引ではありません。
“法的な権利関係”と“人の気持ち”が複雑に絡む手続きです。
特に「相続人が4人以上」「亡くなった方に兄弟や甥姪がいる」といったケースでは、
手続きが複雑化し、放置されることも珍しくありません。
しかし実際には、行政書士が入ることで、
「整理できる部分から確実に進める」ことが可能です。
2.なぜ「相続人が多い」と売却が難しくなるのか
(1)権利関係が複雑になる
相続人が多いほど、不動産の名義(持分)が細分化されます。
1人が反対すれば売却が止まるケースもあり、全員の同意が必要です。
(2)連絡・調整の負担が大きい
遠方に住む相続人、音信不通の親族など、調整だけで数か月かかることもあります。
(3)法的な不備が残りやすい
遺産分割協議書がない、登記が未了、印鑑証明書が古い…
こうした不備で取引直前に差し戻しになることもあります。
このように、「人」と「書類」の両面で負担が増えるのが“相続人が多い家”の特徴です。
3.行政書士ができること①|法的書類の整理と作成
行政書士は、相続不動産売却に必要な書類を整える専門家です。
まずは書類の整理からスタートします。
✅ 主なサポート内容
- 相続関係説明図の作成
→ 相続人を一覧化し、関係を明確にする。 - 法定相続情報一覧図の申出代行
→ 登記所で公的に相続関係を証明する書類を取得。 - 遺産分割協議書の作成
→ 誰が不動産を売却するのか、誰に代金を分配するのかを明確に。 - 委任状・印鑑証明書類の整備
→ 売却手続をスムーズに進めるための基礎資料を整える。
この段階で「誰の同意が必要なのか」「手続きがどこまで進められるのか」が明確になります。
4.行政書士ができること②|相続人間の調整サポート
行政書士は“話し合いを代理する”ことはできませんが、
手続きを進めるための前提条件を整える調整役として動けます。
たとえば…
- 遺産分割協議書のたたき台を行政書士が作成し、各相続人に説明文を添付
- 書類の記載方法や印鑑証明の取得手順を丁寧に案内
- 書類の回付を一括管理(郵送トラブルを防止)
これにより、相続人間で「何をすればいいのか」「どこまで決まっているのか」が明確になります。
争いを避けつつ、“進めるための道筋”をつけることが行政書士の役割です。
5.行政書士ができること③|登記と売却の橋渡し
行政書士が整えた書類をもとに、登記手続きは司法書士が行い、
売却手続きは不動産会社(ふちどり不動産)が対応します。
つまり行政書士は、
**「登記と売却をつなぐ中心のポジション」**を担います。
| 手続き | 担当専門家 | 行政書士の役割 |
|---|---|---|
| 相続関係整理 | 行政書士 | 戸籍調査・協議書作成 |
| 名義変更登記 | 司法書士 | 書類引継ぎ・内容確認 |
| 売却仲介 | 宅地建物取引業者(ふちどり不動産) | 書類提供・契約サポート |
この連携により、依頼者は**「どこに何を頼めばいいか」迷うことなく進められる**のです。
6.行政書士ができること④|売却準備・残置物の整理
当事務所では、不動産売却時の実務も総合的にサポートしています。
✅ 具体的な支援内容
- 建物内の残置物撤去・清掃(自社対応可)
- 原状回復工事・軽微リフォーム(株式会社Kプランニング対応)
- 現地調査・査定調整(ふちどり不動産が連携)
- 必要に応じて固定資産税評価証明書の取得代行
相続不動産は空き家化しているケースが多く、
「まず片付けから」「鍵がどこにあるか分からない」という状態も珍しくありません。
こうした“現場の課題”まで行政書士が把握し、
不動産部門・工事部門と連携して動くことで、売却準備がスムーズに進みます。
7.事例①:相続人8名の空き家を売却できたケース
所在地:金沢市近郊
相続人:兄弟・甥姪含む計8名
兄弟の一部が遠方在住で、全員の連絡が取れず進まない状態。
対応内容
- 行政書士が戸籍調査を実施し、相続人関係を整理
- 遺産分割協議書を作成し、郵送で署名押印を取得
- 司法書士と連携して相続登記完了
- 売却査定から契約・決済までふちどり不動産が対応
結果: 約2か月半で相続登記・売却完了。
相続人の手間を最小限に抑えつつ、適正価格で売却成立。
8.事例②:相続人5名の共有持分売却
所在地:白山市/築40年戸建
相続人:兄弟5名
「全員での売却は難しい」と判断し、代表者が持分を買い取る形で整理。
対応内容
- 協議書作成+委任契約で手続を一本化
- 不動産評価額をもとに、持分比率で代金を算定
- 司法書士と連携し名義変更完了
結果: 家族間での対立なく、最短1か月で整理完了。
「揉める前に専門家を入れて正解だった」との声。
9.売却までの全体の流れ
| 手順 | 内容 | 担当 |
|---|---|---|
| ① 相談・ヒアリング | 不動産の現状・相続人構成を確認 | 行政書士 |
| ② 戸籍・登記調査 | 相続関係・名義状況を把握 | 行政書士 |
| ③ 書類作成 | 協議書・相続関係説明図・委任状など | 行政書士 |
| ④ 相続登記 | 名義変更手続 | 司法書士 |
| ⑤ 売却査定・募集 | 物件価格を査定・販売開始 | ふちどり不動産 |
| ⑥ 売買契約・決済 | 契約書作成・代金分配 | 不動産会社+行政書士 |
| ⑦ 税務対応・アフター | 税理士・解体・リフォームなど紹介 | 各専門業者 |
すべての流れを行政書士が「統括窓口」として管理するため、依頼者の負担は最小限です。
10.費用の目安
| サポート内容 | 報酬目安(税別) | 備考 |
|---|---|---|
| 相続関係説明図・法定相続情報作成 | 33,000円~ | 戸籍取得代行別途 |
| 遺産分割協議書作成 | 55,000円~ | 相続人5名程度の場合 |
| 不動産売却サポート(書類+調整) | 55,000円~ | ふちどり不動産連携 |
| 残置物撤去・原状回復工事 | 別途見積 | 株式会社Kプランニング対応 |
※司法書士報酬・登録免許税は別途
※相続人の人数・物件数により変動します
11.よくある質問Q&A
Q1. 相続人の一部と連絡が取れません。どうすれば?
→ まずは戸籍調査で所在確認。連絡が難しい場合でも、残る相続人でできる部分から進めます。
Q2. 話がまとまらない状態でも相談できますか?
→ 可能です。行政書士は争いを解決する立場ではありませんが、「進められる手続」から整理します。
Q3. 売却代金の分配方法もアドバイスしてもらえますか?
→ はい。協議書で分配割合を明記し、トラブル防止を図ります。
Q4. 不動産会社や司法書士を自分で選ぶこともできますか?
→ もちろん可能です。既に付き合いのある専門家と連携して進めることも可能です。
12.まとめ|「止まっている相続」を動かすのが行政書士の役割
相続人が多い家は、誰かが「最初の一歩」を踏み出さない限り、何年も動かないままになります。
行政書士は、争いをあおらず、現実的に“進めるための道筋”をつくる専門家です。
書類の整理から、登記・売却・残置物処理まで、
法務と不動産の両面から支援できる行政書士高見裕樹事務所なら、
複雑な相続不動産の売却もスムーズに進められます。
📞 相続不動産の売却・書類整理のご相談は行政書士高見裕樹事務所へ
行政書士高見裕樹事務所
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