
“電柱や看板設置も対象”
道路占用・使用許可の申請実務
【道路占用・使用許可 × 工事業者向け】
はじめに
「ちょっとした足場を道路に出すだけでも、許可が必要って本当?」
「電柱・配管・看板の設置で“占用”って言われたけど、どう違うの?」
──建設現場や工事現場では、道路を一時的に使ったり、
工作物を設置したりする場面が日常的に発生します。
しかし実は、これらの行為の多くは**「道路法」上の許可対象**。
無許可で行うと、工事中止命令や罰則の対象となることもあります。
この記事では、石川県を中心に多くの工事関連申請を手がけてきた
行政書士高見裕樹事務所が、道路占用・道路使用許可の違い・申請手続き・実務上の注意点をわかりやすく解説します。
1.「道路占用」と「道路使用」の違い
まず、最も混同されやすいこの2つの許可。
どちらも“道路を使う”という点では共通していますが、目的が異なります。
区分 | 管轄 | 主な内容 | 代表的なケース |
---|---|---|---|
道路占用許可 | 道路管理者(市町・県) | 道路上に物を“置く”・“設置する” | 電柱、ガス管、看板、地下埋設管など |
道路使用許可 | 警察署(交通課) | 一時的に道路を“使う”・“通行を妨げる” | 足場設置、工事車両の駐停車、イベント開催など |
簡単に言えば、
- 占用=継続して道路を使う(物を置く)
- 使用=一時的に道路を使う(作業・通行止め)
という違いです。
2.道路占用許可が必要な主な例
道路上に何かを「設置」する行為は、原則として道路占用にあたります。
✅ 主な占用対象
- 電柱・電線・ガス管・水道管などの埋設物
- 看板・広告塔
- 歩道上の案内板や照明柱
- バス停・公衆電話・郵便ポスト
- 花壇・ベンチなどの景観設備
✅ 建設業で多いケース
- 外構工事で歩道に門柱・フェンスを設ける
- 店舗前に看板・日除けテントを設置する
- 電気・ガス・上下水道の埋設工事
これらは、市町村や県の道路管理者に対して「道路占用許可」を申請する必要があります。
3.道路使用許可が必要な主な例
一方で、道路上で一時的に作業する場合は「道路使用許可」が必要です。
✅ よくある使用例
- 建設工事中に足場を歩道に出す
- クレーン作業で車道を一時封鎖する
- 舗装・掘削工事のために通行を制限する
- イベント・祭り・マラソンで通行止めを行う
これらは、警察署(交通課)に道路使用許可を申請します。
期間や時間帯、誘導員の配置、標識設置計画などが審査されます。
4.占用許可と使用許可、両方必要なケース
現場によっては、両方の許可が必要になる場合もあります。
たとえば、
- 電柱を設置(占用)するために工事車両で道路を使う(使用)
- 看板を設置(占用)する際に足場を出す(使用)
このような場合、
「占用=道路管理者(県・市)」
「使用=警察署」
と別々の窓口に申請を行う必要があります。
行政書士が間に入ることで、書類の整合性を確保し、
スケジュール調整を一括で管理することが可能です。
5.石川県内での申請先と特徴
石川県内では、道路の種類ごとに管轄が異なります。
道路区分 | 管轄窓口 | 申請先の例 |
---|---|---|
国道 | 国土交通省 石川河川国道事務所 | 金沢維持出張所など |
県道 | 石川県 土木総務課・各土木事務所 | 金沢土木事務所、白山土木事務所など |
市町道 | 各市町の道路管理課 | 金沢市道路管理課など |
警察署への道路使用許可は、工事現場の所在地を管轄する警察署交通課に提出します。
6.申請に必要な主な書類
【道路占用許可】
- 道路占用許可申請書
- 位置図・平面図・断面図
- 現況写真
- 工作物の構造図(看板・管路など)
- 占用物件の設計書または仕様書
- 委任状(行政書士代理申請時)
- 申請手数料
【道路使用許可】
- 道路使用許可申請書
- 交通規制図・現場見取図
- 誘導員配置図・標識設置計画
- 工事工程表
- 委任状(代理人提出時)
書類は現場写真や寸法図を含むため、図面の正確性が極めて重要です。
当事務所では、建設業許可図面の作成ノウハウを活かして、
現場を踏まえた正確な図面を整えたうえで申請します。
7.審査期間と注意点
石川県内では、道路占用許可・道路使用許可いずれも
通常1〜2週間前の申請が必要です。
✅ よくある注意点
- 図面・寸法が現場と異なると差戻しになる
- 看板設置は「屋外広告物条例」との整合も必要
- 工事期間が変更になった場合、再申請が必要
- 使用許可の有効期間は最長15日(延長は再申請)
行政書士が間に入ることで、現場のスケジュールに合わせた許可取得がスムーズに行えます。
8.費用の目安
区分 | 行政書士報酬(目安) | 実費(手数料) |
---|---|---|
道路占用許可 | 22,000円〜 | 数千円(占用面積・期間による) |
道路使用許可 | 16,500円〜 | 約2,000円(警察署) |
占用+使用の同時申請 | 33,000円〜 | 実費込みで約35,000円前後 |
※看板や管路など、工作物内容により変動します。
9.実際の申請事例(石川県内)
事例①:金沢市・外構工事(門柱・フェンス設置)
→ 門柱の一部が歩道にかかる位置に設置予定。
道路占用許可を取得し、設計図面を添付して許可取得。
事例②:白山市・看板設置工事
→ 店舗前歩道上に看板を設置。
道路占用許可+屋外広告物許可を同時進行。
事例③:野々市市・電柱設置工事
→ 配電線工事のための仮設ポール設置。
道路占用+使用の同時申請を行政書士が代行。
事例④:小松市・舗装工事
→ 片側通行規制を伴う掘削作業。
警察署で道路使用許可を取得、誘導員配置図を添付。
10.許可を怠った場合のリスク
道路法に基づく許可を受けずに占用・使用した場合、
**工事中止命令や原状回復命令、罰金刑(最大50万円以下)**の対象になります。
特に公共工事や大手元請業者の現場では、
「下請業者が無許可使用をしていた」と指摘されると、
元請全体の信用に関わります。
そのため、行政書士による事前確認・代理申請が必須です。
11.当事務所のサポート内容
行政書士高見裕樹事務所では、石川県を中心に次のサポートを行っています。
- 道路占用許可・道路使用許可の新規・更新申請
- 工事図面・配置図・誘導計画書の作成
- 屋外広告物許可・建設業許可との連携申請
- 同一現場での占用+使用の同時対応
- 県外業者の石川県進出に伴う代理申請
また、ふちどり不動産・株式会社Kプランニングとの連携により、
現場工事+許可取得をワンストップ対応することが可能です。
12.まとめ
道路占用・道路使用許可は、工事現場や設置工事を安全・合法的に進めるための必須手続きです。
「ほんの一部だけ道路にかかっている」ようなケースでも、
法的には占用・使用に該当することが多く、
許可を怠ると指導や工事停止のリスクが生じます。
行政書士高見裕樹事務所では、
建設業者・電気工事業者・看板施工業者など、
多数の工事現場をサポートしてきた実績があります。
申請書類の作成から図面整備、現場調整まで、
**「面倒な手続きを丸ごと任せられる存在」**としてご相談ください。
【お問い合わせ】
行政書士高見裕樹事務所
TEL:076-203-9314
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