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古民家を宿にしたい方へ|金沢らしさを活かす旅館業許可とリノベの実務

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“古民家を宿にしたい”|金沢らしさを活かす旅館業許可とリノベの実務


はじめに

金沢の町並みといえば、伝統的な木造建築や格子戸の街並みが印象的です。
そんな「金沢らしさ」を体感できる宿として、古民家を活用した旅館業・簡易宿所が近年注目を集めています。

しかし実際に古民家を宿泊施設として営業するには、旅館業法だけでなく、建築基準法・消防法など複数の法律との整合性を取る必要があります。

この記事では、行政書士高見裕樹事務所が実際に携わった石川県内の古民家宿開業案件をもとに、
「古民家を宿に変えるために必要な許可・工事・注意点」をわかりやすく解説します。


1️⃣ 古民家を宿にする際の3つの基本ルール

古民家をそのまま「宿泊施設」として使うことはできません。
まず、旅館業許可を取得するためには、保健所が定める構造・設備要件を満たす必要があります。

✅ 主な要件(簡易宿所・旅館共通)

  • 客室の広さ:1人あたり3㎡以上(共用部分除く)
  • 換気・採光・照明・防湿構造
  • トイレ・洗面設備・浴室の設置(共用可)
  • 台所・廊下・階段などの清掃容易性
  • 消防設備(報知器・避難経路・誘導灯など)

古民家の場合、床・壁・天井の仕上げが木質で防火性能が不足していることが多く、消防法上の補強が必須となります。


2️⃣ 古民家リノベーションにおける「建築基準法」のポイント

(1)用途変更が必要になるケース

住宅として使われていた古民家を宿泊施設に転用する場合、
建築基準法上は「住宅 → 旅館等(旅館業用途)」への用途変更が必要です。

延床面積が200㎡を超える場合は、建築確認申請が必要になります。
構造計算・避難経路・非常口の確保など、建物全体の安全性を再確認する必要があります。

✅ ポイント:
古民家は築年数が古く、建築確認済証や図面が残っていないことも多いため、現地実測+行政協議が不可欠です。


(2)耐震・構造の確認

築40〜50年を超える木造建物では、耐震基準を満たさない場合があります。
旅館業では、宿泊者の安全を守るため、一定の耐力壁補強や基礎改修が求められる場合があります。

行政書士高見裕樹事務所では、建築士と連携し、
「どこまで改修すれば許可を取れるか」を初期段階で調査・診断します。


3️⃣ 消防法との整合性|古民家改装で最も多い指導ポイント

古民家を宿泊施設に転用する際、最も多いのが消防法上の不備です。

🔥 主な必要設備

設備項目内容備考
自動火災報知設備連動型報知器を各部屋に設置電気配線工事が必要
誘導灯非常口表示を設置和風意匠でも義務
消火器各階ごとに1台以上規模に応じて増設
避難経路2方向避難が原則狭小建物は特例対応あり
避難経路図客室内掲示日本語・英語併記推奨

🔸注意点:
天井裏や押入れを活かした内装デザインが、防火区画を遮る形になっていると、許可が下りないことがあります。


4️⃣ 石川県内の実例紹介

① 金沢市東山地区の古民家リノベ宿

  • 築70年、木造2階建
  • 延床約160㎡、1階に共用ラウンジ、2階に個室4部屋
  • 消防設備:報知器+誘導灯を全室に設置
  • 内装:土壁を一部耐火ボードで補強

旅館業(簡易宿所)許可を取得。
「古民家の風情を残しつつ、安全性を確保した好例」として保健所からも評価されました。


② 白山市郊外・古民家一棟貸し宿

  • 築80年超の農家住宅を改装
  • 耐震補強+防火設備を新設
  • 用途地域:無指定(調整区域内)
  • 都市計画法上の開発許可+農地転用を同時対応

行政協議・許可取得まで約4か月。
農地付き物件でも、段階を踏めば旅館業許可取得は可能です。


③ 七尾市・海沿いの古民家宿

  • 木造平屋建、延床120㎡
  • 消防設備が困難なため、宿泊定員を制限(6名まで)
  • 住宅宿泊事業法(民泊)ではなく、簡易宿所として営業許可を取得。

5️⃣ 許可取得までの流れ

1️⃣ 現地調査・法令確認(建築指導課・保健所・消防署)
2️⃣ 図面作成(既存+改修後)・工事計画立案
3️⃣ 用途変更申請・消防協議・旅館業申請
4️⃣ 現地検査 → 許可証交付

所要期間:おおむね2〜3か月(大規模改修含む)


6️⃣ 古民家を宿にする際の“よくある落とし穴”

  • 建築確認済証や図面がない
  • 天井・壁が防火構造でない
  • トイレ・浴室が共用のみで不十分
  • 消防設備設置スペースが取れない
  • 農地や調整区域で用途変更ができない

これらの課題を放置したまま改修を進めると、工事後に許可が取れないという事態にもなります。
まずは、**「法令調査 → 設計 → 工事 → 許可」**の順で進めることが重要です。


7️⃣ 自社施工(Kプランニング)による対応の強み

行政書士高見裕樹事務所では、グループ会社「株式会社Kプランニング」と連携し、
許可申請からリノベ工事まで一括対応しています。

✅ 当事務所の強み

  • 古民家の構造を理解したリノベ施工の実績
  • 消防・建築・旅館業の3法令を同時に調整
  • 改装設計図を「許可が通るレベル」で作成
  • 予算に応じて段階的改修(1期→2期)にも対応

許可の要件を先に満たす「最小限工事」で申請し、
その後段階的にリノベーションを進める戦略も可能です。


8️⃣ 行政書士に依頼するメリット

古民家宿の開業では、複数の行政機関が関与します。

手続き内容担当機関
旅館業許可保健所
用途変更・建築確認建築指導課
消防設備設置消防署
開発許可・農地転用各市町村・県土木事務所

行政書士はこれらの窓口を一括で調整し、最短ルートで許可取得を実現します。
さらに、自社で改装工事も対応できるため、「設計と法令がズレない」点が大きな利点です。


9️⃣ 金沢で古民家宿を始める魅力

  • 伝統建築の保存と観光資源の融合
  • 町家・長屋の再生による地域活性化
  • 国内外観光客のニーズが高い「体験型宿泊」

行政書士高見裕樹事務所では、
金沢市・白山市・小松市・七尾市など、北陸全域で古民家宿の開業サポートを行っています。


🔟 まとめ

古民家を宿泊施設にするには、

  • 建築基準法(用途変更・耐震)
  • 消防法(報知器・避難経路)
  • 旅館業法(衛生基準)
    の3つをバランス良く整える必要があります。

その上で、「金沢らしい意匠」を残す工夫ができれば、他にはない魅力的な宿になります。
行政書士高見裕樹事務所では、許可・施工・運営体制づくりまでワンストップ対応
古民家を“活かす宿”づくりを全力でサポートします。


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