
申請スケジュールと許可までの流れ
旅館業・民泊を始めるための全工程ガイド【北陸三県対応】
「宿を始めたいけれど、どんな手順で進めればいいの?」
「許可が下りるまでにどのくらい時間がかかる?」
そんな疑問をお持ちの方へ。
旅館業許可・民泊届出は、“書類を出せばすぐ許可”という手続きではありません。
建物・用途地域・消防・衛生のすべてが連動しており、1つの工程を誤ると数週間のロスが発生します。
ここでは、北陸での実務をもとに、開業までの全体スケジュールを徹底的に解説します。
1.全体の流れ(旅館業許可・簡易宿泊所の場合)
旅館業の申請から営業開始までの流れは以下のとおりです。
【ステップ1】 事前調査・現地確認(1〜2週間)
↓
【ステップ2】 図面作成・消防相談(1〜2週間)
↓
【ステップ3】 工事・設備整備(2〜4週間)
↓
【ステップ4】 保健所申請 → 消防検査(約2〜3週間)
↓
【ステップ5】 許可証交付 → 営業開始
合計で 約1.5〜2か月 が一般的な目安です。
古民家改修を伴う場合や設備調整が多い場合は、3か月程度を想定しましょう。
2.民泊(住宅宿泊事業法)の場合
民泊は「届出制」であり、旅館業よりも簡易な手続きで済みます。
【ステップ1】 物件調査・必要書類収集(1週間)
↓
【ステップ2】 届出書作成・オンライン申請(1週間)
↓
【ステップ3】 行政による審査(2〜3週間)
↓
【ステップ4】 住宅宿泊事業者登録 → 営業開始
おおよそ 3〜4週間 で運営開始が可能です。
ただし、消防法令適合通知書の提出が求められるため、設備工事が発生する場合は1か月を超えることもあります。
3.スケジュールを決める上で重要な3要素
(1)消防対応にかかる時間
消防署の事前相談 → 設備工事 → 検査 → 適合通知書交付
この工程が最も時間を要します(約2〜4週間)。
(2)改装工事の有無
トイレ・浴室・避難経路の改修が必要な場合は、工期が2〜3週間延びることも。
(3)用途地域・建築確認の調査
建築課での確認に時間がかかる自治体もあるため、早めの調査が鍵になります。
4.必要書類一覧(旅館業許可)
書類名 | 発行先/作成者 | 備考 |
---|---|---|
旅館業営業許可申請書 | 保健所 | 指定様式 |
施設構造概要書 | 行政書士作成 | 面積・構造を記載 |
建物登記事項証明書 | 法務局 | 所有者を確認 |
住民票・身分証明書 | 市町村役場 | 個人申請時 |
賃貸借契約書・使用承諾書 | 不動産オーナー | 賃貸物件の場合必須 |
消防法令適合通知書 | 消防署 | 最重要書類 |
平面図・求積図・設備図 | 設計士・行政書士 | CADまたは手書きでも可 |
事業計画書 | 行政書士 | 申請補助資料として添付推奨 |
5.申請から許可までの平均期間(北陸三県実績ベース)
地域 | 保健所審査期間 | 消防対応 | 総所要期間 |
---|---|---|---|
石川県(金沢・白山) | 約2週間 | 約2〜3週間 | 約1.5〜2か月 |
富山県(富山・高岡) | 約3週間 | 約2週間 | 約2か月前後 |
福井県(福井・あわら) | 約2週間 | 約2〜3週間 | 約1.5〜2か月 |
※いずれの地域も「消防検査日程の調整」に時間を要するため、
行政書士を通じて早期予約を行うことが重要です。
6.許可取得のためのポイント
✅ 1. 図面の精度
面積・設備・避難経路を正確に図面化する。
→ 修正指摘が入ると1〜2週間遅延。
✅ 2. 消防・保健所の事前相談
「申請前の相談」をしておくことで、指摘リスクを最小化。
✅ 3. 書類の整合性
登記簿の所有者と契約書の名義が異なる場合、追加証明が必要。
7.費用の目安
項目 | 内容 | 費用(税込) |
---|---|---|
行政書士報酬 | 書類作成・提出代行 | 110,000〜165,000円 |
図面作成費 | 平面・求積・消防図 | 55,000円 |
行政手数料 | 各保健所 | 約20,000円 |
消防設備工事 | 感知器・誘導灯・消火器設置 | 100,000〜300,000円 |
改装費用 | トイレ・避難経路整備 | 200,000〜1,000,000円 |
合計 | 一式 | 約250,000〜500,000円前後 |
8.旅館業許可と民泊届出の併用はできる?
旅館業と民泊は、それぞれ異なる法制度に基づくため、同一施設での併用は不可です。
- 旅館業許可 → 通年営業可、許可制
- 民泊届出 → 年180日制限、届出制
どちらの制度が向いているかは、
物件の立地・稼働予定日数・投資額によって判断します。
当事務所では「制度診断」を無料で実施しています。
9.実際の開業スケジュール(モデルケース)
週数 | 内容 | 担当 |
---|---|---|
1週目 | 現地調査・用途地域確認 | 行政書士 |
2週目 | 消防署事前相談・図面作成開始 | 行政書士+消防 |
3〜4週目 | 消防設備工事・内装改修 | 工務店 |
5週目 | 保健所申請・現地検査予約 | 行政書士 |
6〜7週目 | 消防検査 → 適合通知書交付 | 消防署 |
8週目 | 保健所最終検査・許可証交付 | 行政書士+保健所 |
9週目以降 | 営業開始・予約受付 | 事業者 |
10.「時間を短縮する」ためのコツ
1️⃣ 図面作成と消防相談を同時進行
→ 工事を待たずに審査準備が可能。
2️⃣ 行政書士が代行して日程調整
→ 消防検査・保健所検査の日程を一括管理。
3️⃣ 書類の電子化で再提出リスクを減らす
→ PDF共有で修正をスピーディに。
4️⃣ 改装工事を自社で行える場合はさらに短縮可能
→ 行政書士高見裕樹事務所では、Kプランニング(自社工事)による対応が可能。
11.許可取得後の手続き
許可取得後も、次のような届出が必要になる場合があります。
届出内容 | タイミング | 提出先 |
---|---|---|
管理者変更届 | 管理者が変わったとき | 保健所 |
構造変更届 | 改装・設備変更時 | 保健所+消防署 |
廃止届 | 営業をやめるとき | 保健所 |
また、旅館業法施行細則に基づく標識掲示(看板掲示)も義務です。
特に金沢市では、許可後に約2か月間の看板掲示期間が設けられます。
12.開業準備チェックリスト
項目 | 確認 |
---|---|
用途地域が宿泊可能地域か | □ |
消防署で事前相談済み | □ |
平面図・避難経路図が完成 | □ |
感知器・誘導灯が設置済み | □ |
申請書類一式が整っている | □ |
行政手数料を納付済み | □ |
検査日程を確定済み | □ |
看板掲示・営業準備完了 | □ |
13.スケジュール管理を行政書士に任せるメリット
旅館業許可は、「どの順番で進めるか」で結果が大きく変わります。
行政書士に依頼することで、
- 各行政との調整を一括代行
- 書類作成のミスを防止
- 消防・保健所検査をスムーズに通過
- オープン予定日を逆算して進行管理
当事務所では、開業日を確実に守るスケジュール管理表を作成し、
進行状況を共有しながらサポートします。
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行政書士高見裕樹事務所
北陸三県対応|不動産 × 許認可 × リフォーム
📍所在地:石川県金沢市
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