お問い合わせ

【酒類販売業免許 × 通信販売】“ネットでお酒を売るには?”免許の種類と取得方法

NoImage

【酒類販売業免許 × 通信販売】

“ネットでお酒を売るには?”|通信販売酒類小売業免許の取得ポイント


■ はじめに

「自分のお店の地酒をネットでも売りたい」
「地方のクラフトビールを通販で広めたい」
「ECサイトでワインや日本酒を扱いたい」

――そんな相談がここ数年で一気に増えています。

しかし、お酒の販売には**必ず「酒類販売業免許」**が必要であり、
特にネット販売(通信販売)を行うには、**専用の「通信販売酒類小売業免許」**を取得しなければなりません。

この記事では、酒類販売免許の基本から、
通信販売での免許の種類、取り扱えるお酒の範囲、
そして販売計画書・申請書類の整え方まで、石川県での実務を踏まえて詳しく解説します。


■ 1. 酒類販売業免許とは?

酒類を「販売」するには、すべて税務署の許可が必要です。
この許可が「酒類販売業免許」。

法律上は「酒税法第9条」に基づき、
販売形態に応じて複数の免許区分が存在します。

区分内容対象
一般酒類小売業免許店舗での対面販売酒屋・酒店など
通信販売酒類小売業免許通販・ネット販売ECサイト・SNS販売など
輸出入用免許海外との取引輸出業者・免税店など
卸売業免許小売業者への販売問屋・ディストリビューター

つまり、「店頭で売る」か「ネットで売る」かによって、免許の種類が異なります。


■ 2. 通信販売酒類小売業免許とは?

インターネットやカタログなどを通じて注文を受け、
お酒を配送して販売するための免許です。

主な特徴

  • 店舗を持たなくても取得可能(在庫保管場所は必要)
  • 全国どこからの注文にも対応できる
  • 「一般小売業免許」とは別に取得が必要

対象となる販売形態

  • 自社ECサイト(Shopify・BASEなど)
  • 楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazon等のモール出店
  • Instagram・LINE公式などSNS経由販売
  • 電話・FAXでの通信販売

■ 3. 通販で扱えるお酒の範囲

通信販売酒類小売業免許では、「全種類の酒類」を扱えるわけではありません。
免許の種類によって取扱可能な酒類が異なります。

免許種別取扱できるお酒主な対象
全酒類免許ビール、日本酒、焼酎、ワイン、ウイスキー、リキュールなどすべて総合酒販店・大規模業者
洋酒限定免許ワイン、ウイスキー、ブランデー、リキュールなど輸入・輸出業者
ビール・発泡酒限定免許ビール・発泡酒クラフトビールメーカー
日本酒限定免許清酒のみ酒蔵・蔵元直販型
果実酒限定免許ワイン・シードルなど果実酒ワイナリー・農家直販型

小規模事業者の場合、「取扱う酒類を限定」して免許を取得する方がスムーズです。
全酒類を扱う場合は、在庫・仕入れ・販売計画などの要件が厳しくなります。


■ 4. 通信販売免許と一般小売免許の違い

項目一般小売業免許通信販売酒類小売業免許
販売方法店頭販売(対面)インターネット・電話等による通信販売
顧客範囲店舗周辺全国(国外を除く)
取扱制限原則なし未成年販売防止・発送管理が必要
表示義務酒類販売管理者設置・年齢確認表示通販サイト上での免許番号・販売条件表示
取得難易度中程度やや高い(販売計画書が必須)

特に、通販免許では「販売計画書」の提出が求められ、
販売量・販路・仕入れ・顧客管理方法を具体的に説明しなければなりません。


■ 5. 販売計画書のポイント

税務署が最も重視するのが「販売計画書」です。
次のような項目を具体的に記載する必要があります。

(1)販売の目的・背景

  • どのような酒類を、誰に、どのように販売するのか
  • 既存店舗の補完なのか、新規事業なのか

(2)販売対象者・エリア

  • 個人・法人のどちらを想定しているか
  • 全国対応か、特定地域限定か

(3)販売方法

  • 自社サイト、楽天などのECモール、SNS販売など
  • 決済方法(クレジット・代引き・銀行振込など)
  • 年齢確認の仕組み(生年月日入力・確認メール等)

(4)仕入れルート

  • どの酒造・卸売業者から仕入れるか
  • 契約書・見積書・カタログを添付する場合もあり

(5)販売見込み数量・売上予測

  • 月間・年間の販売見込み数量
  • 売上規模・利益率などを試算
  • 根拠(既存実績・市場調査)を添えると信頼度アップ

(6)保管・発送体制

  • 在庫保管場所(冷蔵設備など)
  • 発送業者(ヤマト運輸、佐川急便など)との連携体制

■ 6. 必要書類一覧

通信販売酒類小売業免許の申請には、次の書類を揃えます。

書類名内容
酒類販売業免許申請書税務署の指定様式
定款・登記事項証明書法人の場合
住民票個人の場合
賃貸借契約書または所有証明書事務所・保管場所の所在確認
事業の概要書事業の目的・取扱酒類の種類
販売計画書詳細な販売計画(最重要)
仕入先との契約書・見積書酒造会社・卸業者との取引証明
申請者の経歴書酒類販売経験の有無
納税証明書(その1・その2)税務署発行(直近3年分)
販売管理者選任届酒類販売管理者講習受講者を選任

■ 7. 販売サイトに必要な表示事項

通販サイト上では、次の表示が義務付けられています。

  • 免許番号(例:金沢税務署許可 第○○号)
  • 酒類販売管理者の氏名・講習受講日
  • 年齢確認の記載(「20歳未満の飲酒は法律で禁止されています」)
  • 販売条件(発送地域・送料・返品規定など)

これらを怠ると、税務署の指導や再審査の対象になる場合があります。


■ 8. 審査の流れと期間(石川県の場合)

石川県では、金沢税務署または管轄税務署で審査が行われます。
手続きの流れは以下のとおりです。

  1. 事前相談(税務署)
     → 取扱予定酒類や販売形態を説明
  2. 必要書類の提出
     → 書類の不備確認・補正
  3. 現地確認(事務所・倉庫)
     → 実際に在庫管理体制を確認される場合あり
  4. 審査・決定
     → 通常、申請から約2か月〜3か月
  5. 免許証交付
     → 通販サイトに免許番号を掲示して販売開始

■ 9. 注意点とよくある不許可理由

  • 保管場所が住宅内で区分されていない
  • 販売計画書の内容が曖昧(数量・販売対象が不明確)
  • 仕入先との契約書がない
  • 販売管理者講習を受けていない

特に「販売計画書」と「保管場所の写真・契約書」が弱いと、
再提出を求められるケースが非常に多いです。


■ 10. 行政書士に依頼するメリット

(1)税務署との事前相談を代行

専門用語や説明の仕方によって審査が変わることも。行政書士が代行し、適切な説明を行います。

(2)販売計画書・図面の作成をサポート

販売形態に合った計画書を整え、再提出を防ぎます。

(3)申請書類の整合性をチェック

登記・賃貸契約・仕入先情報など、税務署に矛盾がないよう整理します。

(4)免許取得後の運用フォロー

販売開始時の表示義務、販売管理者選任届、届出の更新などもサポートします。


■ 11. 実際のサポート事例(石川県内)

① 金沢市の飲食店オーナー様(地酒販売)

店舗で提供している地酒を、全国発送できるように通信販売免許を取得。
クラウドECを活用し、リピーターが倍増。

② 七尾市のクラフトビール工房

製造免許を持つ事業者が、通信販売免許を併せて取得。
全国の愛好家に直接販売できるようになり、ブランド力が向上。

③ 白山市の個人事業主

趣味のワインショップをECサイトで展開。
在庫を倉庫にまとめ、SNSからの購入者も増加。


■ 12. 費用の目安

内容費用目安(税別)
行政書士報酬約165,000円〜220,000円
税務署手数料無料
酒類販売管理者講習約3,000円前後
その他実費(登記簿・印鑑証明等)約3,000円程度

※ 審査内容や取り扱い酒類の種類により変動します。


■ 13. 通販酒類販売の将来性

近年は「ふるさと納税」「ご当地クラフト酒」「地産地消EC」など、
地方発の酒類ECビジネスが急拡大しています。

地方の酒蔵や飲食店がオンライン販売を始める流れは今後も加速し、
「地域×酒×ストーリー」を打ち出す事業モデルが注目されています。

ただし、無免許販売は厳罰対象です。
SNS販売・メルカリ・フリマアプリ等での酒販売は原則禁止されているため、
必ず免許を取得してから運用することが重要です。


■ 14. まとめ

項目内容
対象免許通信販売酒類小売業免許
管轄税務署(国税庁)
審査期間約2〜3か月
主要書類販売計画書・契約書・登記簿等
注意点保管場所の区分・販売対象の明確化
メリット全国への販売が可能に!

■ 15. 行政書士高見裕樹事務所なら

行政書士高見裕樹事務所では、
石川県内の酒類販売免許申請(一般・通信販売)を多数サポートしています。

  • ネットショップやSNSでの酒販売を始めたい方
  • 飲食店経営者が自社ブランド酒をオンライン販売したい方
  • 書類作成や販売計画書でつまずいた方

どんな段階からでもご相談ください。
販売計画づくりから免許取得、販売開始後の法令対応まで、ワンストップで支援します。


📞 ご相談・お問い合わせはこちら
行政書士高見裕樹事務所
TEL:076-203-9314
お問い合わせフォーム:https://takami-gs.com/contact/

Contact お問い合わせ

営業時間は9:00〜18:00まで、
お問い合わせフォームは
24時間ご相談を受け付けております。

メール お問い合わせは
こちら 矢印
電話076-203-9314 XX InstagramInstagram