
“0時以降も営業したい”はできるの?|風俗営業許可と深夜酒類提供の違い
はじめに
「スナックやラウンジを始めたいけど、風俗営業許可と深夜酒類提供のどっちを取ればいいの?」
開業相談で必ずといっていいほど出てくる質問です。
実はこの2つは似ているようで大きく違い、しかも 両方を同時に取ることはできません。
つまり「どんな営業をするか」によって、どちらを選ぶかを決める必要があります。
この記事では、風俗営業許可と深夜酒類提供飲食店営業の違いを徹底比較し、スナック・ラウンジ開業を考える方に「自分はどちらを取るべきか」が分かるように解説します。
1. 風俗営業許可とは?
風営法に基づく許可の一つで、キャバクラやスナックなど「接待行為」を伴う営業を行う場合に必要です。
接待行為とは
- 同席して会話をする
- お酌やドリンクを勧める
- カラオケで一緒に歌う
- 肩や腕に触れる
こうした「お客様をもてなす行為」が接待にあたります。
これを行う場合は 必ず風俗営業許可(1号営業許可など) が必要です。
営業時間の制限
- 原則、深夜0時まで(地域によって異なる場合あり)
- 0時以降は営業不可
2. 深夜酒類提供飲食店営業とは?
通称「深夜営業届」。
バーや居酒屋など、接待を伴わずに深夜0時以降もお酒を提供する場合に必要な届出です。
特徴
- 接待行為は禁止
- 深夜0時以降〜翌朝6時まで営業可能
- 許可ではなく「届出」なので比較的簡易
営業可能な業態例
- バー
- 深夜居酒屋
- ダイニングバー
3. 風俗営業と深夜営業の違いを比較
項目 | 風俗営業許可 | 深夜酒類提供飲食店 |
---|---|---|
根拠法 | 風営法 | 風営法 |
行為 | 接待行為あり | 接待行為なし |
営業時間 | 原則0時まで | 0時以降〜6時まで |
手続き | 許可申請(審査あり・約55日) | 届出(書類提出のみ) |
行政対応 | 警察署で厳格審査 | 警察署に届出後すぐ営業可 |
コスト | 高め(図面・許可料) | 比較的安価 |
4. 両方を同時に取ることはできない
ここが非常に重要なポイントです。
風俗営業許可と深夜酒類提供飲食店の届出は併用不可。
つまり、
- 「接待をする」 → 風俗営業許可(ただし0時まで)
- 「接待はしない」 → 深夜営業届(0時以降も可)
この二者択一になります。
5. よくある誤解とリスク
誤解①:とりあえず深夜営業届を出して、実際は接待する
→ これは完全に違法営業。警察の立入検査で摘発されれば営業停止や刑事罰のリスク。
誤解②:風俗営業許可を取って、0時以降もこっそり営業
→ 許可条件違反で摘発対象。悪質と判断されれば営業停止命令。
誤解③:グレーゾーンの接客なら大丈夫?
→ 実務上、警察は「接待にあたるかどうか」を厳格に判断。曖昧なラインで営業するのは危険。
6. 自分はどちらを選ぶべきか?
風俗営業許可がおすすめなケース
- スナック、キャバクラ、ラウンジなど、接待を前提とした営業をする場合
- お客様との会話・お酌が営業の中心になる場合
- 営業時間は0時までで十分な場合
深夜酒類提供届出がおすすめなケース
- バー、居酒屋など接待をしない形態
- 深夜1時〜3時にかけて集客したい場合
- コストを抑えて開業したい場合
7. 行政書士に依頼するメリット
- 業態に応じて「どちらを選ぶべきか」を相談できる
- 風営許可は申請書類+図面+スケジュール管理までトータル対応
- 深夜営業届も、書類の不備をゼロにして即日受付できる
- 開業後の変更届・管理者変更にも対応可能
8. 実際のサポート事例
事例A:ラウンジ開業予定
「0時以降も営業したい」と希望していたが、接待がメインのため深夜営業届は不可。風営許可を取得し、営業時間を0時までとした。結果、法令順守で安定営業を実現。
事例B:バー開業
深夜2時以降に集客を見込んでいたため、深夜営業届を選択。接待行為を避ける運営ルールを作成し、無事に開業。
まとめ
風俗営業許可と深夜酒類提供飲食店営業は、似ているようで大きく異なる制度です。
- 接待行為をするなら風俗営業許可(ただし0時まで)
- 接待行為をしないなら深夜営業届(0時以降営業可)
- 両方を同時に取ることはできない
「どちらを取るべきか」は店舗のコンセプト次第です。
行政書士高見裕樹事務所では、石川県を中心に北陸三県で数多くの風俗営業許可・深夜酒類提供飲食店届出をサポートしています。
開業スケジュールやコンセプトに応じて最適な選択をご提案しますので、ぜひご相談ください。
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