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「賃貸マンションやアパートを簡易宿所に!|金沢市での旅館業許可申請」

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賃貸物件の1室を簡易宿所に!|金沢市での許可申請の実務

はじめに

北陸新幹線の延伸で観光客が増えている金沢市。観光都市として全国的に注目されており、宿泊需要は年々高まっています。その中で「賃貸マンションやアパートの一室を簡易宿所にしたい」というご相談が増えてきました。
ホテルや旅館を建設するほどの資金は必要なく、比較的小規模な投資で始められるのが簡易宿所の魅力です。しかし、実際に許可を取るためには 旅館業法・建築基準法・消防法・金沢市条例 など、複数の法律や規制をクリアしなければなりません。

本記事では、金沢市における「賃貸物件の1室を簡易宿所に転用する」際の実務的な流れと注意点を、行政書士の視点から解説していきます。


簡易宿所とは?マンション・アパートでもできる?

まずは「簡易宿所」とは何かを確認しましょう。

旅館業法における定義

旅館業法では「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」のうち、ホテル・旅館に分類されない小規模施設が「簡易宿所」とされています。
特徴としては、

  • 不特定多数を対象にする
  • 相部屋形式や簡素な施設も可
  • 民泊と異なり営業日数制限がない
    といった点が挙げられます。

マンション・アパートでの活用可能性

マンションやアパートの一室でも、要件を満たせば簡易宿所として許可を取ることは可能です。ただし、

  • 建築物の用途(共同住宅 → 宿泊施設)
  • 消防法上の設備要件
  • 賃貸借契約や管理規約の制限
    といったハードルがあり、これをクリアすることが必要です。

共同住宅を活用した事例

実際に金沢市内では、賃貸マンションの一室を簡易宿所に転用して成功したケースがあります。

成功事例

  • 金沢駅近くのワンルームをリノベーション
  • 観光客向けに和モダン風に内装を変更
  • 消防設備を追加し、オーナーの承諾も取得
    結果、週末はほぼ満室で稼働し、投資回収も早かったケースがあります。

失敗事例

  • マンション管理規約で「宿泊施設利用禁止」とされていた
  • 消防検査で不備が多発し、改修コストが予定の倍に
  • 結果、収益化できず撤退
    このように、事前の調査・調整を怠ると大きなリスクになります。

消防設備・用途変更の必要性

簡易宿所の許可取得において、最大の壁が 消防法と建築基準法 です。

消防設備

簡易宿所として利用する場合、通常の住宅以上の防火設備が求められます。

  • 自動火災報知器の設置
  • 避難誘導灯の設置
  • 消火器の設置
  • 廊下・階段の幅員要件
    などがあり、消防署の立入検査を受けて合格する必要があります。

用途変更

建築基準法上、共同住宅を宿泊施設として使用するには「用途変更」が必要です。

  • 建築確認申請を建築指導課へ提出
  • 建築士による図面作成が必須
  • 建物全体の構造に影響がある場合、管理組合の承諾も必要

これらを同時並行で進めることが、スムーズな許可取得のカギとなります。


オーナー承諾が必要なケース

マンションやアパートの一室を簡易宿所にする場合、所有者(オーナー)の承諾が必須です。

賃貸借契約の確認

一般的な賃貸借契約には「住居としてのみ使用」「宿泊施設としての使用禁止」などの条項が入っています。これに違反すると契約解除となるリスクがあります。

管理規約の制限

分譲マンションでは管理規約により民泊・簡易宿所が禁止されている場合があります。承諾を得ないまま営業すると、住民とのトラブルや訴訟リスクに発展します。

承諾を得るための工夫

  • 事業計画書を作成し、収益性や管理体制を説明
  • 騒音やゴミ問題の対策を提示
  • 緊急連絡体制を整えて安心感を与える

当事務所では、こうした承諾取得のための文書作成支援も行っています。


金沢市での許可申請の実務

ここからは、実際に金沢市で簡易宿所の許可を取るための流れを整理します。

① 事前相談

まずは金沢市保健所に事前相談を行います。図面や物件概要を持参し、必要な改修内容を確認します。

② 看板掲示(条例対応)

金沢市では、申請前に「宿泊施設を設置する予定である旨」を看板で掲示し、1〜2か月の期間を経過させる必要があります。近隣住民からの意見を受け付けるための制度です。

③ 消防・建築調整

消防署・建築指導課と並行して調整を行い、必要な工事を進めます。特に消防設備の不備は許可取得に直結するため、慎重な対応が必要です。

④ 許可申請

改修後、図面・必要書類を整えて旅館業許可申請を行います。
必要書類には以下が含まれます。

  • 建物の図面
  • 賃貸借契約書または承諾書
  • 管理体制に関する書面
  • 営業施設の概要書

⑤ 許可取得

審査後、現地検査に合格すれば許可が下ります。金沢市の場合、申請から許可まで 約2〜3か月 が目安です。


専門家に依頼するメリット

「自分でやれば安く済むのでは?」と考える方もいますが、実務上は専門家に依頼するメリットが非常に大きいです。

  • スケジュール短縮:役所・消防・建築との調整を一括対応
  • トラブル防止:オーナー承諾書や近隣調整を代行
  • ワンストップ対応:物件紹介(ふちどり不動産)+改装工事(Kプランニング)+許可申請(行政書士)

当事務所では、この「不動産 × 許認可 × 工事」の一貫サポートが可能な点が大きな強みです。


まとめ

  • 賃貸マンションやアパートの一室を簡易宿所にすることは可能。
  • ただし、消防設備・用途変更・オーナー承諾など、多くの課題をクリアする必要がある。
  • 金沢市では条例により看板掲示も必要で、許可取得までに数か月かかる。
  • 行政書士に依頼すれば、複雑な調整を一括で代行できる。

観光需要の高い金沢市において、簡易宿所は大きな可能性を秘めています。まずは物件調査・事前相談から始めてみませんか?


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行政書士高見裕樹事務所では、旅館業・簡易宿所・民泊の申請に対応しています。
物件探しから許可申請、内装工事までワンストップでサポート可能です。

安心して開業準備を進めたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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