
個人事業主から法人化するベストタイミング|利益500万円・年商1,000万円の壁をどう判断する?
はじめに
フリーランスや副業として事業を始め、個人事業主として軌道に乗ってきたとき、必ず出てくる悩みが「法人化すべきかどうか」です。
法人化には大きなメリットがありますが、維持コストや手間も増えるため、タイミングを誤ると逆効果 になりかねません。
特に注目すべき判断基準が「利益500万円」と「年商1,000万円」のラインです。
この記事では、この2つの基準を軸に、法人化のメリット・デメリット、石川県での実務例を交えて解説します。
個人事業主と法人の違いを整理
- 責任の範囲:個人事業主は無限責任、法人は有限責任
- 税制:個人は所得税(累進課税 最大45%)、法人は法人税(23.2%前後)+役員報酬
- 信用力:法人の方が銀行・取引先からの評価が高い
この違いを理解したうえで、法人化のタイミングを見極める必要があります。
法人化を検討すべきタイミング①:利益が500万円を超えたとき
◆ なぜ500万円なのか?
- 個人事業主は所得税+住民税で 実効税率30%前後 に到達
- 一方法人は法人税+住民税で 23%前後 に抑えられる
👉 課税負担が逆転するのが「利益500万円ライン」
◆ シミュレーション
課税所得600万円の場合
- 個人事業主:所得税・住民税合計=約180万円
- 法人化+役員報酬設定:法人税+所得税合計=約140万円
→ 年間40万円以上の節税効果
◆ 追加のメリット
- 役員報酬を家族に分散すればさらに節税
- 退職金制度の活用、生命保険の損金算入も可能
法人化を検討すべきタイミング②:年商が1,000万円を超える前後
◆ 消費税の壁
- 個人事業主は売上1,000万円超で 翌々年から消費税課税事業者
- 消費税10%は資金繰りを直撃する大きな負担
◆ 法人化によるメリット
- 法人は設立から 原則2期は消費税免除(資本金1,000万円未満などの条件あり)
- 年商1,200万円であれば、消費税約80〜100万円を節約可能
- その資金を広告費や設備投資に充てることで成長加速が可能
「利益500万円」と「年商1,000万円」を組み合わせて考える
- 利益500万円超 → 税金対策で法人化
- 年商1,000万円超 → 消費税対策で法人化
👉 両方が重なったときが、法人化の最も大きなメリットを享受できる時期 です。
法人化を検討すべきその他のタイミング
- 許認可取得が必要になったとき(建設業許可・宅建業免許・旅館業など)
- 銀行融資を受けたいとき(事業計画書+法人格で信用力アップ)
- 従業員を雇用したいとき(社会保険整備で人材確保が有利)
石川県での実例
事例①:白山市のリフォーム業者
利益600万円規模に達し、税負担が重くなったため法人化。建設業許可を同時に取得し、大型工事を受注可能に。
事例②:小松市のネット販売事業者
年商1,200万円を超えたため消費税負担を回避する目的で法人化。酒販免許も法人名義でスムーズに取得。
法人化の流れ(石川県の場合)
- 定款作成(株式会社は公証役場認証が必要)
- 資本金の払込
- 登記申請(法務局)
- 税務署・県税事務所・市町村への届出
- 社会保険加入手続き
- 許認可申請(建設業・宅建業・旅館業など)
行政書士に依頼するメリット
- 法人設立と許認可申請を同時に進められる
- 融資を見据えた事業計画書作成も支援
- 不動産探しやリフォーム工事までワンストップ対応
👉 法人化+開業準備を一体的にサポートできる数少ない事務所
まとめ
個人事業主から法人化するベストなタイミングは、
- 利益が500万円を超えたとき(税負担軽減)
- 年商が1,000万円を超えたとき(消費税負担回避)
この2つを目安に、事業の成長段階や許認可・融資の必要性に合わせて判断することが大切です。
石川県で法人化や許認可を検討されている方は、ぜひ「行政書士高見裕樹事務所」にご相談ください。
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