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「簡易宿所の管理者は常駐が必要?遠隔管理・多店舗展開の体制を解説」

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“管理者の常駐は必要?”|簡易宿所の管理体制と緊急時対応

はじめに|許可取得後に問われる「運営体制」

簡易宿所を開業する際、旅館業法に基づく許可を取得することは必須ですが、実際に営業を始めてから大きな課題となるのが 管理体制 です。

「管理者は必ず常駐しなければならないのか?」
「遠隔管理は認められるのか?」
「複数棟を運営する場合、どう体制を整えるべきか?」

こうした疑問は、簡易宿所の運営を考える事業者から必ず出てくるものです。特に金沢市をはじめとする石川県内では、観光需要の高まりに伴って簡易宿所が増加しており、消防・保健所・警察からの管理体制に関する指導も強化されています。

本記事では、簡易宿所の管理体制について「法律上の要件」と「実務上の現実」を踏まえて詳しく解説します。


管理者の配置要件

● 法律上の原則

旅館業法および各自治体の条例では、原則として「施設ごとに管理者を置くこと」が求められています。

  • 宿泊者名簿の作成・保存
  • 鍵の管理
  • 苦情対応
  • 衛生管理

これらを適切に行うために、管理者の存在は不可欠とされます。

● 常駐義務はあるのか?

結論から言えば、管理者の常駐が必須とは限りません
ただし、以下の条件を満たすことが前提です。

  • 迅速に駆け付けられる距離にいること
  • 緊急時に24時間対応できる体制があること
  • 連絡先を宿泊者に明示していること

● 石川県の実務傾向

  • 金沢市では特に「緊急時対応の実効性」が厳しくチェックされます。
  • 実際に宿泊者が火災報知器を誤作動させたケースで、管理者が現場に到着するまでの時間を問題視された例もあります。

遠隔管理と非常連絡体制

● 遠隔管理の現実

スマートロックや監視カメラの普及により、現地に常駐せずに宿泊者対応を行うスタイルも増えています。
しかし、完全に無人での運営はリスクが高く、行政からも慎重な運用を求められています。

● 必須となる設備・仕組み

  • スマートロック:宿泊者ごとに発行する暗証番号やICカードで管理
  • 監視カメラ:出入口や共用部の安全確認
  • 24時間対応の連絡先:宿泊者が困ったときに即連絡できる体制
  • 緊急出動可能なスタッフ:近隣に配置し、30分以内に駆け付けられる体制

● 消防対応との関係

遠隔管理を採用する場合でも、火災・地震などの災害時に「迅速に避難誘導ができるか」が問われます。
避難マニュアルの整備や、外国人宿泊者向けの多言語表示も必要になるケースがあります。


多店舗展開を見据えた体制づくり

● 1棟目と2棟目で壁に当たる理由

1棟目は管理者が常駐または近隣でカバーできても、2棟目以降は距離や人員の問題で同じやり方では難しくなります。

● 考えられる体制モデル

  1. 拠点型管理
     → 金沢市中心部に管理拠点を置き、複数宿をカバー
  2. 外部委託型
     → 清掃会社や管理代行会社と連携し、緊急時対応をアウトソース
  3. シフト管理型
     → 複数人のスタッフでシフトを組み、複数施設を分担

● 行政が重視するポイント

  • 「誰が責任を持つのか」が明確になっていること
  • 実際に緊急時に機能する体制であること
  • 宿泊者への説明が十分であること

実務でのトラブル事例

  1. 火災報知器の誤作動
     → 管理者が駆け付けるのに1時間かかり、消防から指導を受けた。
  2. 外国人宿泊者とのトラブル
     → 翻訳アプリだけでは対応できず、行政から多言語対応の体制整備を求められた。
  3. 苦情対応の遅れ
     → 深夜の騒音トラブルで近隣住民が警察に通報し、行政指導につながった。

行政書士に依頼するメリット

● 許可申請時に「運営体制」を一緒に設計できる

単に書類を作るだけではなく、事後の運営を見据えた体制構築を提案可能です。

● 消防・保健所との調整もサポート

事前協議を行い、最小限の改修で許可が取れるように調整します。

● 多店舗展開の相談が可能

旅館業許可の経験を踏まえ、2棟目・3棟目の課題に対応できる体制を構築できます。


よくある質問

Q1. 管理者は必ず建物内に常駐しないといけませんか?

👉 常駐義務はありません。ただし、迅速に駆け付けられる距離にいる必要があります。

Q2. 遠隔管理だけで認められますか?

👉 原則として現場対応ができる人が必要です。遠隔だけでは不足と判断される場合があります。

Q3. 複数棟を同時に運営する場合、管理者は増やさないといけませんか?

👉 実効性のある体制があれば1人で複数棟を担当することも可能ですが、現実的には補助人員を配置するのが望ましいです。


まとめ|簡易宿所の運営は「管理体制」で決まる

  • 管理者の常駐は必須ではないが、実効性ある体制が求められる
  • 遠隔管理を採用するなら、緊急時に駆け付ける人員が必要
  • 多店舗展開では体制の拡充が不可欠

「許可を取ること」と「運営を続けること」は別次元の課題です。
石川県で簡易宿所を検討されている方は、ぜひ運営体制も含めて早めに専門家へご相談ください。


📞 お問い合わせ先

簡易宿所の許可・運営体制に関するご相談は、行政書士高見裕樹事務所までお気軽にどうぞ。
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