
“社長以外でも大丈夫?”|建設業許可に必要な経営管理責任者の要件
はじめに|建設業許可のハードル「人の要件」
建設業許可を取得するためには、大きく分けて「資金・財産要件」「誠実性要件」「人的要件」があります。その中でも特に相談が多いのが、経営管理責任者(けいかん) に関する要件です。
「社長が必ず経営管理責任者にならなければいけないのか?」
「親族や役員を立てても大丈夫?」
「10年の実務経験をどう証明するのか?」
こうした疑問は、建設業許可申請を検討される多くの方が直面するものです。今回は、石川県を中心に建設業許可の申請を数多くサポートしてきた行政書士高見裕樹事務所が、経営管理責任者について徹底的に解説します。
経営管理責任者とは?
● 役割の位置づけ
経営管理責任者は「営業所における建設業の経営を総合的に管理する人」と定義されます。
建設業許可では「この人が過去に建設業の経営を管理していた」という実績がなければならず、単なる名義では認められません。
● 専任技術者との違い
- 経営管理責任者 → 経営面を統括した実績がある人
- 専任技術者 → 技術面で資格や経験を持つ人
両者を兼ねることは可能ですが、通常は役割分担して配置されます。
経営管理責任者に誰を据えられるか
● 社長でなくてもOK
経営管理責任者は、必ずしも社長や代表取締役である必要はありません。
取締役や支店長、部門長など、経営に実質的に携わっていた人物であれば要件を満たします。
● 親族や役員も可能
親族や役員であっても、過去に建設業の経営に携わった証拠があれば認められます。
ただし「名義だけの役員」や「現場経験しかない人」は不可です。
● 他社との兼任は不可
経営管理責任者は「専任」でなければならず、他社で同様の役割を兼ねることはできません。
実務経験10年の証明方法
● 必要な経験年数
- 経営管理責任者の要件は「建設業の経営に関して 5年以上 の経験」が原則
- ただし「補佐経験を含めて10年以上」でも認められるケースあり
● 証明のための資料例
- 建設業許可業者の在籍証明書
- 商業登記簿謄本(役員として在籍していたことの証明)
- 雇用保険被保険者証明、社会保険加入記録
- 請負契約書や注文書など、経営に携わっていた証拠書類
● よくある問題点
- 証拠が残っておらず経験を立証できない
- 現場監督経験はあるが「経営管理」と認められない
- 他県の会社で役員だったが、書類が揃わず審査に時間がかかる
親族や役員を立てる場合の注意点
● 「形式だけ」はNG
名義だけの役員や、実際に経営に携わっていなかった親族では認められません。
● 実態が問われる
- 実際に契約締結や請求業務に関わっていたか
- 工事原価や売上の管理に携わっていたか
- 社内での権限や役割を裏付ける資料があるか
● 審査官が疑問を持つケース
- 「親の会社でただ名前を貸していただけ」
- 「妻が取締役になっているが実務は無関与」
- 「役員在籍はあるが、経営会議に出ていなかった」
建設業許可申請におけるチェックポイント
- 誰を経営管理責任者に据えるかを早めに決定する
→ 申請直前で人を変更すると証明資料が間に合わないことがある - 証明資料を早めに集める
→ 在籍証明書や契約書は時間がかかるため、事前準備が必須 - 専任性を確保する
→ 他社との兼任や副業では不可。就業証明で確認される - 専任技術者との兼任可否を判断する
→ 中小企業では社長が両方を兼ねるケースも多い
石川県での実務的な傾向
- 金沢市:提出書類の細部まで厳格に確認される傾向
- 加賀市・小松市:事前相談をしっかり行えばスムーズに進む
- 農地転用や建築確認と併行するケース:地域の建築指導課との連携が必要になる場合も
行政書士に依頼するメリット
● 書類不備による差戻しを防げる
経営管理責任者の証明は、不備があると差し戻され、数か月遅れることもあります。
● 適切な人選のアドバイスができる
「社長でなくてもいい」「親族でも要件を満たせる」など、柔軟な提案が可能です。
● ワンストップ対応が可能
当事務所では建設業許可だけでなく、会社設立・資金調達・物件探し・改装工事まで一括サポート可能です。
よくある質問
Q1. 経営管理責任者は必ず社長ですか?
👉 必ずしも社長でなくても構いません。実際に経営に関与していた役員・支店長などでも認められます。
Q2. 現場監督経験は要件になりますか?
👉 技術者経験は「専任技術者」の要件にはなりますが、経営管理責任者としては認められません。
Q3. 親族でも大丈夫ですか?
👉 実際に経営に関与していたことを証明できれば問題ありません。名義貸しは不可です。
まとめ|経営管理責任者を誰にするかで許可の成否が決まる
建設業許可の取得において、経営管理責任者の選定は最も重要な要素の一つです。
- 社長以外でも要件を満たせる
- 実務経験の証明が不可欠
- 親族や役員を立てる場合は「実態」が問われる
早めに人選を行い、必要な資料を整えることでスムーズに許可取得へと進めます。
行政書士高見裕樹事務所では、石川県を中心に建設業許可申請を多数サポートしてきた実績があります。
許可取得を検討されている方は、まずはお気軽にご相談ください。
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建設業許可に関するご相談は、行政書士高見裕樹事務所までお気軽にどうぞ。
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