
金沢・富山・福井に出店したい方へ|地域ごとの風俗営業許可の実務と行政対応
1. 北陸三県に進出を考える事業者が増えている背景
首都圏や関西圏でスナック・ラウンジ・キャバクラを経営している事業者から、
「地方都市への進出を考えたい」
「観光客や出張客の多い地域で新店舗を構えたい」
といった相談が増えています。
特に北陸三県(金沢・富山・福井)は、
- 北陸新幹線の開通で首都圏からのアクセスが向上
- 観光需要の増加(兼六園、東茶屋街、黒部、永平寺など)
- 地方都市ならではの固定客ビジネスが強い
といった魅力から、新規進出先として注目されています。
しかし、風俗営業許可は都道府県・市町村ごとに条例や運用が異なり、「東京で通ったから北陸でも同じように通る」とは限らないのが実情です。
2. 風俗営業許可の基本ルール(全国共通)
まず前提として全国共通の基本ルールを確認しておきましょう。
- 根拠法:風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)
- 対象営業:キャバクラ、ラウンジ、スナック(接待行為がある場合)
- 営業時間:午前0時以降の営業は不可(深夜酒類提供営業とは併用不可)
- 許可取得までの期間:おおむね55日(警察署での受付 → 県公安委員会による審査)
- 必要書類:営業所図面、用途地域証明、住民票、登記簿謄本、誓約書など
この全国基準に加え、北陸三県では地域ごとに条例や運用上の差があります。
3. 石川県(金沢市など)での特徴
(1) 所要期間
- 申請から許可まで 約55日 が目安。
- 金沢市内は申請件数が多く、審査が混み合う時期はさらに時間がかかる場合あり。
(2) 条例・実務の特徴
- 金沢市では「看板掲示期間」が必要。営業予定地に看板を掲示し、近隣住民へ周知を行う。
- 掲示期間は 1〜2か月程度。このため、スケジュールに余裕を持つ必要がある。
(3) 警察対応
- 金沢市内の生活安全課は比較的細かい確認を行う傾向あり。
- 図面の寸法誤差や、避難経路の表記漏れなどがあると差し戻しになるケース多数。
4. 富山県での特徴
(1) 所要期間
- 申請から許可まで 約50〜60日。
- 石川県とほぼ同様だが、地域によって審査スピードに差がある。
(2) 条例・実務の特徴
- 繁華街(富山市桜木町など)では警察の指導が厳しめ。
- 特に「防音・照度基準」への指導が多く、照明の暗さや個室構造に注意が必要。
(3) 警察対応
- 実地検査で「視界の確保(客席全体が見渡せるか)」を重点的に確認。
- 過去に無許可営業の事例がある地域では、より厳格な運用となる傾向。
5. 福井県での特徴
(1) 所要期間
- 申請から許可まで 約60日 と、北陸三県の中ではやや長め。
(2) 条例・実務の特徴
- 福井市中心部(片町エリアなど)は風営店舗が集中しており、用途地域の確認が必須。
- 他県に比べ「用途地域」に関する調査を厳格に求められる傾向。
(3) 警察対応
- 図面の整合性を厳密にチェックする傾向が強い。
- 工事業者が作った図面でも、警察基準を満たしていないと修正指示が入ることが多い。
6. 北陸三県で共通する注意点
- 用途地域の制限
第一種低層住居専用地域などは不可。中心部でも地域によって営業不可エリアがある。 - 図面の正確性
1mm単位での寸法差を指摘されることも。経験豊富な行政書士・設計士に依頼するのが安全。 - スケジュール管理
申請から許可まで2か月はかかる。加えて金沢市の看板掲示でさらに1〜2か月必要になるケースも。 - 深夜営業との違いを理解する
0時以降営業は「深夜酒類提供飲食店営業届」だが、接待を伴う営業は風営許可が必須。
両者は併用不可。事業モデルを最初に決めることが大事。
7. 県外事業者が進出するときの落とし穴
- 「東京と同じやり方で申請したら通らなかった」
→ 地域ごとに審査基準の細かさや運用に違いがある。 - 物件契約を先行させてしまう
→ 契約後に用途地域NGと判明し、初期投資が無駄になるケース。 - スケジュールの読み違い
→ オープン予定日から逆算して申請準備を始めないと、開店が数か月遅れる。
8. 当事務所のサポート体制(石川・富山・福井対応)
行政書士高見裕樹事務所では、北陸三県における風俗営業許可をワンストップで支援しています。
- 事前調査(用途地域確認・近隣調査・図面チェック)
- 図面作成(リフォーム業者との連携で対応可能)
- 警察署との事前協議(生活安全課対応)
- 申請書作成・提出代行
- 工事完了後の検査立会い
さらに、不動産部門(ふちどり不動産)や工事部門(Kプランニング)との連携により、物件探し → 許可申請 → 内装工事まで一気通貫でサポート可能です。
9. まとめ
- 北陸三県は進出メリットが大きいが、地域ごとに条例・運用の差がある
- 金沢市は看板掲示が必要で時間がかかる
- 富山市は防音・照度基準に厳格
- 福井市は用途地域や図面審査が特に厳しい
- 県外からの進出では、物件選定・スケジュール管理を専門家に相談するのが安全
「北陸に出店したい」とお考えの方は、ぜひ事前調査の段階からご相談ください。
✅お問い合わせ
北陸三県での風俗営業許可に関するご相談は「行政書士高見裕樹事務所」へ。
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