
“口頭で伝えるだけじゃ不十分?”|公正証書遺言のメリットと作成手順
1. 「遺言を残しておけば安心」とは限らない
「財産は長男に任せるから大丈夫」
「口頭で伝えてあるから心配ない」
実際の相続の現場では、このような言葉がよく聞かれます。
しかし、口頭で伝えただけの意思表示には法的効力がありません。
また、自筆で遺言を書いても、
- 書式不備で無効になる
- 遺言書が見つからない
- 改ざんを疑われてトラブルになる
といったケースも少なくありません。
そこで確実な相続対策として注目されるのが、公正証書遺言です。
2. 公正証書遺言とは?
公正証書遺言とは、公証人役場で公証人が作成する遺言のことです。
遺言者の意思を公証人が確認し、法律に基づいた形式で作成するため、最も確実性が高い遺言とされています。
特徴
- 原本は公証役場に保管されるため、紛失や改ざんのリスクがない
- 相続開始後すぐに効力を発揮できる(家庭裁判所の検認不要)
- 専門家のチェックを受けるため形式不備の心配がない
3. 公正証書遺言のメリット
(1) 無効になるリスクが低い
自筆証書遺言は書き方を間違えると無効になりますが、公正証書遺言は公証人が作成するため、形式不備の心配がほとんどありません。
(2) 紛失・改ざんの心配がない
公証役場で保管されるため、相続人による隠匿や改ざんを防げます。
(3) すぐに効力を発揮できる
自筆証書遺言は家庭裁判所の「検認」が必要ですが、公正証書遺言は不要。
相続手続きにすぐ使えるため、スムーズに財産分割が進められます。
(4) 高齢者や病気の方も安心
読み書きができない方でも、口述で意思を伝えれば作成可能。
入院中の病院や施設に公証人が出張して作成してくれるケースもあります。
4. 公正証書遺言のデメリット・注意点
もちろんメリットばかりではありません。
- 費用がかかる(財産額に応じて数万円〜数十万円)
- 証人が2人必要(行政書士が対応可能)
- 手間がかかる(財産調査や戸籍収集が必要)
ただし、費用や手間をかけても「確実に意思を実現したい」と考える方には非常に有効な手段です。
5. 公正証書遺言の作成手順
① 財産内容の整理
預貯金、不動産、株式、保険などをリスト化します。
② 遺言内容の検討
「誰に何を相続させるか」「遺言執行者を誰にするか」を決めます。
③ 行政書士に相談
必要書類(戸籍謄本、登記事項証明書、固定資産評価証明書など)を収集。
文案を作成し、公証人との事前打合せを行います。
④ 公証人役場で作成
証人2名立ち会いのもと、公証人が遺言者の意思を確認し作成。
⑤ 公証人役場で保管
原本は役場で保管、副本が本人に渡されます。
6. 実際の相談事例
事例①:相続人間の争いを防ぎたい
金沢市のご夫婦からの相談。財産の大半が自宅不動産で「兄弟が揉めそう」と不安を抱えていました。
→ 公正証書遺言で不動産を長男に、預貯金を次男に分ける内容を作成。相続後のトラブルを防止できました。
事例②:事業承継をスムーズにしたい
白山市の建設業経営者。会社株式を長男に集中して承継させたいとの希望。
→ 公正証書遺言で株式の承継先を明記。会社経営が混乱するリスクを回避できました。
7. 行政書士に依頼するメリット
- 財産調査や必要書類の収集をサポート
- 公正証書遺言の原案作成を代行
- 公証人との事前打合せもスムーズに
- 相続や不動産登記、事業承継までワンストップで支援可能
8. まとめ
- 口頭で伝えるだけでは法的効力なし
- 公正証書遺言なら、無効リスクや紛失・改ざんの心配がない
- 検認不要ですぐ効力を発揮できる
- 費用や手間はかかるが、確実に意思を残したい人には最適
「相続で家族に迷惑をかけたくない」「財産の分け方を明確にしておきたい」
そんな方は、公正証書遺言の作成をぜひ検討してみてください。
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公正証書遺言の作成サポートは「行政書士高見裕樹事務所」へご相談ください。
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