
“ネットでお酒を売りたい!”|通販に必要な免許と販売ルール
1. ネットでお酒を売るには免許が必要?
「自社の日本酒を全国に届けたい」
「ECサイトでワインを販売したい」
「海外に日本のお酒を輸出したい」
こうした相談は年々増えています。コロナ禍以降、飲食店から小売販売に転換する事業者や、越境ECで外国人向けにお酒を販売したいという需要が拡大しているためです。
しかし、酒類を販売するには必ず税務署の免許(酒類販売業免許)が必要です。
特に「通信販売(ECサイト)」でお酒を売るには、一般の免許とは異なる「通信販売酒類小売業免許」が必要になる点に注意が必要です。
2. 酒類販売免許の種類と違い
酒販免許には複数の種類があります。ネット販売をする場合に関係が深いものを整理すると以下の通りです。
- 一般酒類小売業免許
店舗で消費者に酒を販売できる免許。原則として通信販売は不可。 - 通信販売酒類小売業免許
インターネットやカタログで全国の消費者に販売できる免許。ECサイト運営者が必ず取得すべき免許。 - 輸出入に関する免許
海外に販売する場合は「輸出酒類卸売業免許」など、追加の許可が必要なケースがあります。
3. 通信販売酒類小売業免許の特徴
(1) 全国の消費者に販売できる
通常の小売免許は「免許を受けた所在地における販売」が基本です。
しかし通信販売免許は、ECサイトや通販カタログを通じて全国の消費者に販売可能です。
(2) 取扱品目の制限
- 輸入酒類や特定の酒類については追加の要件あり
- 小規模酒造業者が自社製造酒を販売する場合は別枠で対応可能
(3) 通販専用免許
実店舗での販売には使えず、あくまで通信販売専用の免許です。
4. 通販でお酒を販売する際のルール
(1) 未成年者飲酒防止の義務
- サイトに「未成年者の飲酒は法律で禁止されています」と明記することが必須
- 注文時に年齢確認(生年月日入力やチェックボックス)を設ける必要があります
(2) 酒税法上の表示義務
- 商品説明にアルコール度数、容量、製造者などの記載が必要
- 誤解を招く表示や健康被害を煽る広告は禁止されています
(3) 越境ECの場合
- 輸出先の国ごとに輸入規制や税制が異なる
- 現地の免許が必要なケースもあり、事前確認が不可欠
5. 免許取得に必要な要件
通信販売酒類小売業免許を取得するには、次のような条件を満たす必要があります。
- 人的要件
過去に酒税法違反歴がないこと。 - 経営基盤
安定した事業計画・資金計画が必要。 - 事業計画の提出
販売方法、取扱商品、収支予測などを記載した計画書を提出。 - 申請窓口
販売所を管轄する税務署へ申請。
6. 申請から免許取得までの流れ
- 税務署へ事前相談
- 必要書類の収集(登記簿謄本、定款、役員履歴書、事業計画書など)
- 申請書提出
- 審査(約2〜3か月)
- 免許交付
※申請内容や事業規模によっては、さらに時間がかかるケースもあります。
7. よくあるつまずきポイント
- 事業計画の不備
収支見込みや販売ルートが不明確だと審査で不利になります。 - 実店舗免許との混同
「一般酒類小売業免許」でEC販売できると誤解しているケースが多い。 - 越境ECの規制調査不足
輸出先の国でアルコール輸入が禁止されていることもあり、トラブルになりがちです。
8. 行政書士に依頼するメリット
- 書類作成の手間を大幅に削減できる
- 事業計画のブラッシュアップ支援が可能
- 越境ECや輸入販売と絡む複雑なケースも整理できる
- 当事務所では、不動産・建設業・飲食店など幅広い許可実務に精通しているため、複合事業の相談もワンストップで対応可能
9. まとめ
- ネットでお酒を販売するには「通信販売酒類小売業免許」が必須
- 未成年者飲酒防止や表示義務など、通販ならではのルールがある
- 越境ECを検討するなら、輸出入規制も事前確認が必要
- 行政書士に相談することで、免許取得や事業計画策定がスムーズに進む
これからECサイトやネットショップで酒類販売を始めたい方は、早めの準備と専門家のサポートをおすすめします。
✅お問い合わせ
酒類販売免許(通信販売)に関するご相談は「行政書士高見裕樹事務所」へ。
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