「どっちが儲かりますか?」という質問はズレています
簡易宿所(旅館業)と民泊(住宅宿泊事業)を検討されている方から、
ほぼ必ず聞かれるのがこの質問です。
「どっちが儲かりますか?」
ですが、この問い方だと
判断を間違えます。
なぜか。
それは、宿泊事業は
「儲かるか」よりも「続くかどうか」が圧倒的に重要だからです。
結論|ほとんどの人は“続かない”
いきなり結論ですが、
・民泊を始めた人
・簡易宿所を始めた人
その中で
長く続いている人は一部です。
理由はシンプルで、
・想定より稼働しない
・運用が大変
・近隣トラブル
・制度の理解不足
このあたりで離脱していきます。
簡易宿所と民泊の「決定的な違い」
まずは整理します。
■簡易宿所(旅館業)
・365日営業可能
・営業日数の制限なし
・許可制(ハードル高め)
・初期投資が必要
■民泊(住宅宿泊事業)
・年間180日まで
・届出制(比較的始めやすい)
・報告義務あり
・近隣トラブルが起きやすい
この違いを見て、
「民泊の方が楽そう」
と思う方が多いですが、
ここに落とし穴があります。
180日制限の本当の意味
民泊は年間180日しか営業できません。
これはつまり、
「半年しか売上が立たない」
ということです。
■単純な比較(イメージ)
【仮定】
1泊1万円
稼働率70%
■簡易宿所
365日 × 70% × 1万円
= 約255万円/部屋
■民泊
180日 × 70% × 1万円
= 約126万円/部屋
👉 約2倍の差が出ます
ここに気づかず始めると、
「思ったより売上が出ない」
という状態になります。
民泊が続かない理由
実務で見ていて、
民泊が続かない理由はだいたい決まっています。
■① 稼働の波が大きい
・繁忙期は埋まる
・閑散期はほぼゼロ
→収支が安定しない
■② 運用負担が重い
・清掃
・ゲスト対応
・レビュー管理
→副業では回らなくなる
■③ 近隣トラブル
・騒音
・ゴミ
・外国人対応
→精神的にきつい
■④ ルール違反で指導
・報告義務違反
・無許可営業
→最悪、事業停止
簡易宿所の“見えないハードル”
では簡易宿所は簡単かというと、
そうではありません。
むしろ
「最初のハードルはかなり高い」
です。
■主なハードル
・用途地域
・建築基準法
・消防設備
・帳場の設置
ここで多いのが
「途中で止まる」
というケースです。
実際の判断基準はこれ
ではどう判断すべきか。
結論はシンプルです。
■判断基準①:物件の適合性
・用途的に可能か
・構造的に対応できるか
■判断基準②:運用体制
・誰が運営するのか
・外注するのか
■判断基準③:目的
・副業なのか
・事業としてやるのか
よくある失敗パターン
ここは重要です。
■パターン①
「とりあえず民泊でやってみる」
→収益が出ない
→やめる
■パターン②
「簡易宿所にしたいが物件が合わない」
→途中で断念
■パターン③
「運用を軽く見ていた」
→回らなくなる
金沢市の実務的な傾向
金沢市では、
・観光需要はある
・立地によって差が激しい
という特徴があります。
■中心部は強い
・片町
・武蔵
・東山
→稼働しやすい
■郊外は厳しい
→価格勝負になる
→利益が出にくい
「高貴なイメージ」の落とし穴
最近多いのが、
・2〜3部屋
・高級路線
というコンセプトです。
これは悪くないですが、
■注意点
・初期投資が重い
・回収に時間がかかる
・ターゲットが狭い
つまり
“当たれば強いが外すと厳しい”
モデルです。
結論|最初にやるべきことはこれ
ここまでを踏まえると、
最初にやるべきことは決まっています。
■やるべきこと
・物件を見る前に相談
・事業モデルを決める
・リスクを把握する
この順番を間違えると、
・お金
・時間
・モチベーション
すべて失います。
■まとめ
・「儲かるか」で判断すると失敗する
・「続くか」で判断する
・民泊は180日制限が重い
・簡易宿所は初期ハードルが高い
・どちらも簡単ではない
■お問い合わせ
宿泊事業は
「やり方次第で成功にも失敗にもなる分野」です。
・簡易宿所にするべきか
・民泊でいくべきか
・この物件で成立するか
こういった判断は、
事前に整理しておくことがすべてです。
行政書士高見裕樹事務所では、
・物件の適合性チェック
・事業モデルの整理
・許認可の実現可能性判断
まで含めてサポートしています。
行政書士高見裕樹事務所
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