0時以降に営業したい人が必ずぶつかる許認可
深夜酒類提供と風俗営業の“分かれ道”で行政書士がやっている具体業務
はじめに|「夜にお酒を出すだけ」では済まない理由
「バーをやりたい」
「スナックを開きたい」
「お酒メインで、0時以降も営業したい」
このような相談は非常に多くあります。
ところが実務の現場では、次のような声も同時に聞こえてきます。
- 「飲食店許可はもう取っています」
- 「前の店も夜中までやっていました」
- 「深夜営業って届出だけですよね?」
結論から言うと、
0時以降に営業する“お酒中心の店”は、必ず許認可の分岐点に立たされます。
しかも重要なのは、
「どの許可を取るか」ではなく
「どの営業形態として設計するか」
この記事では、
深夜営業・お酒中心営業において
行政書士が実際に行っている業務を、順を追って解説します。
1|まず整理するのは「やりたい営業内容」
深夜営業の相談で、最初に行うのは
許可の話ではありません。
最初に確認するのは、次のような点です。
- 主な売上は何か(お酒/料理)
- 接客はどこまで行うか
- お客様と従業員の距離感
- カラオケ・同席・会話の内容
- 営業時間(0時以降かどうか)
なぜなら、
営業内容によって“必要な許認可が根本から変わる”からです。
2|深夜酒類提供飲食店営業届出とは何か
深夜酒類提供飲食店営業とは
簡単に言うと、
- 主にお酒を提供
- 午前0時以降も営業
- 接待行為をしない
という営業形態です。
この場合、
**警察署への「深夜酒類提供飲食店営業届出」**が必要になります。
行政書士が行う具体業務
- 深夜酒類提供に該当するかの判断
- 営業時間・提供内容の整理
- 届出書類の作成
- 店舗図面の作成・確認
- 管轄警察署への提出・補正対応
👉 ただし、
「深夜酒類提供で済むかどうか」は、ここではまだ確定しません。
3|風俗営業(1号)に該当するかどうかの判断
次に重要なのが、
風俗営業(1号)に該当しないかの判断です。
風俗営業(1号)とは
一般的に言われる
- スナック
- キャバクラ
- ラウンジ
などが該当する可能性があります。
ポイントは、
- 接待行為があるか
- 客の近くに座るか
- 会話・お酌・同席の有無
です。
行政書士が行う具体業務
- 営業方法のヒアリング
- 接客内容の線引き整理
- 深夜酒類提供との違いの説明
- どちらに該当するかの事前判断
👉 ここで重要なのは、
「グレーだから出してみる」ではないこと。
後からの是正は、非常にリスクが高い分野です。
4|照度測定(10ルクス問題)は書類より重要
深夜酒類提供・風俗営業のどちらでも、
必ず問題になるのが照度です。
照度とは
簡単に言うと、
店内の明るさです。
- 深夜酒類提供:一定の明るさが必要
- 風俗営業:基準(例:5ルクス・10ルクス等)が明確
※地域・業態により運用は異なります。
行政書士が行う具体業務
- 照明配置の確認
- 現地での照度測定
- 基準未達の場合の改善提案
- 測定結果を踏まえた行政協議
👉 「内装が完成してから測る」のは最悪のパターンです。
5|店舗構造要件のチェックは“設計前”が勝負
深夜酒類提供・風俗営業では、
店舗の構造要件が非常に重要です。
チェックされるポイント例
- 客室の区画
- 見通しの確保
- 出入口の位置
- トイレの配置
- 従業員控室の有無
行政書士が行う具体業務
- 図面段階での構造チェック
- NG構造の洗い出し
- 設計変更の提案
- 警察基準に沿った修正
👉 工事後に指摘されると、やり直しになる可能性があります。
6|営業方法・接客内容を「言語化」する仕事
実務で非常に重要なのが、
営業方法・接客内容を言葉にする作業です。
- 何をする店なのか
- 何をしない店なのか
- どこまでがOKで、どこからNGか
これを整理しないまま申請すると、
- 実地調査で説明できない
- 管理が曖昧になる
- 後から「違反」と言われる
といった事態につながります。
7|管轄警察署との事前協議は“調整業務”
深夜営業・風俗営業の許認可では、
警察署との事前協議が極めて重要です。
行政書士が行う具体業務
- 計画内容を整理した上で相談
- 懸念点の事前把握
- 行政側の見解確認
- 修正点のすり合わせ
👉 ここでの調整が、
許可の可否・スムーズさを左右します。
8|実地調査の立会いは「最後の山場」
申請・届出後には、
警察による実地調査が行われます。
行政書士の役割
- 当日の立会い
- 図面と現況の照合
- 指摘事項への即時対応
- 事業者へのフォロー説明
👉 実地調査は
“その場対応”ができるかどうかで結果が変わる場面です。
まとめ|深夜営業の許認可は「営業形態設計」が9割
- 深夜酒類提供か、風俗営業か
- 照度・構造は後から直せない
- 営業方法は曖昧にできない
- 警察対応は準備がすべて
深夜営業・お酒中心営業における行政書士の仕事は、
❌ どの許可を取るか決める
⭕ どの営業形態として成立させるかを設計する
ここにあります。
【深夜営業・風俗営業許可のご相談はこちら】
- 0時以降も営業したい
- 深夜酒類提供で足りるか不安
- 風俗営業に該当するか判断できない
- 内装工事前に確認したい
―― その段階こそ、最も重要です。
行政書士高見裕樹事務所
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