居抜き物件の“落とし穴”|前の店の構造でも風俗営業許可は取れない理由
【石川県の審査傾向に基づく実務ガイド】**
■ はじめに|「居抜きなら楽」は完全な誤解です
スナック・バー・クラブの開業相談で最も多いのが、
「前の店がスナックだったから、そのまま風営が通ると思った」
という誤解です。
しかし、あなたも数多くの現場で経験してきたように、
“居抜き物件はむしろ難しい” が正解です。
石川県(金沢市・野々市市)の風俗営業許可では、
居抜きのまま使えるケースはむしろ 少数派 です。
この記事では、
- なぜ居抜きが難しいのか
- どこが落とし穴になるのか
- どの部分をチェックすべきか
- 石川県の審査傾向(※推定)
を初心者にもわかりやすく解説します。
■ 1|なぜ居抜き物件は“通らない”のか?
→ 理由は「図面」「構造」「経年劣化」の3つ
居抜きとは、前テナントの造作・設備がそのまま残っている状態。
一見すると「工事費が浮いてラッキー」に見えますが、
風営許可では正反対です。
居抜きが通らない主な理由はこの3つ👇
✔(1)前テナントの構造が“現行基準に合わない”
前のお店が風営を持っていたとしても、
昔の基準と今の基準は違います。
- パーテーションが高すぎる
- 客室境界が曖昧
- 死角が多いレイアウト
- 壁位置がズレている
特に 死角 に関しては、
石川県警(※推定)でも「非常に敏感」で、
少しでも見えにくいエリアがあると指導されます。
✔(2)前店が“無許可営業”だったケース
これは実務で非常に多いパターン。
- 看板はスナック
- カラオケもある
- 接待行為もしていた
→ しかし実は風営許可を取っていなかった
石川県内の居抜きでもよくあることで、
「前の店がやっていたから自分もできる」と考えるのは危険。
✔(3)経年で“構造が変わっている”
風営では 図面=現地構造そのもの でなければいけません。
しかし居抜きは…
- 壁を貼り替えていた
- カウンターを延長していた
- 小上がりを潰してフラットにしていた
- 扉が別の位置に移動していた
- 間接照明の配置が変わっている
こうした変更が無申請で行われているケースが多数。
図面と現況が一致しない=風営は通らない
という極めてシンプルな結論になります。
■ 2|居抜き物件で特に“落とされる”5つのポイント
石川県内の実務(※推定)を踏まえ、
よく不適合になる箇所をまとめます。
【1】見通しを妨げるパーテーション
- 高さが120cm以上
- L字・コの字に配置
- 裏側に死角ができる形状
居抜き物件の8割はここでアウトです。
【2】カウンターの奥が暗い・見えない
照明の数値基準は非公開ですが、
視認性が足りないと必ず指摘されます。
- 間接照明だけで暗い
- カウンター奥に影ができる
- スポットライトの向きが悪い
【3】トイレ・通路の構造が複雑
石川県警の調査では、
通路構造・死角・屈曲 に敏感です。
- L字通路
- ストックルームの陰
- 壁の裏側にスペース
- 小部屋のようなゾーン
これらはすべて不適合になり得ます。
【4】前テナントの図面と一致しない間取り
最も多い不備。
- カウンター増設
- 壁の移動
- 小上がりの撤去
- 間接照明の変更
- 天井設備の配置ずれ
図面のどれか一つでも違えば、
図面の全面描き直し → 再申請レベル になります。
【5】カラオケ周りの死角
石川県(金沢市)で非常に多いのがこれ。
- スピーカーの影
- カラオケ本体の裏
- ステージ横
- スクリーン裏
風営では「徹底して死角排除」が求められるため、
カラオケ機材をそのまま使うとほぼ修正が必要になります。
■ 3|“居抜きだから安い”は大間違い
→ むしろ施工費用が上がることも
よくある誤解:
「居抜きならお金がかからない」
しかし実務では逆のケースが多いです。
なぜなら──
「前店の造り」=風営基準に合っているとは限らない
から。
❌ よくある施工トラブル
- パーテーション撤去が必要
- カウンター形状の改修
- 扉位置の移設
- 照明設備の追加
- 壁・天井の張り替え
- 電気工事が必要
これだけで数十万円〜数百万円になることがあります。
■ 4|石川県での審査傾向(推定ベース)
あなたの事務所の実務経験からまとめると、
石川県(金沢市)では次の傾向があります。
✔ 見通し要件は“全国平均より厳しめ”(推定)
✔ 通路・屈曲・小部屋構造に敏感
✔ カラオケ機材の周囲の死角に指摘が多い
✔ 照度の“均一性”が重要
✔ 図面を細かくチェックする(修正指示が多い)
(※正式な基準は非公開のため、あくまで経験則=推定)
■ 5|居抜き物件で許可を通すための“チェックリスト”
あなたの事務所基準で、
現場調査の際に必ず確認すべきポイントをまとめました。
📝 【チェック項目】
□ 店内全体が一見して見渡せるか
□ パーテーションの高さ/配置に死角はないか
□ カウンターの奥が暗くないか
□ 間接照明だけで影ができていないか
□ カラオケ周りで影ができていないか
□ 通路・トイレ前に死角がないか
□ 扉を閉めた時に視認性は確保されるか
□ 図面と構造が一致しているか
□ 電気・照明設備の追加が必要か
□ 構造変更が必要な箇所を明確化したか
■ 6|まとめ
居抜きは“使える部分”と“直すべき部分”を見極めれば通る
結論として、
居抜き物件は決して悪くありません。
ただし、
- 構造
- 照明
- 見通し
- 図面一致
この4つが現行基準に合っていないと、
必ずどこかで修正が必要になります。
👤 前の店が問題なく営業していたから大丈夫
→ この考えが一番危険。
風営許可は「現場の今の構造」で判断されます。
■ 風俗営業許可でお困りの方へ
(現地調査・図面作成・行政対応まで全部対応)
石川県で風俗営業(1号〜5号)・深夜酒類提供を検討中の方は、
ぜひ一度ご相談ください。
- 居抜き物件の現地チェック
- 図面作成
- 警察との事前協議
- どの許可が最適かの判断
- 構造改善のアドバイス
風営の「落とし穴」を避ける一番の近道は、
最初に現場を正しく見て、構造と図面を整えることです。
■ 行政書士高見裕樹事務所
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