“個室があるだけ”で風営法対象に?|第3号営業(区画飲食店)の注意点
1.個室・仕切りのある飲食店が「風営法」の対象になる理由
「個室居酒屋をつくりたい」
「仕切りで落ち着いた雰囲気にしたい」
──そんな店舗づくりが、風営法上の“第3号営業(区画飲食店営業)”に該当することがあります。
風営法では、
“区画された客室で客に飲食をさせる営業”
を「第3号営業」として公安委員会の許可が必要と定めています。
つまり、店内に完全個室や外から見えない区画があると、
それだけで風俗営業の対象になる可能性があるということです。
感染症対策やプライバシー確保のために個室化が進む一方で、
構造次第では「区画飲食店営業」として規制されるケースが急増しています。
2.第3号営業(区画飲食店)とは
法律上は、以下のように定義されています。
“区画された客室で客に飲食をさせる営業(接待を伴わないものを除く)”
接待の有無にかかわらず、構造そのものが審査対象となるため、
店舗デザインの段階から行政書士・建築士によるチェックが重要です。
3.どんな構造が「区画」とみなされるのか
区画かどうかの判断は、「視認性」と「仕切りの構造」で決まります。
🔸 区画とみなされる例
- 天井まで届く壁で囲まれた個室
- 外から中の様子が見えない完全個室
- 厚いパネルで密閉されたVIPルーム
- 一部にドアやカーテンがある部屋
🔹 区画とみなされない例
- 胸の高さ程度のパーテーション
- 上部が空いており外から見通せる仕切り
- 格子・すりガラスなどで視認性が確保されている構造
「天井まで届かない」「出入口が常時開放」など、
外から内部の状況を確認できることが基準の一つです。
4.行政が重視する3つの判断ポイント
行政書士高見裕樹事務所では、各警察署の審査傾向を踏まえ、
以下の3点を重点的にチェックしています。
(1)仕切りの高さ
おおむね1.8メートルを超えると「区画」と判断されやすくなります。
視認性が確保できない場合、申請または構造変更が必要です。
(2)出入口の位置
ドア付きの完全個室は基本的に第3号営業の対象。
カーテンやロールスクリーンでも、外から見えない構造は“区画扱い”になります。
(3)視認性の確保
警察は「客室内の状況が従業員から見えるか」を重視します。
ガラス・格子・開放型の間仕切りなど、
中が見える工夫を設計段階で盛り込むことが大切です。
5.用途地域の制限
第3号営業(区画飲食店営業)も、第1号・第2号と同様に、
用途地域による営業制限があります。
| 用途地域 | 営業可否 |
|---|---|
| 商業地域 | ○(可) |
| 近隣商業地域 | ○(可) |
| 準工業地域 | △(要確認) |
| 住居系地域 | ×(不可) |
住居地域では原則として営業できません。
物件契約の前に、都市計画図・用途地域の確認を必ず行いましょう。
6.第3号営業と他業種との違い
| 区分 | 特徴 | 許可/届出 | 営業時間 |
|---|---|---|---|
| 第1号営業 | 接待を伴うクラブ・キャバクラ | 許可 | 深夜不可 |
| 第2号営業 | 暗い照明のバー・スナック | 許可 | 深夜不可 |
| 第3号営業 | 区画された個室飲食店 | 許可 | 深夜不可 |
| 深夜酒類提供 | 深夜にお酒を提供 | 届出 | 深夜可(遊興不可) |
個室構造+深夜営業の店舗は「併用申請(許可+届出)」が必要になる場合もあります。
7.申請に必要な主な書類
- 許可申請書
- 営業の方法書
- 営業所平面図・求積図
- 各部屋の用途を示す図面
- 照度測定表(必要に応じて)
- 登記簿謄本・使用承諾書
- 管理者選任届
- 誓約書・身分証明書
図面には、壁の高さ・出入口・視認部分の明示が求められます。
行政書士高見裕樹事務所では、警察仕様のCAD図面を作成し、
審査時の修正指摘を最小限に抑えます。
8.許可取得までの流れ
- 現地調査・構造確認
→ 行政書士が仕切り・壁・視認性を確認 - 用途地域の確認
→ 営業可能エリアかを判断 - 警察との事前協議
→ 図面・構造をもとに事前相談 - 申請書類作成・提出
→ 書類・図面を整備し警察署へ提出 - 実地調査・立会い
→ 行政書士が立会い、現場確認対応 - 公安委員会の審査・許可交付
一般的な審査期間は約55日前後。
設計段階から相談しておくと、開業スケジュールをスムーズに進められます。
9.よくある誤解とトラブル
Q1. 接待をしない個室なら風営法と無関係?
A. 接待がなくても、構造が「区画」とみなされれば対象になります。
Q2. カーテンやブラインドで仕切る程度なら大丈夫?
A. 外から見えない構造は“区画扱い”。審査で指摘を受けることがあります。
Q3. 以前営業していた居抜き物件ならそのまま使える?
A. 許可内容と現況が異なれば再申請が必要です。契約前に構造確認を行いましょう。
10.行政書士高見裕樹事務所ができること
● 設計段階でのアドバイス
店舗レイアウトを見て、「どこまで仕切れるか」「どうすれば視認性を確保できるか」を提案します。
● 図面・構造書類の作成
建築士と連携し、CADで警察仕様の図面を作成。壁の高さ・ガラスの範囲・視線経路を明確に表示します。
● 事前相談・現地立会い
警察署での打合せ・実地調査に行政書士が同行し、現場対応を行います。
● 不動産・リフォームも一括対応
「ふちどり不動産」「Kプランニング」と連携し、物件探し・改装・防火改修までワンストップ対応が可能です。
11.まとめ|“個室”は便利でも、構造で風営法対象に
- 天井まで届く個室や外から見えない構造は風営法の対象
- 第3号営業は構造そのものが審査のポイント
- 設計段階から行政書士に相談することで、トラブルを防げる
- 用途地域・構造・照度を確認してから物件契約を
行政書士高見裕樹事務所では、
図面作成・構造確認・警察協議・立会いまで一括対応。
金沢市を中心に、石川・富山・福井全域で第3号営業の申請を多数サポートしています。
📍事務所情報
行政書士高見裕樹事務所
〒921-8147 石川県金沢市額谷3丁目2番地 和峰ビル1階北
電話:076-203-9314
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風営法に関する申請は、業種・構造・地域によって判断が異なります。
行政書士高見裕樹事務所では、金沢市を中心に石川・富山・福井全域で、
風俗営業・特定遊興飲食店・深夜酒類提供などあらゆる許可申請をサポートしています。
警察との事前相談、図面作成、照度測定、現地立会いまでワンストップ対応。
開業前のご相談は無料です。
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