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専任宅建士の確保がカギ|宅建業免許申請で必要な資格者配置ルール

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専任宅建士の確保がカギ|免許申請で必要な資格者配置のルール

― 雇用契約・常勤性・ダブルワークの注意点を徹底解説 ―

1.はじめに|宅建業免許の“最大の関門”は「専任宅建士の確保」

宅建業免許の申請では、「事務所の所在地」「代表者の欠格要件」「財産要件」など、いくつかの審査ポイントがあります。
その中でも最も厳しく確認されるのが、専任の宅地建物取引士(以下「専任宅建士」)の配置要件です。

この専任宅建士が適正に配置されていないと、

「書類が揃っているのに審査が止まる」
「許可まで1か月以上遅れた」
というケースが少なくありません。

実際、石川県内の審査でも専任宅建士の要件確認で差し戻しとなるケースは多く、実務上もっとも見落とされやすい部分です。


2.そもそも「専任宅建士」とは?

宅建業を営むには、営業所ごとに1名以上の「専任宅建士」を置くことが法律で義務付けられています。

宅地建物取引業法第31条の3では、次のように定められています。

「宅地建物取引業者は、事務所ごとに専任の取引士を置かなければならない」

つまり、免許を取る前提として、宅建士資格を持つ者を常勤で配置していることが必須です。


3.「専任」の意味:常勤かつ専らその事務所に勤務

「専任」とは、単に宅建士の資格を持っているだけでは足りません。

法律上の「専任」とは、

「常勤性」と「専従性」の2つを満たしていること
を意味します。

要件内容
常勤性その事務所に日常的に勤務し、他に本業を持たないこと
専従性その事務所の宅建業務に専ら従事していること

この2つを証明できなければ、免許は下りません。


4.専任宅建士の要件を満たす人とは?

宅建士証を持っていても、全員が「専任宅建士」になれるわけではありません。
次のいずれかの立場で、その事務所に常勤していることが必要です。

立場条件
① 事業主本人(個人事業)本人が資格を持っていれば可
② 法人の役員登記簿上の取締役等で、実際に業務を行っている
③ 従業員雇用契約に基づき、常勤勤務している

5.雇用契約書の提出が求められる理由

従業員を専任宅建士とする場合、雇用契約書の提出が原則必要です。
行政庁は「形式上の配置」ではなく、「実際に雇用関係があるか」を厳格に確認します。

🔸確認されるポイント

  • 雇用契約期間の明示(無期または1年以上)
  • 勤務地が当該営業所であること
  • 雇用形態(正社員・契約社員)が常勤であること

社会保険の加入状況や源泉徴収票などで、常勤性を裏付けるよう求められることもあります。


6.常勤性の判断基準

常勤性とは、「勤務実態があるかどうか」を基準に判断されます。

✅ 常勤と認められるケース

  • 平日に毎日その事務所で業務を行っている
  • 他の職業に就いていない
  • 通勤可能な距離に居住している

❌ 常勤と認められないケース

  • 他社でフルタイム勤務中
  • 他県に居住し、通勤が非現実的
  • 名義貸し目的で籍を置いているだけ

行政庁は、電話確認や在籍証明書の提出を求めることがあります。


7.ダブルワークは禁止!「兼業宅建士」は認められない

宅建業の専任宅建士は、他の不動産会社で働くことは一切できません。
他社に籍を置いた時点で「専任性がない」とみなされます。

たとえ勤務時間が異なっていても、
「A社で平日勤務、B社で休日のみ勤務」といった形は不可です。

行政庁は、社会保険加入記録などから勤務先を照会することがあり、
ダブルワークが発覚すれば免許申請が取り下げになるケースもあります。


8.非常勤役員も「専任宅建士」にはなれない

法人の場合、役員を専任宅建士に充てることは可能ですが、
その役員が他社にも役員として在籍している場合は認められません。

つまり、

「非常勤取締役」や「兼任役員」は専任宅建士になれない
ということです。

実務では、同族会社の代表者が複数社を兼任していることも多いため、
この点で誤解が生じやすい部分です。


9.専任宅建士の登録証・宅建士証の提出

免許申請時には、以下の証明書類が必要です。

書類備考
宅地建物取引士証の写し有効期限内であること
登録証(登録番号記載)宅建士証とセットで提出
雇用契約書または役員証明書在籍・常勤の証明

宅建士証の更新手続きが遅れている場合は、免許申請が保留になります。
更新講習を未受講のまま提出しても認められません。


10.専任宅建士が退職・異動したときの対応

専任宅建士が退職・異動した場合は、30日以内に新たな宅建士を補充しなければなりません。

補充できない場合は、次のような措置が取られます。

状況結果
30日以内に補充問題なし
30日を超過行政指導・報告命令
長期間未補充営業停止命令または免許取消の可能性あり

石川県では「専任者変更届」の提出が義務づけられており、変更後速やかに提出する必要があります。


11.「名義貸し宅建士」は絶対NG!

宅建士資格者の中には、「名前だけ貸してあげる」という軽い感覚で登録を手伝う人もいますが、
これは**宅建業法第68条(罰則)**により、1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象です。

名義貸しが発覚すれば、

  • 免許人(会社)も行政処分
  • 宅建士本人も登録取消
    という重い処分になります。

12.専任宅建士の「常勤性」を裏付ける実務書類

審査官が最も重視するのは、“常勤性の裏付け資料”です。
以下の書類を整えておくと、スムーズに審査が進みます。

書類内容
雇用契約書勤務地・業務内容・契約期間を明記
給与明細または源泉徴収票常勤勤務の実績を証明
社会保険加入証明他社兼務がないことを裏付け
住民票通勤可能範囲の確認

これらをあらかじめ行政書士がチェックすることで、
申請後の差し戻しリスクをゼロに近づけることができます。


13.法人設立と同時申請の場合の注意点

会社設立と同時に宅建業免許を申請する場合は、
「設立登記日」と「専任宅建士の雇用開始日」が整合していなければなりません。

設立前に雇用契約を結んでも、
法人格が存在しないため無効とされるケースもあります。

そのため、

  • 会社設立登記完了後に雇用契約日を設定
  • 免許申請書の添付資料に登記簿謄本を添付
    という順序を守る必要があります。

14.石川県内での審査実務の特徴

石川県(金沢市を含む)の宅建業免許審査では、
専任宅建士の常勤性チェックが特に厳格です。

  • 兼業禁止を徹底確認
  • 勤務地と居住地の距離確認
  • 雇用証明の提出指導

また、富山県・福井県との兼務や遠隔勤務は原則認められません。
支店が複数ある場合は、それぞれに専任者を置く必要があります。


15.行政書士に依頼するメリット

メリット内容
✅ 専任宅建士の配置確認資格・勤務実態を事前に確認
✅ 書類整備雇用契約書・証明書を審査仕様に整備
✅ 審査対応県庁からの追加資料要請に即応
✅ 同時進行サポート法人設立+宅建業免許を並行申請可能
✅ 他士業連携登記・税務・保険契約までワンストップ対応

16.専任宅建士の要件チェックリスト(無料相談時に確認)

チェック項目○/×
宅建士証の有効期限は切れていないか
他社で勤務・登記されていないか
雇用契約書の勤務先住所は免許申請先と同じか
社会保険に加入しているか
給与・報酬の支払い実績があるか

これらを事前に確認しておくことで、
免許申請時に差し戻しを受けるリスクを回避できます。


17.まとめ|専任宅建士の配置が「免許の合否」を左右する

宅建業免許の取得において、専任宅建士の確保は避けて通れません。
一見簡単に見えても、常勤性や契約証明の不備でストップするケースが非常に多いです。

✅ 名義貸しは厳禁
✅ 雇用契約は必須
✅ ダブルワークは不可
✅ 登記・契約日も整合させる

これらを押さえることで、スムーズな免許取得につながります。


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