会社設立と同時に建設業許可を取る|法人化のタイミングを逃さない方法
― 「設立してから考える」では遅い!行政書士が教える最短ルート ―
1.はじめに|「会社を作ってから許可を取る」は遠回り
「個人事業で続けてきたが、そろそろ法人化したい」
「会社を設立して建設業許可も一緒に取りたい」
このような相談が非常に増えています。
しかし実際には、
「会社を先に設立してしまい、定款内容が要件に合わず再登記になった」
「許可の要件(専任技術者・経営業務管理責任者)を満たしておらず、数か月遅れた」
といった“もったいないミス”が非常に多いのが現実です。
建設業許可は、会社設立と密接に関係する許可制度。
設立前に許可の条件を踏まえておかないと、後から修正に時間もコストもかかります。
この記事では、会社設立と建設業許可を同時に進めるための実務的な流れと、
行政書士がどのようにサポートできるかを解説します。
2.建設業許可と法人設立の関係
まず前提として、建設業許可は「会社になれば自動で取れる」ものではありません。
許可には、法人の内容と役員構成が密接に関係しています。
| 主要な要件 | 内容 | 会社設立との関係 |
|---|---|---|
| 経営業務管理責任者 | 建設業の経営経験がある人 | 役員(取締役など)として登記される必要あり |
| 専任技術者 | 資格・実務経験を持つ人 | 雇用契約・在籍確認が必要 |
| 資本金500万円以上(一般) | 財務基盤要件 | 設立時の資本金額で判断される |
| 営業所 | 独立した事務所が必要 | 会社登記の本店所在地と一致することが望ましい |
つまり、会社設立時点で「許可要件を満たすように設計」しなければなりません。
ここを知らずに設立だけ先行すると、あとから再登記・定款変更が必要になり、
最悪の場合、許可申請が半年以上遅れることもあります。
3.“同時申請”の流れを押さえる
ステップ①:事前ヒアリング
行政書士が経営経験・技術者・資金計画を確認。
この段階で「どの業種(建築・土木・電気など)」で許可が取れるかを診断します。
ステップ②:会社設立書類の作成
定款・登記申請書を作成。
定款の目的欄に建設業関連の文言(例:「建築工事業、土木工事業、内装仕上工事業」など)を必ず入れます。
ステップ③:法人設立登記
司法書士と連携し、登記を完了。
登記簿謄本・印鑑証明書が建設業許可申請の添付書類になります。
ステップ④:建設業許可申請
登記後すぐに申請書類を作成し、県庁へ提出。
石川県の場合、審査期間はおおむね30~45日程度。
この「設立登記 → 申請 → 許可取得」の流れをスムーズにするには、
会社設立前から行政書士が全体を設計しておくことが重要です。
4.許可と設立を同時に進めるメリット
① 許可取得までの時間を短縮できる
個人廃業→法人設立→許可申請を別々にやると、最低3~4か月はかかります。
同時進行なら最短2か月程度で営業可能。
② 設立書類・許可書類を一貫して作成できる
定款・登記簿・役員構成・資格証明などを一度に整理でき、整合性が取れる。
③ 無駄な修正・再登記を防げる
設立後に「目的欄が足りない」「役員構成が要件を満たしていない」といった手戻りを防止。
④ 金融機関・取引先からの信頼が上がる
法人+許可のダブル取得により、契約・入札・融資で有利になります。
5.よくある“失敗例”とその回避法
| 失敗例 | 問題点 | 行政書士の回避策 |
|---|---|---|
| 定款に建設業が書かれていない | 許可対象外となり再登記 | 許可対象業種を明記して設立 |
| 経営業務管理責任者が役員でない | 要件不充足 | 登記前に役員構成を見直し |
| 専任技術者が兼務 | 常勤要件を満たさず不受理 | 雇用契約・社会保険加入で証明 |
| 資本金が足りない | 財務要件不達 | 設立前に出資額を調整 |
| 営業所が自宅 | 独立性が不足 | 事務所要件を満たす物件を確保 |
こうした“落とし穴”を避けるには、会社設立前から許可を見越した設計が必要です。
6.行政書士がサポートできる内容
行政書士高見裕樹事務所では、設立から許可取得までのすべてを一括対応しています。
✅ サポート内容一覧
- 建設業許可要件の事前診断
- 会社設立手続(定款作成・目的設計)
- 司法書士連携による登記サポート
- 経営業務管理責任者・専任技術者の確認
- 申請書類作成・証明書類収集代行
- 県庁との事前相談・審査対応
- 法人印鑑・会社ロゴ・名刺など開業支援
「どの順番で何をすればいいのか分からない」という方でも、
最初の面談で全体の流れを明確にし、確実に許可まで導きます。
7.実際の事例紹介
事例①:個人事業から法人化(内装工事業)
- 個人事業で5年実績あり
- 経営業務管理責任者=代表者本人
- 専任技術者=同代表者(職歴証明)
→ 定款設計から許可申請まで約2か月で完了。
コメント:
「個人事業の実績を活かせる形で法人化できた。銀行融資もスムーズに通った。」
事例②:新規法人設立(電気工事業)
- 社長は異業種出身、技術者は雇用予定社員
- 設立前に行政書士が要件チェックし、採用段階で資格を確認
→ 設立直後に許可申請し、45日で取得。
コメント:
「設立と同時に許可が出たので、工事受注を逃さず済んだ。」
事例③:法人化+業種追加
- 法人化を機に内装→解体工事業を追加申請
→ 経営経験証明を丁寧に整理し、初回申請から1.5か月で許可取得。
コメント:
「追加業種も見据えた設立をしてもらえた。最初から相談して良かった。」
8.スケジュール感(法人設立+許可同時進行)
| 工程 | 期間 | 担当 |
|---|---|---|
| ヒアリング・要件確認 | 1週間 | 行政書士 |
| 定款作成・認証 | 1週間 | 行政書士+公証人 |
| 登記完了・法人印作成 | 1週間 | 司法書士 |
| 建設業許可申請書作成 | 2週間 | 行政書士 |
| 審査・許可通知 | 約1~1.5か月 | 石川県知事許可の場合 |
全体で約2か月半~3か月で「設立+許可」が完了します。
個人廃業→新法人→許可の順でもスムーズに移行可能です。
9.費用の目安
| サポート内容 | 行政書士報酬(税別) | 備考 |
|---|---|---|
| 建設業許可申請(一般) | 120,000円~ | 新規申請・石川県知事許可 |
| 法人設立サポート | 66,000円~ | 定款作成・目的設計含む |
| 同時申請パッケージ | 165,000円~ | 設立+許可一括対応 |
| 定款認証・登録免許税等実費 | 約220,000円 | 証紙・公証人手数料等 |
※内容により個別見積もり可能
※業種追加・経審対応・決算変更届も継続支援可
10.よくある質問Q&A
Q1. 個人事業で実績があれば法人でも許可が取れますか?
→ 取れます。経営業務管理責任者の要件として、個人時代の実績が評価されます。
Q2. 設立後に許可を申請するとどれくらいかかりますか?
→ 書類準備を含めて約1.5〜2か月。法人設立と同時進行で短縮可能です。
Q3. 資本金が500万円未満ですが大丈夫ですか?
→ 取引実績・預金残高などで実質的な財務基盤を証明できる場合もあります。
Q4. 許可が出るまで工事を受注できますか?
→ 許可前の請負契約はできません。申請時期の調整が重要です。
11.まとめ|「設立」と「許可」は同時が最も効率的
法人化と建設業許可は、どちらも経営者としてのスタートライン。
しかし、順番を間違えると半年単位で遅れることもあります。
- 定款内容
- 役員構成
- 技術者の在籍証明
- 資本金の設定
これらを一括で設計することが、最短で開業するための鍵です。
行政書士高見裕樹事務所では、
**「法人設立 × 許認可 × 開業支援」**を一体化したサポート体制で、
石川県を中心に多数の事業者を支援しています。
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