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用途地域と物件探し|北陸三県で宿泊施設ができる土地・できない土地を徹底解説

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用途地域と物件探し

北陸三県で宿泊施設ができる土地・できない土地を徹底解説

旅館業や民泊の許可が取れない最大の理由――
それは「場所がそもそも宿泊用途に向いていなかった」というケースです。

「建物はきれいにリフォームしたのに、用途地域がNGだった」
「隣家から苦情が入り、営業できなくなった」

こうした失敗は、すべて“場所選び”の段階で防げます。

北陸三県(石川・富山・福井)では、観光地と住宅地が入り組んでおり、
どの地域が宿泊業に適しているかを正確に把握することが重要です。


1.用途地域とは?

まずは基本から。

「用途地域」とは、都市計画法に基づき、
建物の建て方や使い方を制限する区域のことです。

市街化区域内の土地は、次の13種類の用途地域のいずれかに指定されています。

区分宿泊施設の可否
第一種低層住居専用地域× 不可
第二種低層住居専用地域× 不可
第一種中高層住居専用地域× 不可
第二種中高層住居専用地域△ 条件付き
第一種住居地域△ 条件付き(用途変更要)
第二種住居地域○ 可
準住居地域○ 可
近隣商業地域○ 可
商業地域◎ 推奨
準工業地域○ 可
工業地域× 不可
工業専用地域× 不可

2.宿泊業に向く地域・向かない地域

🟢 宿泊業に向いている地域

  • 商業地域・近隣商業地域:ホテル・旅館・簡易宿泊所の立地が集中。
  • 準住居地域・準工業地域:主要道路沿いや観光動線近くで許可が下りやすい。

🔴 宿泊業に不向きな地域

  • 低層住居専用地域:一戸建て専用の静かな住宅地。民泊・旅館ともに不可。
  • 工業地域・工業専用地域:宿泊業が「非日常業務」と判断され、不可。

3.「旅館業法」×「都市計画法」=二重チェックが必要

旅館業許可は「建物の内部基準(旅館業法)」で判断されますが、
用途地域が合わないと、そもそも申請を受け付けてもらえません。

行政の審査フローは以下のようになります。

1️⃣ 用途地域(都市計画法) → 該当地域で宿泊施設が可能か
2️⃣ 構造基準(旅館業法) → 客室・換気・面積などを確認
3️⃣ 消防法(消防法令適合) → 火災警報器・避難経路・誘導灯設置

つまり、「旅館業法の基準を満たしていても、都市計画法でNGなら不許可」なのです。


4.金沢市の実例で見る「用途地域の壁」

金沢市は、用途地域による宿泊業制限が最も明確なエリアです。

地域備考
東山・主計町・ひがし茶屋街周辺商業地域(宿泊可)だが景観条例が厳格。外観制限あり。
野町・寺町第二種住居地域。宿泊可だが駐車場確保が必要。
泉野・田上第一種住居地域。基本的に旅館業不可。
駅西地区準工業地域で宿泊可。新築ホテルが多い。

特に東山地区では、**看板掲示義務(約2か月)**があり、
地元説明や近隣理解も求められるケースがあります。


5.富山市・高岡市の傾向

地域特徴
富山市中心部(総曲輪・桜町)商業地域。ホテル・簡易宿泊所が集中。
富山市郊外(婦中・呉羽)第二種住居地域。宿泊可だが道路幅員に注意。
高岡市旧市街準住居・商業地域混在。用途変更申請を求められる場合あり。

富山県では、「駐車場の有無」が指導の対象になりやすい傾向があります。
車社会のため、宿泊施設には1室につき1台分の駐車スペースを確保するのが理想です。


6.福井市・あわら市の傾向

地域特徴
福井駅前商業地域。ホテル・旅館が立地しやすい。
あわら温泉エリア旅館営業向け。古民家改装も積極的に支援。
住宅地(文京・社北)第一種住居地域。民泊・簡易宿泊所は原則不可。

福井県では、観光エリアと住宅地の線引きが明確です。
「住宅街の空き家を宿にしたい」場合は、民泊届出が現実的な選択肢になります。


7.用途地域の調べ方

✅ 自治体の都市計画情報サイトを活用

サイト名URL
石川県石川県都市計画情報提供サービスhttps://www.pref.ishikawa.lg.jp/
富山県とやま都市計画情報マップhttps://www.pref.toyama.jp/
福井県ふくい都市計画情報システムhttps://www.pref.fukui.lg.jp/

住所または地番を入力するだけで、
「商業地域」「住居地域」などの区分を確認できます。

行政書士に依頼すれば、「用途地域証明書」を都市計画課で正式に取得できます。


8.「建物用途変更」が必要な場合も

住宅を宿泊施設に変える場合は、
建築基準法上の「用途変更申請」が必要なことがあります。

改装規模必要手続き対応先
延床200㎡未満不要(旅館業申請のみ)保健所
延床200㎡以上用途変更申請必要建築指導課+消防署

200㎡を超える物件では、
建築士の設計図面・構造計算書を添付して提出します。


9.立地選びのチェックリスト

宿泊業の物件探しでは、以下のポイントを必ず確認しましょう。

チェック項目内容
用途地域商業・準住居・準工業か?
前面道路4m以上あるか?(消防車進入可)
駐車場宿泊者・管理者用を確保できるか?
隣接地との距離窓・非常口が近隣と干渉していないか?
建物構造木造でも耐火・避難経路が確保できるか?

これらのうち、1つでも欠けると申請不可になる場合があります。


10.物件探しを行政書士に相談するメリット

物件探しの段階で行政書士に相談すると、次のメリットがあります。

  • 用途地域を事前に調査できる
  • 消防・保健所・建築指導課の意見を反映した上で改装計画を立てられる
  • 無駄な契約(買ってからNG)は防げる

行政書士高見裕樹事務所では、
不動産会社「ふちどり不動産」と連携し、
「宿泊業ができる物件だけ」を選定してご提案できます。


11.旅館業と民泊の選択基準

条件おすすめ制度
年間通じて営業したい旅館業許可(簡易宿泊所)
住宅地で副業的に運営したい民泊(住宅宿泊事業法)
空き家を再生したい旅館業許可+補助金活用
アパートの1室を貸したい旅館業許可(小規模対応)

「用途地域が宿泊業不可」でも、
**民泊(住宅宿泊事業)**なら運営できる場合があります。


12.北陸三県での物件傾向

地域特徴
金沢市中心部町家・古民家宿が多く、商業地域中心。観光需要◎。
白山市・能美市準住居地域で一棟貸し物件が多い。駐車場付き。
富山市中心部ホテル集中。準工業地域も宿泊可。
高岡・射水古い住宅街が多く、用途地域の確認が必須。
福井市駅前宿泊業に積極的。商業地域に集中。

13.失敗しないためのステップ

1️⃣ 立地調査(用途地域・道路・隣地距離)
2️⃣ 消防・保健所への事前相談
3️⃣ 改装計画・見積もり
4️⃣ 旅館業または民泊申請

“順番を間違えると”無駄な改装費が発生します。
最初の一歩は、「この土地で宿ができるか」を確認することです。


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行政書士高見裕樹事務所
北陸三県対応|不動産 × 許認可 × リフォーム

📍所在地:石川県金沢市
📞 電話:076-203-9314
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「用途地域の確認からお願いしたい」
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