
イベント出店で必要?|道路使用許可と占用許可の違い
1. はじめに
近年、地域活性化の一環として「マルシェ」「フードフェス」「歩行者天国イベント」「お祭り」など、道路や歩道を活用したイベントが増えています。
しかし、いざ道路を会場として利用する場合、主催者が最初に直面するのが 「許可は必要なのか?」 という問題です。
実は、道路を利用する場合には大きく分けて
- 道路使用許可(警察署に申請)
- 道路占用許可(道路管理者に申請)
の2種類が関わります。
この違いを理解せずにイベントを進めると、開催直前に中止命令を受けるリスクすらあります。
この記事では、道路を使ったイベントを企画している方向けに、道路使用許可と道路占用許可の違い、手続きの流れ、石川県での事例を紹介します。
2. 道路使用許可と道路占用許可の違い
2-1. 道路使用許可とは
道路交通法に基づき、道路を「通常と異なる方法」で使用するときに必要な許可です。
例:
- 道路上での祭りやイベント
- マラソン大会やパレード
- 道路上での出店
申請先:警察署(管轄の交通課)
2-2. 道路占用許可とは
道路法に基づき、道路上に施設や物件を設置するときに必要な許可です。
例:
- テント、屋台、ステージの設置
- 電気配線、仮設トイレの設置
申請先:道路管理者(国道=国交省、県道=県、市道=市町村)
2-3. 両方必要な場合も多い
例えば「歩道に屋台を並べてフードフェスを行う」場合:
- 人の往来を妨げる → 道路使用許可
- テントや机を設置する → 道路占用許可
となり、両方の申請が必要です。
3. 歩道や道路を使うときのルール
3-1. 歩行者の安全確保
- 歩道幅の一定部分を必ず確保すること
- 通行人が立ち止まらずに通れるよう配慮
3-2. 車両通行への配慮
- 車道を利用する場合は交通規制を伴う
- 交通整理員の配置が求められることもある
3-3. 周辺住民・店舗への影響
- 騒音やゴミ問題に注意
- 近隣住民への事前周知が必須
4. 警察署への申請手続き(道路使用許可)
4-1. 提出先
イベント会場を管轄する警察署の交通課。
4-2. 必要書類
- 道路使用許可申請書
- 案内図(会場周辺の地図)
- 配置図(出店や通路のレイアウト図)
- イベント概要書
- 主催者の身分証明書
4-3. 提出期限
イベントの 2週間前まで が目安。
規模が大きい場合はさらに余裕を持つことが望ましい。
4-4. 手数料
石川県の場合:1件につき約2,000円〜2,500円程度。
5. 道路管理者への申請手続き(道路占用許可)
5-1. 提出先
- 国道:国土交通省(金沢河川国道事務所など)
- 県道:石川県土木事務所
- 市道:各市町村役場
5-2. 必要書類
- 道路占用許可申請書
- 配置図・設計図
- 施設の仕様書(テント、ステージなど)
- 使用料算定資料
5-3. 使用料
- 面積や使用日数に応じて算定
- 公益性が高いイベントの場合、減免されることもある
6. 石川県内でのイベント事例
6-1. 金沢市・片町きらら前広場
- 定期的にフードイベントを開催
- 歩道を利用するため、道路占用許可+道路使用許可を取得
- 周辺の通行に配慮し、通路幅を確保
6-2. 金沢マラソン
- 市内全域の道路を一時的に使用
- 道路使用許可に加え、交通規制計画を策定
- 警察・市役所・地元団体が協力して実現
6-3. 地域の夏祭り(白山市)
- 市道を歩行者天国として利用
- 道路占用許可でテントや屋台を設置
- 道路使用許可で交通規制を行い、安全に実施
7. 行政書士に依頼するメリット
7-1. 複数の窓口を一括対応
道路使用は警察、占用は道路管理者。
行政書士に依頼すれば、両方の調整を一括で代行可能。
7-2. 図面や計画書の作成サポート
配置図や概要書は主催者だけでは難しい場合が多い。
行政書士が図面を整えることで、審査がスムーズに進む。
7-3. 開催スケジュールを守れる
許可が下りないとイベント自体が中止になるリスクあり。
専門家が入ることで、必要な書類や手続きを漏れなく進められる。
8. 実例紹介
8-1. 金沢市でのマルシェ開催
- 商店街の歩道を活用
- 警察署への道路使用許可と、市役所への占用許可を申請
- 行政書士が窓口調整を担当し、予定通り開催成功
8-2. 富山市での企業イベント
- 社屋前の市道を使用
- 道路占用許可に加え、警察署と協議し通行止めを実施
- 地域住民へ事前通知を行いトラブル回避
9. まとめ
- 道路を使ったイベントには 道路使用許可(警察) と 道路占用許可(道路管理者) が必要。
- 歩道や車道を利用する際は「歩行者・車両の安全確保」「周辺住民への配慮」が重要。
- 石川県(金沢市など)でもマルシェや祭りの開催事例あり。
- 行政書士に依頼すれば、複雑な手続きや複数窓口の調整をワンストップで支援可能。
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行政書士高見裕樹事務所
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