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「風俗営業許可の落とし穴|図面・設備基準を満たさず差戻しを防ぐ方法」

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“図面が通らない”を防ぐ!|風俗営業許可に必要な構造と設備

はじめに

スナックやラウンジを開業しようとする際、最大の関門のひとつが 「図面」 です。
風俗営業許可の審査では、営業者が提出する図面を基準に「法律や条例に適合しているか」が判断されます。つまり、図面が正しく作成されていなければ、どんなに資金や人材を準備しても、許可は下りません

しかも、図面の誤りや設備基準の見落としは、内装工事が終わった後に発覚することが多く、修正には数十万円〜百万円単位の追加費用が発生するケースもあります。

この記事では、風俗営業許可に必要な 図面と設備基準のポイント を整理し、失敗を防ぐための実務的な知識を解説します。


図面と設備基準が重視される理由

許可審査の中心は「構造・設備の適合性」

風俗営業許可は、営業者の人物要件(欠格事由がないか)と物件要件(構造・立地が基準を満たしているか)の両方で審査されます。
人物要件は比較的シンプルに確認されますが、物件要件は複雑で、図面と設備が基準を満たしているかどうかが合否を分けます。

図面は「お店の設計図」であり「審査の物差し」

警察署に提出する図面は、単なる間取り図ではありません。

  • 客室のレイアウト
  • 出入口の数と幅
  • 非常口の位置
  • 照度分布
  • 見通しを遮る壁やパーテーションの有無

これらが詳細に描かれており、審査官は図面を見て「この店で接待をしても健全に営業できるか」を判断します。


客室の見通し要件(壁・パーテーションの制限)

見通し要件とは?

風俗営業法では、接待を伴う営業を行う客室について「見通しを妨げない構造」であることを求めています。
これは、店舗内で違法な行為が行われないよう監視できる状態を保つためです。

NGになりやすいケース

  • パーテーションの高さが天井まで届いている
  • 個室や半個室を作って視線を遮っている
  • ボックス席を壁で区切りすぎている

基準の目安

  • パーテーションは 床から1.2メートル以下 ならセーフの場合が多い
  • 見通しが確保できる「ガラス仕切り」は条件付きで認められる場合あり
  • 扉付きの個室は基本的にNG

👉 図面段階で「見通し確保」ができているかを明確にすることが大切です。


照度基準(明るさの規定)

照度規定の意味

店内の暗さは、違法行為の温床となるリスクがあるため、法律で照度基準が定められています。石川県の場合も、条例で「客室は10ルクス以上」といった基準が設定されています。

NGになりやすいケース

  • 落ち着いた雰囲気を演出しようと暗めの照明を設置
  • 調光器を使っているが、検査当日に基準値を下回った
  • 電球切れで照度不足と判定

実務のポイント

  • 事前に照度計でルクスを測定しておく
  • 検査直前に全ての電球を新品に交換するのがおすすめ
  • 図面には照明の配置とルクス値を明記しておく

出入口・避難経路の要件

出入口と非常口

風俗営業の店舗には、避難経路が確保されていることが必須です。

  • 出入口は一定幅以上を確保(通常幅80cm以上が目安)
  • 非常口は施錠されておらず、すぐに避難可能であること
  • 避難経路は物置や装飾で塞がれていないこと

NGになりやすいケース

  • 非常口の前に椅子や棚を置いてしまう
  • 非常口が倉庫の奥にあり、すぐに避難できない
  • 出入口が1か所しかなく、避難ルートが限定されている

👉 図面に避難経路を明記し、検査時に確実に通れるよう整備しておきましょう。


図面を誤ると発生するリスク

金銭的損失

  • パーテーションを作り直し → 数十万円
  • 照明の追加工事 → 数十万円
  • 避難経路の改修 → 百万円規模になる場合も

スケジュール遅延

  • 許可審査は「適合図面ありき」で進むため、差戻しは開業時期を1〜2か月遅らせます。

信用リスク

  • オーナーや投資者から「計画性がない」と評価される
  • スタッフ採用のスケジュールも狂う

👉 図面は「お金」「時間」「信用」に直結する重要書類なのです。


実務でよくある失敗例

事例①:パーテーション高すぎ

デザイン重視で180cmのパーテーションを設置 → 「見通し不良」で不合格 → 追加工事で70万円。

事例②:照度不足

落ち着いた雰囲気を優先して暗めの照明に → 検査で7ルクスと判定 → 照明増設工事で開業1か月延期。

事例③:避難経路塞ぎ

非常口前に観葉植物と棚を設置 → 検査官から是正指示 → 再検査で2週間遅延。


申請時に必要な図面の種類

  1. 平面図:全体のレイアウト
  2. 求積図:客室面積や延床面積
  3. 照度分布図:照明の位置と明るさの数値
  4. 客室の見通し図:仕切りの高さ・構造を明示
  5. 避難経路図:出入口・非常口を明示

👉 プロの行政書士や設計士が作成することで、審査通過率は格段に上がります。


図面チェックの流れ

  1. 物件下見:現場を確認し、現状の構造を把握
  2. 法令確認:用途地域・条例・建築基準をチェック
  3. 図面作成:CADなどを使って正確に作成
  4. 事前協議:警察署生活安全課に図面を見せ、適合性を確認
  5. 申請提出:必要書類と一緒に提出

行政書士に依頼するメリット

  • 法令基準を踏まえた図面作成サポート
  • 警察署との事前協議を代行
  • 内装業者との調整をワンストップで対応
  • 検査立会いで指摘リスクを最小化

図面と設備要件は最も専門性が高い分野であり、開業者が独力で進めると失敗しやすい部分です。


まとめ

  • 風俗営業許可の最大のハードルは「図面と設備基準」
  • 客室の見通し、照度、出入口・避難経路が特に重要
  • 図面を誤ると数十万円以上の損失と開業遅延につながる
  • 申請前に専門家チェックを入れることで、失敗を防げる

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行政書士高見裕樹事務所では、風俗営業許可の図面作成・設備確認をサポートしています。北陸三県(石川・富山・福井)対応可能です。

「この図面で通るのか確認してほしい」という初歩的なご相談も歓迎しています。

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