
どの物件ならできる?|宿泊業開業のための物件チェックリスト
はじめに
「旅館業や民泊を始めたいけど、どんな物件なら許可が取れるの?」
宿泊業の開業相談で最も多い質問の一つです。
見た目が魅力的な古民家や立地の良いマンションでも、用途地域や建物構造、管理規約の制限によって営業できない場合があります。さらに、消防設備やオーナー承諾の問題で断念せざるを得ないケースも少なくありません。
この記事では、石川県(金沢市)を中心に北陸で宿泊業を始めたい方のために、物件選びで絶対に確認すべきリスクとチェックポイントをまとめました。
用途地域の制限を確認する
用途地域とは?
都市計画法に基づき、土地の利用を制限する制度です。都市部は「住宅地」「商業地」「工業地」など用途地域ごとに分けられており、建てられる建物や用途に制限があります。
宿泊業ができる地域
- 商業地域
- 準工業地域
- 近隣商業地域
これらは宿泊業との親和性が高く、許可が下りやすい地域です。
宿泊業ができない地域
- 第一種低層住居専用地域
- 第二種低層住居専用地域
- その他、一部の住居系地域では制限が厳しい
古民家や空き家は多くが住宅地にあるため、「雰囲気は良いが法律上営業できない」という落とし穴に注意が必要です。
チェック方法
- 市役所や都市計画課で「用途地域マップ」を確認
- 不動産業者に用途地域の指定を確認
- 行政書士や建築士に調査を依頼
建物の構造・耐震基準・消防要件
建物構造の確認
- 木造か鉄筋コンクリート造かで必要な消防設備が異なる
- 階数や延床面積によっても基準が変わる
耐震基準
- 1981年以前に建築された建物は「旧耐震基準」のため要注意
- 耐震補強工事が必要な場合、数百万円単位の追加費用が発生
消防要件
- 自動火災報知器
- 避難口誘導灯
- 消火器
- 避難経路(廊下の幅・階段の幅員)
消防法を満たしていない建物は、工事費が膨らみ、開業を断念せざるを得ないこともあります。
オーナー承諾や管理規約の制限
賃貸物件の場合
賃貸契約で「住居専用」と記載されている場合、宿泊業利用は契約違反となります。必ずオーナーの承諾を得なければなりません。
マンションの場合
管理規約で「民泊禁止」「宿泊施設利用禁止」と定められているケースが多いです。承諾が得られなければ営業は不可能です。
承諾を得る工夫
- 事業計画書を提示
- 騒音・ゴミ問題の対策を説明
- 緊急時の連絡体制を明示
承諾を得ることができれば、物件選びの幅が大きく広がります。
現地調査の重要性
図面や契約書だけで判断するのは危険です。実際に現地を見て確認すべきポイントがあります。
現地でのチェック項目
- 建物の老朽化具合
- 周辺環境(住宅密集地か、商業地域か)
- 騒音リスク(繁華街、線路沿いなど)
- 駐車場の有無
- ゴミ集積所の位置
行政との事前相談
- 保健所に「この物件で許可が取れるか」相談
- 消防署に「必要な設備は何か」確認
- 建築指導課に「用途変更が必要か」確認
事前相談を行うことで「開業できるかどうか」が早い段階で判断できます。
物件選びでよくある失敗事例
- 用途地域を確認せず契約
→ 住居専用地域で営業不可、契約解除に。 - 消防工事の費用が想定外に高額
→ 改装費が倍になり、資金ショート。 - オーナー承諾を取らずに進めた
→ 契約違反となり、強制退去。 - 管理規約を見落とした
→ マンションで民泊禁止、投資が無駄に。
専門家に依頼するメリット
物件選びの段階から行政書士や不動産会社に相談することで、失敗を未然に防げます。
- 用途地域の調査
- 消防・建築要件の確認
- オーナー承諾書の作成サポート
- 賃貸契約書のリーガルチェック
行政書士高見裕樹事務所では、
- ふちどり不動産による物件調査・仲介
- Kプランニングによる内装工事・消防対応
- 当事務所による許可申請代行
をワンストップで提供しています。
まとめ
- 宿泊業開業において最も重要なのは「どの物件を選ぶか」。
- 用途地域・建物構造・消防要件・オーナー承諾・管理規約を必ず確認する。
- 図面だけで判断せず、現地調査と行政への事前相談が欠かせない。
- 専門家と連携することで、物件選びのリスクを最小限に抑えられる。
お問い合わせ
行政書士高見裕樹事務所では、宿泊業の開業に必要な物件選び・調査・許可申請・工事をトータルでサポートしています。
- 電話:076-203-9314
- お問い合わせフォーム:https://takami-gs.com/contact/
「この物件で宿泊業ができるのか?」という初歩的なご相談も大歓迎です。お気軽にご連絡ください。