
金沢市で簡易宿所を開業するには?|旅館業許可取得の流れと注意点
はじめに
近年、北陸新幹線の開通や観光需要の高まりにより、金沢市を訪れる観光客は増加の一途をたどっています。観光客の滞在ニーズは多様化し、ホテルだけでなく、**古民家やアパートの1室を改装した「簡易宿所」**も人気を集めています。
ただし、簡易宿所を開業するためには、必ず**旅館業法に基づく許可(旅館業許可)**が必要です。無許可で営業すれば罰則の対象となり、行政処分を受ける可能性もあります。
この記事では、金沢市で簡易宿所を開業する際に必要な許可取得の流れ、設備要件、図面や消防対応、条例上の注意点を詳しく解説し、あわせて行政書士に依頼するメリットについても紹介します。
第1章 簡易宿所とは?
1-1 旅館業法における定義
「簡易宿所」とは、不特定多数の宿泊者に宿泊させる施設のうち、構造設備が簡易な宿泊施設をいいます。
例:ゲストハウス、ホステル、民泊型宿泊所、アパート改装型宿泊施設
1-2 ホテルや旅館との違い
- ホテル・旅館:フロント設置が原則
- 簡易宿所:必ずしもフロント不要だが、代替措置(インターホン・管理者常駐体制)が必要
1-3 金沢市で多い形態
- 古民家をリノベーションしてゲストハウス化
- アパートやマンションの一室を簡易宿所として活用
- 戸建住宅を改装して1棟貸し
第2章 金沢市での申請窓口
旅館業許可(簡易宿所)の申請窓口は、**金沢市保健所(食品衛生課)**です。
- 所在地:金沢市西念3丁目4-25
第3章 簡易宿所の許可取得の流れ
- 事前相談
- 保健所に図面を持参し、設備要件を満たすか確認
- 消防署での事前確認(火災報知器・誘導灯・消火設備)
- 必要書類準備
- 旅館業営業許可申請書
- 施設の平面図・配置図
- 建築確認済証(建物用途の確認)
- 管理者選任届
- 賃貸物件の場合、使用承諾書
- 施設検査
- 保健所による現地検査
- 消防による立入検査
- 許可証交付
- 基準を満たした場合、旅館業営業許可証が交付され、営業可能に
第4章 設備要件のポイント
- 玄関・出入口:施錠可能で、避難経路を確保
- 洗面・浴室・トイレ:清潔で十分な数を確保
- 寝具スペース:1人あたり3.3㎡以上
- 換気・採光設備:窓・換気扇での換気能力
- 消防設備:火災報知器・誘導灯・避難はしごなど
👉 古民家を改装する場合、天井の高さや窓の大きさが要件を満たさないケースも多く、設計段階からの確認が必須です。
第5章 金沢市の条例上の注意点
5-1 看板掲示義務
金沢市では条例により、営業許可前に看板掲示(標識設置)を1〜2か月行う必要があります。地域住民への周知期間を設けるためで、この点を見落とすとオープンが遅れることになります。
5-2 用途地域の制限
簡易宿所は、都市計画法上の用途地域によって営業可能かどうかが決まります。第一種低層住居専用地域では原則営業不可のため、事前に都市計画課へ確認が必要です。
5-3 景観条例
金沢市中心部では景観条例が厳しく、外観や看板デザインに制限がかかる場合があります。
第6章 よくある失敗例
- 用途地域の確認不足 → 建設基準法上、宿泊施設にできなかった
- 消防対応の遅れ → 許可直前で追加工事を指摘され、オープンが延期
- 図面と工事内容が不一致 → 再検査となり、余計な費用が発生
- 看板掲示を忘れていた → 住民説明不足でトラブルに
第7章 費用の目安
- 保健所申請手数料:55,000円〜(規模により変動)
- 消防設備工事費:数十万円〜数百万円
- 内装改修工事費:数百万円〜
- 行政書士報酬:申請書類作成・図面作成・保健所立会いで 110,000円〜
第8章 行政書士に依頼するメリット
- 物件調査・用途地域確認からサポート
- 図面作成・書類作成を代行
- 保健所・消防との折衝を一括で対応
- 行政書士高見裕樹事務所なら不動産探し+リフォーム工事+許可申請までワンストップで支援
第9章 金沢市での実例
事例① 古民家を簡易宿所に改装
築100年の町家を改装。景観条例・用途地域を確認し、旅館業許可を取得。観光客向けゲストハウスとして運営。
事例② アパートの1室を簡易宿所化
使われていなかった賃貸アパートの一室を改装。小規模宿泊施設として稼働し、副収入につながった。
事例③ 戸建住宅を1棟貸し
相続で取得した戸建住宅を簡易宿所として活用。消防設備の追加工事を行い、旅館業許可を取得。
まとめ
- 簡易宿所は金沢市でも人気のある開業形態
- 許可取得には保健所申請、消防対応、用途地域確認が必要
- 条例に基づく看板掲示期間(1〜2か月)に注意
- 行政書士に依頼すれば、物件探し・工事・申請を一括でサポートできる
お問い合わせ
金沢市で簡易宿所を開業したい方は、行政書士高見裕樹事務所へお気軽にご相談ください。
👉 お問い合わせフォーム:https://takami-gs.com/contact/
👉 電話:076-203-9314