
旅館業・簡易宿所・民泊の違いと石川県での開業実務
金沢市で宿泊施設を始めたい方へ
北陸新幹線の延伸やインバウンド需要の高まりにより、石川県(金沢市を中心に北陸三県)では観光業・宿泊業への注目度が増しています。
「空き家や古民家を活用してゲストハウスを開業したい」
「兼業で民泊を始めたい」
「ホテル・旅館を法人として運営したい」
そんな声が増えている一方で、実際には「旅館業」「簡易宿所」「民泊」など複数の制度があり、それぞれに必要な許可やルールが異なります。制度を正しく理解しないまま進めてしまうと、開業直前で大きな修正が必要になったり、場合によっては営業できないという事態にもなりかねません。
本記事では、石川県(金沢市を含む北陸三県)で宿泊施設を始めたい方向けに、旅館業法と民泊の違い、簡易宿所の実務、開業までの流れや注意点 を詳しく解説します。
1. 旅館業法の基本と種類
宿泊施設を運営するための基礎となるのが 旅館業法 です。旅館業法では、営業形態ごとに次の4種類に分類されています。
- ホテル営業
洋式構造を主体とし、フロントを備えた宿泊施設。ビジネスホテルやシティホテルなど。 - 旅館営業
和式構造を主体とした宿泊施設。温泉旅館や民芸調の宿など。 - 簡易宿所営業
相部屋やドミトリー形式など、多人数を収容する簡易な宿泊施設。ゲストハウスやカプセルホテル、古民家リノベ宿などが該当。 - 下宿営業
1か月以上の滞在を前提とした宿泊施設。学生下宿や長期滞在型住宅が該当。
この中で、個人や小規模事業者が最も選択しやすいのが 簡易宿所営業 です。
2. 簡易宿所営業の特徴
メリット
- 少ない客室数でも開業可能
- 空き家や古民家を活用しやすい
- 投資コストを抑えられる
- インバウンド観光客やバックパッカー需要と相性が良い
デメリット
- 消防設備(火災報知器・誘導灯・消火器等)の設置が必須
- 建築基準法上の用途変更が必要な場合がある
- 用途地域の制限により、住宅地の一部では開業できない
- 管理者の常駐、または24時間の緊急対応体制が求められる
石川県(金沢市)の場合、さらに 条例による制約 があり、特に「標識(看板)掲示」の事前期間が 1~2か月程度必要 です。
「物件を借りてすぐオープン」ということはできず、スケジュール管理を誤ると大きな機会損失となります。
3. 民泊との違い
宿泊施設のもう一つの選択肢が 民泊(住宅宿泊事業) です。
これは「住宅宿泊事業法(民泊新法)」に基づく制度で、年間180日以内の営業が上限とされています。
- 民泊(住宅宿泊事業)
→ 届出制。住居を利用し、年間180日以内の営業。副業や空き家活用向け。 - 簡易宿所(旅館業法許可)
→ 許可制。営業日数に制限なし。フル稼働可能。
「副業で少しだけ運営したい」なら民泊が選択肢になりますが、観光地で本格的に事業化するなら 簡易宿所や旅館業の許可を取得 する方が適しています。
4. 開業までの流れ(石川県の場合)
宿泊業を始めるには、次のようなステップを踏む必要があります。
- 物件調査
用途地域の確認、建物の構造や延床面積のチェック。
場合によっては「用途変更」申請が必要になる。 - 消防署・保健所との事前協議
火災報知器、誘導灯、避難経路、消火設備などの基準確認。
食品衛生や衛生管理体制についても協議。 - 図面作成・改装工事
建築基準法や旅館業法に適合するようリフォーム。
内装業者との調整も重要。 - 許可申請書類の作成・提出
行政書士が代行可能。添付書類(平面図、設備図、用途地域証明など)が多岐にわたる。 - 現地検査・許可取得
申請後、保健所や消防署による立入検査。
問題なければ許可証が交付され、営業開始が可能。
通常、2~3か月程度 を見込むのが現実的です。
5. 石川県(金沢市)の実務上の注意点
- 看板掲示期間
金沢市条例により、許可申請前に「営業予定地での標識掲示」が必要。掲示期間は1~2か月。 - 景観条例
歴史的景観保全のため、外観や看板デザインに制約がある地域も存在。 - 用途地域
第一種低層住居専用地域では宿泊施設が認められない場合あり。 - 消防要件
古民家活用の場合、追加でスプリンクラーや非常照明の設置が求められることもある。
6. 行政書士高見裕樹事務所の強み
当事務所では、次のような ワンストップサポート をご提供しています。
- ふちどり不動産による物件探し
→ 宿泊施設に適した土地・建物を選定。 - 行政書士による許可申請代行
→ 書類作成から役所対応まで丸ごとお任せ。 - 株式会社Kプランニングによる改装工事
→ 消防・建築基準を満たす施工を一括対応。 - 事業計画書作成サポート
→ 融資・資金計画の支援も可能。
「物件探しから改装、許可申請まで一気通貫」で対応できるのは、北陸では珍しい体制です。
7. 費用の目安
- 事前調査:55,000円~
- 許可申請代行:165,000円~
- 図面作成費:55,000円~
- 実費:申請手数料や証明書代 20,000円前後
※工事費用(消防設備・リフォーム)は物件の状態によって変動します。
「高くないですか?」という声もありますが、開業後のトラブルや無駄な工事を避けられると考えれば、結果的にコスト削減につながるケースが多いです。
8. まとめ
旅館業・簡易宿所・民泊は、それぞれ制度や制約が異なり、石川県(金沢市)では特に 条例・地域ルール に注意が必要です。
「知らずに工事を進めてしまった」「申請が遅れて開業できない」といった失敗は避けなければなりません。
当事務所では 秘密厳守で対応します。安心してご相談ください。
また、当然ながら 違法行為には加担できません。適法に安心して営業できるよう、しっかりとサポートいたします。
📩 ご相談は「行政書士高見裕樹事務所」お問い合わせフォームよりお気軽にどうぞ。
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