
無許可営業でどうなる?|罰則強化とリスク回避のために知っておくべきこと
1. 風俗営業における「無許可営業」とは?
スナック・ラウンジ・キャバクラなどで接待を伴う営業をするには、必ず風俗営業許可が必要です。
しかし中には、
- 「飲食店営業許可があるから大丈夫」
- 「接待は形だけだから届け出は不要」
- 「深夜営業の届出でカバーできる」
と誤解し、無許可のまま営業を始めてしまうケースがあります。
実はこの「無許可営業」、令和7年の法改正によって罰則が一層強化され、リスクはかつてないほど高まっています。
2. 無許可営業の罰則(令和7年改正後)
(1) 個人経営者の場合
- 懲役:最大5年
- 罰金:最大1,000万円
以前は「数十万円程度の罰金」と思われていた無許可営業ですが、改正後は桁違いの罰則が科される可能性があります。
(2) 法人の場合
- 罰金:最大3億円
会社名義で営業している場合、法人自体に重い罰金刑が課されます。
「会社の資金繰りが一気に悪化」「法人格を維持できなくなる」など、事業継続が困難になる事例も想定されます。
3. 行政処分によるリスク
罰則以外にも、無許可営業や違反営業が発覚した場合には行政処分が下されます。
- 営業停止命令(数日〜数か月)
- 許可取消処分
- 再申請禁止期間の設定(5年間など)
一度取消処分を受けると、将来的に同じ場所や同じ経営者での再申請は極めて難しくなります。
事業者にとっては致命的な打撃です。
4. 「気づかないうちに無許可営業」になるケース
実務では、オーナーが「無許可だと知らなかった」ケースも少なくありません。
(1) 深夜酒類提供との混同
- 午前0時以降に営業するには「深夜酒類提供飲食店営業開始届」が必要。
- ただし 接待行為をする場合は風俗営業許可が必須。
- 両者は併用不可。
(2) 接待行為を軽く考えてしまう
- お客様の隣に座る
- お酌をする
- カラオケで一緒に歌う
これらはすべて「接待」に該当。
軽いサービスのつもりでも、法的には風俗営業に分類されます。
(3) 改装後に図面と異なっていた
- 許可時の図面通りで営業する必要あり。
- 壁を抜いたり、個室を増設したりすると「構造変更」にあたり、再申請が必要。
- 無断で改装 → 無許可営業扱いになることも。
5. 令和7年法改正の背景
- 違法営業による治安悪化や脱税問題
- SNSやネット集客による無許可店の増加
- 外国人経営者による無届け営業の拡大
これらに対応するため、警察庁は罰則を大幅に強化。
特に 法人罰3億円 は、健全な市場を守るための強いメッセージといえます。
6. リスク回避のためにできること
(1) 事前に「営業スタイル」を明確にする
- 接待あり → 風俗営業許可
- 接待なし・0時以降 → 深夜酒類提供飲食店営業開始届
- 接待なし・0時前のみ → 飲食店営業許可のみ
開業前にしっかり線引きをすることが重要です。
(2) 図面段階で行政書士に相談
- 許可を前提としたレイアウト設計が必要
- 改装後に不許可 → 再工事で数百万円の損失になるケースも
(3) 定期的に法令チェック
- 法改正や運用基準の変更があれば、早めに対応
- 特に令和7年改正後は警察のチェックが厳格化
7. 実際のトラブル事例
事例①:無許可での接待営業
富山市で「深夜酒類提供飲食店届」だけを出して営業していたバー。
→ 実際は接待行為があり、警察の立入検査で摘発。営業停止+罰金刑。
事例②:無断改装で図面不一致
金沢市のスナックで、壁を抜いてVIPルームを新設。
→ 再申請をしていなかったため「無許可営業」と判断され、営業停止処分。
事例③:法人に巨額の罰金
福井市で法人名義のクラブが無許可営業。
→ 令和7年改正後、数億円規模の法人罰金が想定されるケース。経営破綻の可能性も。
8. 行政書士に依頼するメリット
- 営業スタイルに合った正しい許可を提案
- 図面作成から改装計画まで「許可が通る前提」で設計
- 警察署との事前協議を代行し、スムーズなやり取りを実現
- 石川・富山・福井の地域ごとの運用差にも対応
9. まとめ
- 無許可営業は令和7年改正で罰則が大幅強化
- 個人:懲役5年+罰金1,000万円、法人:罰金3億円のリスク
- 「深夜酒類提供」と「風俗営業許可」の混同が無許可の典型例
- 図面変更や接待行為も要注意
- 開業前から専門家に相談し、リスクを回避することが不可欠
「安易に始めたら無許可営業だった」という事態を避けるため、必ず事前の調査と相談をおすすめします。
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風俗営業許可やリスク回避のご相談は「行政書士高見裕樹事務所」へ。
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