
宿泊+朝食サービスには許可が2つ必要?|旅館業と飲食店営業の同時取得完全ガイド
はじめに
最近、簡易宿所や民泊のオーナー様から「朝食を提供したいが、許可は必要か?」というご相談が増えています。
結論から言えば、宿泊業の許可(旅館業法)だけでは飲食提供はできず、別途**飲食店営業許可(食品衛生法)**が必要です。
この記事では、旅館業と飲食店営業許可の両方を取得する方法を、行政書士の実務経験をもとに詳しく解説します。
石川県・富山県・福井県など北陸三県の実務事例も交えながら、失敗しない複合営業の進め方をご紹介します。
1. なぜ許可が2つ必要なのか?
1-1. 旅館業許可の対象範囲
旅館業法は「宿泊サービス」を対象としており、宿泊者への寝具提供・清掃・施設管理が主な義務です。
飲食提供については法律上明記されておらず、旅館業許可だけでは食品提供の衛生基準を満たしたとみなされません。
1-2. 飲食店営業許可の役割
食品衛生法に基づき、飲食店営業許可は不特定多数への飲食提供を規制します。
宿泊者専用の朝食であっても「調理を伴う提供」があれば対象となり、保健所の衛生検査を経て許可が必要です。
2. 許可が必要になる具体的なケース
- 宿泊施設で朝食(パン・コーヒー・味噌汁など)を調理提供する場合
- 宿泊者向けに夕食を提供する場合
- 宿泊者以外にも利用可能なカフェ営業を行う場合
- 宿泊施設内にバーを設置する場合(深夜酒類提供や風俗営業許可も追加で必要になるケースあり)
3. 許可取得の順序とスケジュール管理
3-1. 推奨される流れ
- 物件調査(旅館業・飲食業の両方の基準に合致するか確認)
- 図面作成(宿泊部分と飲食部分の区分を明確化)
- 旅館業許可申請(保健所)
- 飲食店営業許可申請(保健所)
- 消防署との協議・設備設置
3-2. 同時申請の可否
自治体によっては旅館業と飲食店営業の同時申請が可能ですが、審査担当が別部署の場合、順番を間違えると再調整が必要になります。
例:石川県金沢市では旅館業→飲食業の順がスムーズ。
4. 厨房・調理スペースの基準
4-1. シンクの数
飲食店営業許可では二槽以上のシンクが必要(用途によっては三槽)。
簡易宿所の共同キッチンをそのまま使えない場合もあります。
4-2. 冷蔵・冷凍設備
業務用冷蔵庫が求められる場合が多く、家庭用冷蔵庫は不可とされる自治体もあります。
4-3. 食器洗浄と保管
調理器具と食器は別々に洗浄し、衛生的に保管できるスペースが必要です。
5. 消防法の追加要件
- ガスコンロ設置で自動火災報知設備の増設が必要になるケース
- 調理室と客室の距離や防火区画の確保
- 換気扇やダクトの耐火性能基準
6. 自治体ごとの違い(北陸三県の実例)
石川県
- 保健所が旅館業と飲食業の両方を管轄
- 同時申請可だが、事前協議を推奨
富山県
- 旅館業と飲食業で担当者が異なり、別日審査になることが多い
福井県
- 消防設備基準が比較的厳しく、調理設備増設時の指導が細かい
7. よくある失敗事例
- 厨房設備が飲食業基準を満たさず、追加工事で開業が遅れる
- 消防署への相談が遅れ、設計変更が発生
- 朝食提供を始めてから保健所に指摘され、営業停止命令を受けた
8. 行政書士に依頼するメリット
- 法令調査から保健所・消防署調整まで一括対応
- 設計段階から許可基準を満たすアドバイス
- 図面作成・申請書作成・現地立会まで代行
9. 開業後の運営ポイント
- 食材の仕入れ・保存の記録を残す
- 衛生管理マニュアルの作成
- 年1回の営業報告(自治体による)
まとめ
宿泊と飲食を組み合わせる場合、旅館業許可と飲食店営業許可の両方が必要です。
計画段階から両方の基準を意識しないと、工事のやり直しや開業遅延につながります。
当事務所では、北陸三県での複合営業許可を多数サポートしていますので、まずはお気軽にご相談ください。
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