「民泊可能物件」に騙されるな!購入・賃貸前に確認すべき10のポイント
近年、金沢市をはじめとする観光地では、
- 空き家を宿にしたい
- 古民家を活用したい
- マンションの一室で宿泊事業をしたい
- 投資用不動産として宿泊施設を運営したい
という方が増えています。
その中でよく見かけるのが、
「民泊可能物件」
「旅館業可能物件」
という不動産広告です。
しかし、この言葉をそのまま信用して物件を契約してしまうのは非常に危険です。
実際に当事務所にも、
「不動産会社から民泊可能と言われたので契約したが営業できなかった」
という相談が少なくありません。
今回は、宿泊事業を始める前に必ず確認すべき10のポイントについて解説します。
なぜ「民泊可能物件」でも営業できないのか
まず知っていただきたいのは、
不動産会社と行政機関では判断基準が異なる
ということです。
不動産会社が言う
「民泊可能」
とは、
「法律上営業できる」
という意味ではなく、
単に
「所有者が認めている」
「過去に宿泊利用されたことがある」
程度の意味で使われていることがあります。
最終的に営業できるかどうかを判断するのは、
- 保健所
- 消防署
- 建築部局
です。
つまり、
行政協議を行わなければ本当に営業できるかは分からない
ということです。
① 用途地域を確認する
最初に確認するべきなのが用途地域です。
旅館業はどこでもできるわけではありません。
例えば、
- 第一種低層住居専用地域
- 第二種低層住居専用地域
などでは制限が生じる場合があります。
ただし、
用途地域だけで判断できるわけではありません。
用途地域が問題なくても営業できないケースは数多くあります。
用途地域はスタートラインに過ぎません。
② 建築確認の有無を確認する
特に古い建物で重要なのが建築確認です。
確認したいのは、
- 建築確認済証
- 検査済証
の有無です。
古い建物の場合、
書類が存在しないケースもあります。
また、
現在の建物と当時の図面が異なるケースもあります。
宿泊施設として利用する場合、
建築関係の整理が必要になることがあります。
③ 違法増築の有無を確認する
非常に多いのが違法増築です。
例えば、
- サンルーム
- 倉庫
- 増築された客室
- 後付けの物置
などです。
所有者自身が違法増築を認識していないこともあります。
旅館業許可の検討段階で発覚することも少なくありません。
④ 接道状況を確認する
建物がどの道路に接しているかも重要です。
特に古民家では、
- 建築基準法上の道路ではない
- 幅員が不足している
- 接道状況が不明
というケースがあります。
古い町並みが残る地域では注意が必要です。
⑤ 管理規約を確認する
マンションの場合に最重要なのが管理規約です。
管理規約で宿泊事業が禁止されている場合、
旅館業も民泊もできません。
不動産会社から
「民泊可能です」
と言われた場合でも、
必ず管理規約を確認してください。
過去には、
契約後に宿泊事業禁止が判明したケースもあります。
⑥ 消防設備を確認する
旅館業でも民泊でも消防法への対応が必要です。
必要になる設備としては、
- 消火器
- 誘導灯
- 自動火災報知設備
- 火災通報装置
などがあります。
物件によっては、
消防設備工事だけで数十万円以上かかることもあります。
「安い物件を見つけた」
と思っても、
後から高額な消防工事費が発生することがあります。
⑦ 避難経路を確認する
宿泊施設では避難経路が重要です。
例えば、
- 避難経路が1つしかない
- 廊下幅が不足している
- 階段が極端に急である
などの問題がある場合、
改修が必要になることがあります。
特に古民家では慎重な確認が必要です。
⑧ 水回り設備を確認する
保健所は水回り設備を重視します。
具体的には、
- トイレ
- 洗面設備
- 給湯設備
- 換気設備
などです。
住宅として問題なくても、
宿泊施設としては基準を満たさない場合があります。
⑨ 周辺住民との関係を確認する
意外と見落とされるのが近隣環境です。
例えば、
- 住宅密集地
- 高齢者が多い地域
- 過去に宿泊施設トラブルがあった地域
などでは、
住民対応が重要になります。
旅館業許可が取得できても、
運営開始後にトラブルが発生するケースがあります。
⑩ 行政協議を行う
最終的にはこれが最も重要です。
実際に、
- 保健所
- 消防署
- 建築関係部署
との協議を行わなければ、
営業できるかどうかは分かりません。
不動産会社
売主
知人
インターネット
これらの情報だけで判断するのは危険です。
よくある失敗事例
ケース1
購入後に旅館業ができないことが判明
ケース2
消防設備費が想定の3倍だった
ケース3
管理規約で営業禁止
ケース4
違法増築が発覚
ケース5
住民から強い反対が出た
いずれも契約前に調査をしていれば回避できた可能性があります。
なぜ契約前の調査が重要なのか
宿泊事業において最も高い買い物は物件です。
そのため、
契約後に問題が見つかると、
- 解約できない
- 多額の改修費が発生する
- 宿泊事業そのものを断念する
という事態になりかねません。
行政書士として数多くの案件を見てきましたが、
最も重要なのは申請書作成ではなく、
契約前の事前調査
です。
当事務所の事前調査で確認していること
当事務所では宿泊事業の事前調査において、
- 用途地域
- 建築関係
- 消防関係
- 接道状況
- 管理規約
- 周辺環境
- 保健所協議
- 行政協議
などを総合的に確認しています。
「この物件で本当に営業できるのか」
という視点で調査を行っています。
まとめ
「民泊可能物件」
「旅館業可能物件」
という広告を見ても、
すぐに契約するべきではありません。
宿泊事業では、
- 用途地域
- 建築基準法
- 消防法
- 管理規約
- 接道状況
- 住民対応
など、確認すべき事項が多数あります。
物件によっては大きな改修費が必要になることもあります。
だからこそ、
契約前の事前調査が重要です。
宿泊事業を成功させるためには、
まず「営業できる物件かどうか」を確認することから始めましょう。
お問い合わせ
行政書士高見裕樹事務所
〒921-8145
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